OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

冒険家クラブ/七つの時計 ミステリ・ベストセラーズ

 鶴書房ミステリ・ベストセラーズに収録されたクリスティの巻の収録作品は『冒険家クラブ』『七つの時計』の二本立て。

(以下、ネタバレ注意!)
  
『冒険家クラブ』はトミー&タペンスコンビシリーズの記念すべき第一作。
『七つの時計』はチムニーズ館シリーズの二作目及びバトル警視シリーズの二作目のようです。
 クリスティというとエルキュール・ポアロミス・マープルが真っ先に思い浮かびますが、あえてそういう本格推理ではなく若い男女が活躍する冒険ものを選んだ編集者に拍手。ジュヴナイル向けとしてはこの作品選択はいいと思いますよ。
 ウィキペディアに掲載されているクリスティの作品リストによると、
トミー&タペンスコンビシリーズについてはクリスティも愛着があったようで、デビュー直後から晩年までコツコツと書き継がれています。

 若い男女カップルが活躍する冒険ものなので、少年少女向けとしてはいい素材ではないでしょうか。ポアロミス・マープルシリーズほど有名ではないですが、もっと知られていいシリーズだと思います。
『七つの時計』は、主人公の無鉄砲な冒険にハラハラさせられる展開。
 登場する謎の組織は時計の仮面を被っているというコスプレ集団。
 まるで【時計戦隊 タイムレンジャー】です。あの時代に戦隊もののアイディアを出していたクリスティはすごい。
 ビジュアル的に面白いと思うのですが、映像化・マンガ化されているのでしょうか。ぜひ見てみたい。
 本書の挿絵(金森達)では、コスプレのシーンは描かれていません。
 他の本では描かれているのでしょうか。見てみたいものです。
 しかし、何でわざわざこんなコスプレをしているのでしょうか。よく考えると非常に不合理な行為です。
 もっとよく考えると“恰好隠して声隠さず”というか、ストーリー的には声色も変えないと成り立たないのです。小説だから可能だったトリック。
  
 ブクログ https://booklog.jp/item/100/36435
   
 wikipedia:アガサ・クリスティ wikipedia:アガサ・クリスティの著作一覧
  
 wikipedia:秘密機関 wikipedia:トミーとタペンス
  
 wikipedia:七つの時計 wikipedia:バトル警視
  
Delicious Death
 秘密機関
  http://www.deliciousdeath.com/02/index02j.html
 七つの時計
  http://www.deliciousdeath.com/10/index10j.html
  
ほんのひと口ーアガサクリスティと覚醒体験ー
 七つの時計殺人事件 THE SEVEN DIALS MYSTERY アガサ・クリスティ 蕗沢忠枝 訳
  http://systemesse.net/アガサ・クリスティ/post-2564
 チムニーズ館の秘密 THE SECRET OF CHIMNEYS 高橋豊 訳
  http://systemesse.net/アガサ・クリスティ/post-2561
 
OLDIES 三丁目のブログ
 オリエント急行殺人事件(ネタバレ注意!)
 https://diletanto.hateblo.jp/entry/20150130/p1
 クリスティー文庫に解説がほしい 文庫本と解説
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20180111/p1
 
少年少女・ネタバレ談話室(ネタばらし注意!)
 そして誰もいなくなった ネタバレ感想
  http://sfclub.sblo.jp/article/182094959.html
アクロイド殺害事件』ネタバレ感想
  http://sfclub.sblo.jp/article/180108622.html
 クリスティ『うぐいす荘事件』ネタバレ感想
  http://sfclub.sblo.jp/article/180117344.html
  
少年少女・ネタバレ談話室(ネタばらし注意!)
 シャム兄弟のひみつ ネタバレ検討会
  http://sfclub.sblo.jp/article/184314049.html

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マイノリティの私が週刊金曜日に駄提案!?

