OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

赤目/いしみつ/ざしきわらし 現代漫画9 白土三平集

 現代漫画〈〔第1期〕 9〉白土三平集 (1969年) 現代漫画〈〔第1期〕 9〉白土三平集 (1969年)

 白土三平のマンガを読むのは初めてですが、なかなか深い世界観があるようで味わい深かった。

【赤目】
 最初、暴君による残虐シーンの連続で嫌になります。
 暴君に妻を惨殺された男が一揆の扇動者になって復讐を遂げる話。
 復讐までの道のりが紆余曲折。
 最初は忍者になるために修行していたが追放され、やがて新興宗教の教祖となる。
 シートン動物記を引用した壮大な計画ですが、風が吹けば桶屋が儲かる的なことがあり、うまくいくことは確実ではないし再現性もありそうにない。
 そのあり得ないことをあり得るように描くことが筆力です。

【いしみつ】
 不老不死の薬「イシミツ」を探す物語。藤原時代に始まり江戸時代中頃に終わる壮大な物語。
 短いながらも読み応えあります。

ざしきわらし
 下人の抜け忍の老後のちょっといい話。
 
 全ての作品に忍者が登場するのですが、白土三平のマンガには全て忍者が登場するのでしょうか。


【解説/鶴見俊輔 死にかわり,生きかわり】
 読み応えある解説。
 白土三平のマンガには性と殺人があり大正時代の童心主義とは正反対だとか、日本の民間史学を独自の仕方で受け継いでいて羽仁五郎等の系譜にあたる等、見出しになりそうな指摘がされています。
 また、収録作品についても的確に解説されています。
 よく文庫本の巻末に「解説」なる一文が収録されていますが、筆者の身辺雑記的なもので作品を読むのに参考になりそうにないものも多いものです。
 本書は全集と銘打っているだけあって、解説も充実しています。

 現代漫画〈〔第1期〕 9〉白土三平集 (1969年) 現代漫画〈〔第1期〕 9〉白土三平集 (1969年)



白土三平
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E5%9C%9F%E4%B8%89%E5%B9%B3

イシミツ
https://asa8.com/s/sakuhin/ishimitsu.html

ブクログ  https://booklog.jp/item/1/B000J91KXS
読書メーター  https://bookmeter.com/books/692706



“SF怪談 ボタンどうろ 石森章太郎集 現代漫画13 筑摩書房
   https://diletanto.hateblo.jp/entry/2019/04/05/065144



        
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風と雲と虹と 第31回 龍と虎と

 吉永小百合出演 大河ドラマ 風と雲と虹と 完全版 第壱集 DVD-BOX 全7枚【NHKスクエア限定商品】 吉永小百合出演 大河ドラマ 風と雲と虹と 完全版 第弐集 DVD-BOX 全6枚【NHKスクエア限定商品】 風と雲と虹と―平将門の時代 (1975年)


 貴子(吉永小百合)にとって気まずい状況。何も言えずに出て行く。
 

 将門(加藤剛)は店の婆さんから貴子がここに居る事情を聴く。
 結局二人は再会するのだった。
 

 明け方に帰る将門。貴子は「またいらしてね」と言う。
 将門は貴子をこのままにしておくわけにはいかないが、裁判に勝たねば自由になる財物に乏しかった。
  

 鹿島玄明(草刈正雄)は藤原純友緒形拳)に報告する。
 将門に貴子の居場所を教えることについて
「迷った。今でも迷っている」
らしい。やはり迷ったんや。裁判に勝つまで教えない方が良かったのでは?
 世間では将門のことを「坂東の虎」と呼び、純友のことを「南海の龍」と呼んでいるという。
 田原藤太(露口茂)にはこんな呼び名はなかったのだろうか。
 将門や純友に比べると田原藤太はまだまだローカル限定のヒーローということだったのだろうか。
 

 純友は「これで貴子を自由にしてやれ」と袋を差し出す。
 さすが海賊でもうけているだけあって太っ腹。
 しかし、この使い方、藤原恒利(今福正雄)始め他の海賊達は納得するのだろうか。
 ここはあくまでも大将軍機密費として内密に。
 

 早速自由になる貴子。かごひきから「どこへ行きますか」と聞かれて「平将門の所へ」と。
 確かに住んでた家は焼けてしまったし、将門の家にしか行く所がないですねえ。
   

 貴子が来たと聞いて驚く将門だが、鹿島玄明を見て全てを察する。
 結局、貴子を受け入れることに。
 確かにここはそうするしかありませんね。
 しかしその後はどうなるのでしょうか。




