OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

5 古典文学

ポワロ ハーレ・クィン パーカー・パイン アガサ=クリスティ推理・探偵小説集1 偕成社文庫

アガサ=クリスティ 推理・探偵小説集〈1〉 (偕成社文庫) クリスティといえば、エルキュール・ポワロやミス・マープルが有名です。 しかし他にもシリーズがあったんですね。 本書ではポワロもの3篇のほかに、ハーリ=クィンもの2編、 パーカー=パインものが…

冒険家クラブ/七つの時計 ミステリ・ベストセラーズ

鶴書房ミステリ・ベストセラーズに収録されたクリスティの巻の収録作品は『冒険家クラブ』『七つの時計』の二本立て。(以下、ネタバレ注意!) 『冒険家クラブ』はトミー&タペンスコンビシリーズの記念すべき第一作。 『七つの時計』はチムニーズ館シリー…

井上大助『蜘蛛』『オペラの怪人』 TOMOコミックス

↑表紙ではなく扉絵です。 ハンス・エーベルス『蜘蛛』 ギイ・ド・モーパッサン『呪いの手』 ウイリアム・ワイマーク・ジェイコブス『猿の手』 独仏英の異色怪奇三大傑作集! 冒頭の『蜘蛛』は不可解な事件の連続で、一体どんなトリックなんだと楽しみにして…

ノスタルジーだけじゃなくズッシリ重い短編集『ノスタルジー1972』

ノスタルジー1972 私が理想とする小説や映画は、『ナミヤ雑貨店の奇跡』や『三丁目の夕日』的な、レトロ風味でいい人ばかり出てきて残酷な描写がなくハッピーエンドで終わるというもの。 このパターンの物語を色々と探しているところです。 本書はタイトルか…

作詞・作曲家としての宮沢賢治作品集 メンタル・サウンド・スケッチ

宮沢賢治・メンタル・サウンド・スケッチ~星めぐりの歌 宮沢賢治は詩人・作家として高名です。 しかし作詞・作曲もされていたのでした。 本CDには知られざる宮沢賢治の作詞・作曲作品が収録されています。 詩人だから作詞の作品があるというのは分かるのです…

劇画・怪盗ルパン(1)奇岩城

劇画・怪盗ルパン(1)奇岩城 以前『奇巌城』を読んだ時、全然意味が分からなかった。『ルパン対ホームズ』も同じ感想だったので、アルセーヌ・ルパンシリーズは難解で面白くないというイメージを持ちました。 一方、シャーロック・ホームズのシリーズはよく分…

芥川症 久坂部羊

芥川症 (新潮文庫) 芥川龍之介の短編をモチーフとして医療系の短編で「芥川症」とはうまいアイディアですね。著者が医師だからこそのアイディア。 『極楽変』は、売れない芸術家と医師のパトロンの物語。 無産階級の読者としては、普通は売れない芸術家の視…

読書する女、というより朗読する女

読書する女 (新潮文庫) 「若い女性がお宅にて本をお読みします。文学書、詩集、ノンフィクション、その他何でも」 と新聞に広告を載せて本の朗読の仕事を始めたマリー・コンスタンス。 広告代理店の男にも忠告されるが、こんな広告に反応するのは少々クセの…

劇画・怪盗ルパン (3) ルパン対ホームズ

劇画・怪盗ルパン (3) ルパン対ホームズ 最近、怪盗ルパンシリーズの面白さがようやく分かるようになってきました。 そのルパンがホームズと戦う初期の名作なのですが、完訳版で読むのはしんどいと思っていたところ、マンガ版があると知って読みました。 ナ…

怪盗紳士ルパン ルパンシリーズの面白さがようやくわかって来た

西村京太郎の「名探偵シリーズ」を読むにあたり、第2作にはアルセーヌ・ルパンが登場するということで、図書館の児童書コーナーで『813』に続いて借りて読んでみました。 ルパンが初登場した最初の短編集ということで、一番最初に読むルパンものとしては本…

クリスティー文庫に解説がほしい 文庫本と解説

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 『そして誰もいなくなった』を読みました。2010年の新訳版。 少年少女・ネタバレ談話室(ネタばらし注意!) そして誰もいなくなった ネタバレ感想 http://sfclub.sblo.jp/article/182094959.html …

813の謎 ルパン対オカルト魔人

膨大な財産が関わるとされるケッセルバッハ氏殺人事件の謎を巡って、ルパンと謎の人物『LM』が死闘を繰り広げる! 2冊に分かれていますが、各々独立した本編と続編というより一連の物語なので、「上」「下」とした方が分かりやすいと思います。 西村京太郎…

ネタバレなんか怖くない!パロディ作品の楽しみ方『名探偵なんか怖くない』

新版 名探偵なんか怖くない (講談社文庫) 私が子供の頃好きだったマンガ『名探偵カゲマン』で、世界の名探偵が集まる回がありました。 登場するのは、ジキール探偵、ダンテス探偵、コジャック探偵。金田一探偵もいたかのう? 元ネタは知らないながら、よく分…

マギル卿さいごの旅 チェーンの秘密

マギル卿さいごの旅・チェーンの秘密 (少年少女世界推理文学全集) 【マギル卿さいごの旅】 時刻表を見て実際に鉄道に乗りながらアリバイトリックを暴くフレンチ警部! あっちに行ったりこっちに行ったりすごく綿密で複雑なトリック。どんぶり勘定の私には付…

武蔵野・牛肉と馬鈴薯 国木田独歩を極めよう!