 週刊金曜日 2018年11/2号 [雑誌] 週刊金曜日 2018年11/2号 [雑誌]  

創刊25周年記念特集 政治とメディアの25年
週刊金曜日11月2日(1207)号
 http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/002681.php
 
 週刊金曜日創刊25周年という。
 この節目に社長になられた植村隆さんの新連載
●ヒラ社長が行く
の見出しは
「活火山のような活力ある雑誌を目指して」
 

 休刊でなく、活刊を目指そう。「活刊」とは、雑誌を活性化させ、より発展させることだ。辞書にはない新しい言葉だ。いま私がつくったからだ。活火山のように「活力ある雑誌」を目指して、頑張りたい

 新しい造語までしてノリノリです。その勢いを今後も続けてほしいものです。
 今、日本は安倍晋三の独裁体制が完成に近付きつつあります。
 ここで踏み止まり、民主的体制を死守しなければなりません。
 我々心ある国民はこの貴重な媒体・週刊金曜日を応援していきましょう。
  
●本誌編集委員から25周年のメッセージ

 において中島岳志さんからのメッセージは密度が濃かった。何せこのメッセージを書くために創刊年(1993年)に発行された全ての号を精読されたという。
 ちょっとズレる感想なんですが、やはりプロの学者は読むのが早いと。私なんか週刊金曜日1冊を読むのに1週間以上かかります。定期購読していない理由の一つはそれです。
 それはともかく、中島さんは1993年の重要記事を色々と紹介。週刊金曜日の歴史を感じます。記事のタイトルだけでも重厚感。
(ハナダだとかウィルだとかの安直な見出しとはえらい違いや)
 週刊金曜日には25年間の貴重な歴史があるのだから、過去記事再掲載だとか抜粋紹介の企画はどうですか?
 最後に中島さんは創刊号の裏表紙に掲げられた雑誌の六大指針を紹介。
 その中で面白く感じたのが

4)文化・芸術の分野をリードする雑誌に!
 
 確かに週刊金曜日には文化・芸術関係のコラムが充実しています。
 今週号で面白かったのは
 
●『金曜日』で逢いましょう
 読むより歌う方が心に響く 今こそ理想を、憲法ソング
 真思惟(まーしい)さん
 
 CDブックス(11曲収録) ドレミファ憲法 歌で知る前文と10の条文 CDブックス(11曲収録) ドレミファ憲法 歌で知る前文と10の条文
  
「歌にすると、すっきりと入ってくるんです。読むよりも歌う方が心に響く」
 

きたがわてつさんが1983年に発表した『日本国憲法前文』は前半が朗読、後半に歌。前文すべてと10の条文に曲をつけて歌うのはおそらく真思惟さんが初めてだ。


 現行憲法を「いじましい」「みっともない」とけなした安倍晋三については
 
「こんな感覚、認識で政治をやっているのかと驚きました」
 
●ジャーナリスト大藤理子さんインタビュー
 
では、リベラルや本誌読者に対して辛辣な指摘がなされ、雑誌論に発展します。
 
「楽しそうにやっていないと人も集まりません。小さい差異にこだわりお前の方向はおかしいとか言い合って内ゲバやってたりする人たちに、人はついていかない。『週刊金曜日』の投書欄を見ると、読者がものすごく厳しいこと書いてますよね(笑)。それに中高年の男性読者には「俺の好みにあう記事がほしい」的な感じの人が多いじゃないですか。そういう読者も大事にしたいけど、「俺好み」の記事だけだと、社会問題に関心のある若者や女性という潜在読者層が「オヤジ臭」にひいちゃって『週刊金曜日』とつながれないからもったいないですよ。」
 
「いまの時代、雑誌は難しいですよね。多様な話題が載っているのが雑誌ですが、ネットが雑誌的な役割を果たしてしまっている。それに『週刊金曜日』の読者には自分の関心のあるものだけ載っていてほしい人も多いので誰もが物足りない。読者全員が喜ぶ雑誌はつくれない。だからこの号はこの話題、とムック化するしかないのかなと思ったりもしてます。」
 