 ついに取り調べが始まる。
 威圧的だった検非違使の役人も、堂々と意見を述べる将門に説得されて感服。
 隣に源護(西村晃)と侘田真樹(藤巻潤)が座っているのですが、ほとんど映らなかったしセリフもなかった。
 源護は戦と同じで勝たねばならないと息巻いていたのですが、満足に発言することはできたのでしょうか。
 それとも、武力でもディベートでも将門にかなわないのでしょうか。
 


 藤原忠平仲谷昇)は部下達と判決について相談する。
 部下の内訳は紫が1人と赤が3人。役職・名前・役者は分かりません。
 右端の小太りの赤が
「将門を取り立てて純友と戦わせてみれば」
と言うと紫が
「将門は純友と通じているので信用できない」
と反対。
 藤原忠平は将門と直接会うことにする。
 

 先の海賊討伐に失敗した大中臣康継(村上不二夫)は失脚していたらしい。
 貴族社会もなかなか厳しい。任務に失敗すると辞めさせられるんですね。
 康継は復職を願い出るが藤原子高(入川保則)は追い返す。
 藤原子高も海賊追捕使になってみいってんだ。


 マキさんは小一条院家人から、貴子が将門家にいることを告げられる。
 こういった暇人の勝手な噂話が世を惑わすんですね。
 ところでマキさんは小一条院へ賄賂を持って来た帰りだった。
 賄賂の多少で判決が決まったりしないでしょうか?将門は大丈夫なんでしょうか?


 

 藤原忠平仲谷昇)が将門を呼び出す。
 将門は、純友とは友人だが考えは異なっている、と正直に答える。
 これ、よく考えると問題発言です。
 海賊追討軍での裏切りを追及されかねない発言です。
 しかし忠平は将門に好意的に受け取る。
 一方、側で控える藤原子高は将門に批判的。
 藤原子高は純友パートでも将門パートでも悪役として描かれています。



 その帰り、将門は紀淑人(細川俊之)とすれ違う。
「紀淑人。この人物のためにやがて純友とその海賊団は最大の困難に直面することになる」(語り 加瀬次男)
 ちなみに、細川俊之緒形拳は『毛利元就』でもライバル関係として火花を散らします。
 
毛利元就 過去ログ
 

 変装して都を歩く藤原純友緒形拳)とけら婆(吉行和子)。
 

 そこを純友を宿敵と憎んでいる大中臣康継(村上不二夫)に発見され、後をつけられることになる。
 大中臣康継はなかなかの切れ者です。調査によって純友と海賊達がつながっていることを勘ぐる推理力もある。
 人混みの中で指名手配犯人を発見する注意力もあります。
 そして山の中まで尾行する行動力もあります。
 名探偵の素質があると言えるでしょう。こんな奴に狙われた純友のピンチ!!


 知らせを受けた藤原子高達が隠れ家に向かう!


 危険が迫ってることに気付かず将門と鹿島玄明を待つ純友。
 

 一方、将門と鹿島玄明も純友の隠れ家に向かっていた!
  
 三者の位置関係は?到着時間は?!気を持たせる展開。
 リアルタイムで『毛利元就』を熱心に見ていた私としては、再び細川俊之緒形拳のライバル対決が見られるとは楽しみです。
 そして意外と有能だった大中臣康継(村上不二夫)のその後はどうなるのか!? 
 
 海と風と虹と(上) 平将門 (上巻) (新潮文庫) 平の将門 (吉川英治歴史時代文庫) マンガ日本の歴史〈10〉将門・純友の乱と天暦の治 (中公文庫)

 風と雲と虹と NHK大河ドラマ・ストーリー



雑記帳
 大河ドラマ風と雲と虹と』第31回「龍と虎と」
  https://sicambre.at.webry.info/201003/article_11.html
戦国放題 こたつ城
「将門雑記(風と雲と虹と)」5(27~33)
  http://kotatu.jp/hyo/sakuhin/masakadozakki/27-33.htm

初期大河ドラマその記憶
風と雲と虹と 出演者 細川俊夫 (大尉中原)
 その1
  http://yaka3115ranabe.seesaa.net/article/463149403.html
 その2
  http://yaka3115ranabe.seesaa.net/article/467843804.html
 その3
  http://yaka3115ranabe.seesaa.net/article/467845927.html
 その4
  http://yaka3115ranabe.seesaa.net/article/468845287.html


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『歴史魂』NEO講談大全集 長宗我部元親 加藤清正 大谷吉継 石田三成

 『歴史魂』<REKIDAMA>NEO講談大全集 其の弐 [戦国編2] 『歴史魂』<REKIDAMA>NEO講談大全集 其の弐 [戦国編2]  