武蔵野・牛肉と馬鈴薯 (1965年) (旺文社文庫) 旺文社文庫。国木田独歩の6編の短編が収録されています。 わずか194ページばかりの薄い文庫本なのですが、驚くべきは解説です。 129ページ以降は解説となっています。 つまり、この薄い文庫本の本文は65%ほどで…

彼女の心を読むのに役立つ小説@男のルールブック

男のルールブック―食事から旅行まで彼女の扱い方百科 (1982年) (ゴマポケット) ずっと昔古本屋で買ってそのままになっていた。 自分には今まで必要なかったし今後も必要でないだろう知識集。 ただ、「彼女の心を読むのに役立つ小説」という3ページばかりの…

子どもとおとなのための偕成社文庫について

先日、ジュール・ヴェルヌの『神秘の島』を完訳版で読みました。 偕成社文庫で3分冊になった版です。 私が中学生時代に読めずに放り出した版は福音館書店古典童話シリーズ版で、これは箱入りで大きくて分厚くて読むのに気合いが必要な感じでした。(今はも…

マルタの鷹  少年少女世界推理文学全集

★X線カメラのなぞ・マルタの鷹 (少年少女世界推理文学全集) (感想) ハンフリー・ボガート主演の映画版を見たことあるので、映画版の記憶と補完しながら読むことができた。 各キャラの心理状態や心理的暗闘を想像しながら読むと面白い。 しかし本作品は大人…

X線カメラのなぞ レスター・リースシリーズ

★X線カメラのなぞ・マルタの鷹 (少年少女世界推理文学全集) (あらすじ) 女優エバ・ミッチェルが開いた仮装パーティーでダイヤの首飾りが盗まれた!容疑者は4人! 新聞で事件を知った義賊レスター・リースは真相を推理し、ダイヤの横取りを画策する! (感…

『悟浄出世』『悟浄歎異』中島敦

沙悟浄を主人公にするという発想も面白いし、描かれている内容も面白い。 下手すれば二番煎じのパロディやお笑いになってしまいかねないテーマですが、本作品はなかなか深く考えさせられます。 よく考えれば、私も沙悟浄のような頭の中で無駄に考えてばかり…

ふたごの復讐 マッカレー TOMOコミックス

貴重な帯付き画像は こちら から拝借しました。 (あらすじ) ピーター&ポールの双生児は両親の死後、叔父エリス・セルボンに引き取られて養育される。 しかしエリス・セルボンは6人の悪人たちに破滅させられ、自殺に追いやられた。 その後双子は南洋に渡…

二人の探偵が登場 赤毛のレドメイン家 フィルポッツ

カバー 石垣栄蔵 『赤毛のレドメイン家 (1979年) (旺文社文庫)』 江戸川乱歩が高く評価したという古典的名作。 同じ著者による『闇からの声』の感想を検索すると、 「『赤毛のレドメイン家』より良かった」 と書かれている方が目立ったので、読んでみました…

『吾輩は猫である』殺人事件 (河出文庫版)

『吾輩は猫である』殺人事件 (河出文庫) 以前新潮文庫版を読んでいたのですが、河出文庫版が出たというので購入。 さすがに全部再読するのは無理。全部読むと1カ月かかります。 よって、飛ばし読み。 色々と忘れていたこと、読み取れなかったことも多いと判…

『文豪の探偵小説』

文豪の探偵小説 (集英社文庫) 【途上 谷崎潤一郎】 会話劇ミステリー。 名探偵安藤一郎の見事な尋問です。 安藤探偵が活躍する他の事件を描いた作品、あるのでしょうか。 【オカアサン 佐藤春夫】 仙人のような鳥売りのお爺さんからオウムを買ったところ、色…

新装版 虚無への供物(上) 中井英夫

新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫) 呪われた一族氷沼家を襲う悲劇ザ・ヒヌマ・マーダー。 物語時点は四代目の蒼司・紅司兄弟の代になっていますが、氷沼家の因縁は初代・誠太郎の時代から始まります。 誠太郎の時代からの因縁について、探偵役の一人・奈…

薔薇への供物 薔薇の自叙伝

薔薇への供物 (河出文庫) 薔薇に関する12のフェティッシュで耽美的で不思議な短編集。 中井英夫版・『夢十夜』であり『世にも奇妙な物語』。 巻末に「薔薇の自叙伝」という17ページにも渡る自作解説が収録されています。 これがまた氏独特の文体で味わい深い…

院内カフェ 日本版「ラブ・アクチュアリー」は少々wetでheavy

物語は、週末の閑散とした院内カフェの描写から始まります。 お客は、常連客2人と初めて訪れた藤森夫婦の4人。 そこでちょっとした事件が起こります。 物語はその後、そこに居合わせた人々を描いていきます。 藤森朝子さん・孝昭さん夫婦の介護・闘病問題。…

コーヒーと恋愛 モエ子の選択(ネタバレ注意)

コーヒーと恋愛 (ちくま文庫) ブックオフで帯付きで売ってたので購入。最近は文庫本も価値のありそうな帯なら付けたまま販売するようになったのだろうか。今後は帯を外さずに売ってほしい。帯のない本なんて、ミルクと砂糖を入れないコーヒーのようなもんだ…

探偵小説アルセーヌ・ルパン

FeBeのオーディオブックで読了。 「耳で読む本」オーディオブック探偵小説アルセーヌルパン 底本は1922(大正11)年発行の 【婦人パンフレツト第八輯】アルセーヌ・ルパン 、出版社は 婦人文化研究會 、訳者は婦人文化研究会ということです。 当時はご婦人が…

江戸川乱歩館 TOWN MOOK TOKUMA大活字マガジン VOL.5

トクマノベルズ大活字マガジンについて、過去3回書きました。 ■[速読読書]東京地下鉄殺人事件 トクマノベルズ大活字マガジン(3) http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20160405/p1 ■[速読読書]隅田川殺人事件 トクマノベルズ大活字マガジン(2) http://d.hatena.n…