「なるほど。読者の不寛容さも社会の雑多性をなくしているんじゃないかと思います。あまり読者に厳しいことは言いたくないけど、大藤理子なんで(笑)。あなたの不寛容が社会を不寛容にするんだから寛容になりましょうねと言うしかない。」
 
「なんとかなる。なんとかするしかない。ある種の能天気さが必要と思いますよ。」
「それは「サヨク」に最もないものですね(笑)。」
「最もないものですね(笑)。でもある種の大らかさは、世界を寛容にするためにも私たちが生き残るためにも必要ではないだろうかと思います。寛容さと能天気さは、これからの「サヨク」にとって重要なキーワードです。ぱーっと明るくいきましょう!」
  
 ちょっとイラつく部分もあるのですが、重要な指摘だと思います。
 単純なバカどもはハナダやウィルやジャパニズムといったネトウヨ雑誌の読者になって、メンドクサイ方々が週刊金曜日の読者なんでしょう。
 まあ私もメンドクサイ連中の一人であり、少数派の中でも仲間外れになるような究極のマイノリティなので言ってることは全然参考になりません。
 とあらかじめ断って『週刊金曜日』さんに提案させて頂きます。
 今のところ『週刊金曜日』は特集記事が前の方に掲載されて、文化・芸術関係の記事が後ろの方に掲載されています。

 いっそのこと、文化・芸術関係の記事を前の方に持って来て硬い特集記事を後ろの方に掲載してはどうでしょうか。
 文化・芸術関係の特集も増やして、文化・芸術関係をメインにするのです。
 そうすれば文化・芸術関係に関心のある層を取り込むことができそうですが、今までの固定ファンが離れていく恐れもあります。
 まあリアル社会でもネットでも私の意見が受け入れられることは滅多にありませんから、この企画も無理なんでしょう。
 しかし、一つのアイディアとして検討して頂ければと。
  
ブクログ https://booklog.jp/item/1/B07J356J4M
読書メーター https://bookmeter.com/books/13248270


 

 

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週刊金曜日で、過去の名記事を再掲載する企画は良いと思いますか?
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週刊金曜日で、文化・芸術関係の記事を前の方に掲載する企画は良いと思いますか?
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東京オリンピックパラリンピックは誰のため?/ナガサキの郵便配達/日刊ゲンダイも西村京太郎も登場!
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20180924/p1
週刊金曜日2018年1月12日号 リベラル 新たな民意のゆくえ
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20180513/p1
週刊金曜日 2017年12/15号 櫻井よしこ様の頭の中 他
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20180416/p1
週刊金曜日 2018年3/9号 3・11特集 被曝と健康
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20180323/p1
■“安倍機関紙”読売新聞 名指しでボイコット運動が必要
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20180131/p1
■[憲法]週刊金曜日創刊24周年 憲法特集号
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20171227/p1
■[憲法]まさか生きている間に独裁や軍国主義の時代に逆戻りするとは
「安倍政治」のメディア支配 週刊金曜日12月25日(1069)号
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20160125/p1
■[憲法]ウソを重ねる産経新聞 名指しでボイコット運動が必要
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20170602/p1


        
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手塚治虫の“奇妙”なオムニバス

 手塚治虫のさらに奇妙な話 (主婦の友ヒットシリーズ) 手塚治虫のさらに奇妙な話 (主婦の友ヒットシリーズ) 
  
(私の個人的嗜好に基づいた、あくまでも個人的な感想です。手塚治虫やその作品やそのファンの方々を貶める意図はありません)
  