 【長宗我部元親 土佐の風雲児、乱世に抗う!】【語り:神谷浩史
 戦国時代の土佐は土佐七雄と言われる群雄が割拠していたそうです。
 その群雄割拠の状況から長宗我部元親が頭角を現し、やがては土佐を支配し、四国全土を支配するまでを駆け足で語る。
 四国全土を平定するだけあって、長宗我部元親はなかなか傑出した人物だったようです。
(もちろん、長曾我部に滅ぼされた各国にもそれぞれのドラマがあるはずです。)
 四国の王者・長曾我部もガラパゴス状態であって、日本全土に目を向ければ織田・豊臣がグローバルスタンダードの覇権を握っていたのだった。
独眼竜政宗』で伊達政宗渡辺謙)が勝新太郎演じる豊臣秀吉に屈したような状況。
 日本は広い。地方の覇者も織田豊臣にはかなわないんですね。
 大河ドラマで『独眼竜政宗』『毛利元就』は面白かったので地方の覇者をテーマにするのも面白いと思います。
 ぜひ長宗我部元親大河ドラマで描いてほしいところです。
 なお、関ケ原の合戦で西軍に属して『風雲児たち』『真田丸』に登場した長宗我部盛親は元親の四男のようです。
 
 wikipedia:長宗我部元親
 wikipedia:長宗我部盛親
 wikipedia:長宗我部氏
 wikipedia:土佐七雄
 
 “麒麟(きりん)がくるまで戦国大河ドラマ名場面スペシャル 独眼竜政宗
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/2020/06/17/205541


加藤清正 七本槍の英雄、戦国を生き抜く!】【語り:岩田光央
 幼馴染の秀吉の小姓トリオ(加藤清正福島正則石田三成)が仲良しで常に語り合う仲という設定で描かれています。
 体育会系の加藤・福島に対し三成がクールな知性派というキャラ設定です。
 朝鮮出兵を機に石田三成と仲が悪くなったという展開。
 加藤は秀吉没後は徳川家康の世になるのは避けられないからそれは認めた上で豊臣家を守る、という認識。
 一方三成は徳川の世は認められず、あくまでも豊臣の天下だという認識。
 加藤清正の考え方は処世術としては正しいのでしょうが、結局三成は敗北し豊臣家も滅ぼされましたね。
 加藤清正はじめ豊臣に恩がありながら関ケ原合戦で東軍についた武将達は、この結果で良かったのでしょうか。
 
 wikipedia:加藤清正
 wikipedia:福島正則
 wikipedia:木山正親
 
 
大谷吉継 友義に殉ず! 関ヶ原の戦い】【語り:石田彰
石田三成 わが忠義に曇りなし!】【語り:子安武人
 豊臣秀吉没後は徳川家康が天下人だからそれに従った上で豊臣家を守っていこう、と大谷吉継は考えていたようです。それは加藤清正と同じです。
 ところが石田三成との友情を優先して西軍として戦うことになってしまったと。
 やはり当時の空気を読むと、徳川家康の天下人オーラが圧倒的だったのでしょう。
 しかしいざ関ケ原の合戦が始まると、当初は西軍が優位であって、裏切りが出なかったら西軍が勝っていたはずといいます。
 圧倒的天下人オーラを放っていた徳川家康を一時的にも上回っていた西軍主力メンバーはすごい。
 この講談では秀秋の裏切りは大谷吉継が予期していたため、想定内ということで大谷軍の封じ込めが成功していたのですが、続いての裏切りが出て大谷軍は壊滅します。
 もし裏切りが出ず、三成の采配通りに西軍諸将が戦っていたらどうなっていたか。
 そして脇坂・赤座・小川・朽木はよく一まとめ・しかもこの順番で名前が上がりますが、それぞれどのような事情があったのでしょうか。
 そして、もし西軍が勝っていれば、その後の展開はどうなっていたのでしょうか。
 
 wikipedia:関ヶ原の戦い
 wikipedia:石田三成
 wikipedia:島清興
 wikipedia:大谷吉継
 
 wikipedia:脇坂安治
 wikipedia:赤座直保
 wikipedia:小川祐忠
 wikipedia:朽木元綱
  
 『歴史魂』<REKIDAMA>NEO講談大全集 其の壱 [戦国編1] 『歴史魂』<REKIDAMA>NEO講談大全集 其の弐 [戦国編2] 『歴史魂』<REKIDAMA>NEO講談大全集 其の参 [幕末編+特別企画]
 
ブクログ https://booklog.jp/item/1/B00FQN8SN2

NEO講談大全集 其の弐 [戦国編2]
  https://movie-tsutaya.tsite.jp/netdvd/cd/goodsDetail.do?pT=2&titleID=2179785874

『歴史魂』<REKIDAMA>NEO講談大全集 〜其の弐[戦国編2]
  https://columbia.jp/prod-info/COCX-38291-2/

 
“『歴史魂』NEO講談大全集 織田信長 毛利元就 上杉謙信
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/2020/07/08/204501
語り芸について書いたブログ記事
  https://note.com/diletanto/n/n28a314b62ec0




        
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