 2つに折って真ん中でホチキスで止めた週刊誌サイズの体裁。
「奇妙な話」ということですが、私の受けた感想はどちらかというと
「残酷・タブー実話」
です。
 手塚治虫もこんな作品を描いていたのですね。私がもし本書で手塚治虫初体験をしていたら、嫌悪していたと思います。
 第一印象は大事ですね。
 私が初めて手塚作品を意識して読んだのは「W3」でした。
  
 wikipedia:W3
  
 こんな素晴らしいSFストーリーマンガがあったんだ!という衝撃を味わいました。私にとっては今でも「W3」は手塚作品のベスト1です。
 それに対して本書は「奇妙な話」というテーマでありながら、何でこの作品がという選定でした。
(繰り返しますが、あくまで私の個人的感想です)
  
 まず良い方から。
 本書のベスト1は『新・聊斎志異 お常』でしょう。
 本編に入る前にマクラがあって落語のような語り口。豊富なページ数を存分に活かした構成です。
『I.L 蛾』はどんでん返しというか、結末が驚き。
『I.L』は読んだことないのですが、どんな設定なんでしょうか。一言解説が欲しい。
 
 wikipedia:I.L
 
『ヤジとボク』は、他の方の感想を見ていると、ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』に言及しているケースが多い。超有名作品のようですが私は読んだことない。基本的作品は読んでおくべきだと思いました。
 ちなみに、私が連想した作品は、ネズミつながりで小松左京の「見えないものの影」でした。
  
20世紀少年少女SFクラブ
 見えないものの影
  http://sfclub.sakura.ne.jp/sf10.html
   
(以下、私の個人的嗜好に合わなかった作品。決して手塚治虫やその作品・そのファンの皆様をけなしているわけではありません)
  
ブラック・ジャック』は2編収録されていますが、読んでいてあまり爽快感がない巻。
(マンガの神様の神作品に対して失礼な発言です。申し訳ありません)
『ドン・ドラキュラ ドラキュラ登場』も盛り上がりに欠ける巻。
『帰還者』は残酷タブー実話・都市伝説・真相暴露・ワイドショー・実話週刊誌的な話をSF的設定で描いたもの。
『アトムの最後』は悪い意味で“奇妙”な作品。
 本当に手塚治虫が描いたのでしょうか?たちの悪い模倣作を読まされているような感じ。登場キャラの性格が異常で展開も気持ち悪い。後味が非常に悪い作品です。
 この作品についてアマゾンカスタマーレビューで解説されている方がおられました。
 読み切りの形で描かれた巻で、当時の手塚先生は精神的に悪い状態だったそうです。
 その方も書かれていましたが、やはり過去の作品を再編集して発売する場合、初出データだとか作品解説だとか時代背景だとか入れるべきでしょう。
 単に集めて本にして売っただけでは楽な商売で安直過ぎます。
 
 wikipedia:アトムの最後
 wikipedia:鉄腕アトム
  
 手塚治虫のさらに奇妙な話 (主婦の友ヒットシリーズ) 手塚治虫の奇妙な話 (主婦の友ヒットシリーズ) 手塚治虫 生誕90周年記念 手塚治虫の泣ける話 (主婦の友ヒットシリーズ) 手塚治虫のさらに泣ける話 (主婦の友ヒットシリーズ)
  
手塚治虫のさらに奇妙な話 - 株式会社 主婦の友社 主婦の友社の本
   http://shufunotomo.hondana.jp/book/b375557.html
  
手塚治虫生誕90周年記念「手塚治虫のさらに奇妙な話」
   https://hachidori.amebaownd.com/posts/4947289
手塚治虫生誕90周年記念「手塚治虫の奇妙な話」
   https://hachidori.amebaownd.com/posts/3941335
  
 wikipedia:オムニバス
 wikipedia:アンソロジー
  
ブクログ
  https://booklog.jp/item/1/4074308932
  https://booklog.jp/item/1/4074302845
読書メーター
  https://bookmeter.com/books/13120505
  https://bookmeter.com/books/12737086
  
テヅコミ 創刊号 Vol.1 個人的ランキング&感想
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20181023/p1
ミッドナイト ブラック・ジャック編 (秋田トップコミックス)
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20160225/p1

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過去の作品を編集してアンソロジーを発売する場合、解説を付けてほしいと思いますか?
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