第19回「通夜の日に」はまず、芹沢鴨(佐藤浩一)の一喝だ。
世話になっている八木家の久ばあさん(正司歌江)の通夜に長州藩の久坂玄瑞(池内博之)が現れ、近藤(香取慎吾)らと押し問答になる。
ごちゃごちゃ言い争っている時に突然現れ、一喝して退散させるという得な役回りである。
このシーンだけを見ていれば、さすがに浪士組のトップだ、ということになるのだが、実は別の一面もあり……ということを、来週あたりには見せてくれそうだ。
現実の世界でも、外での押し出しが強くて立派に見えるが、実は別の部分では……というような人はいてそうな気がする。
ある一つの場面だけを見て判断すると間違うということで、人物の判断は総合的にしないといけないということです。
しかし芹沢はなぜ京に残り、なぜ浪士組に入ったのか。幕府や朝廷や外国との関係をどう考えていたのか。行動に不思議なところがある。
この三谷版新選組で、芹沢の人物像が見直されるかもしれない。
斎藤一(オダギリジョー)も何か秘密がありそうな人で、その斎藤と小六(亀山忍)がひそひそ話をしているバックで、平山五郎(坂田聡)が一生懸命弔問客への応対をしているのが面白かった。このドラマ、画面の隅まで気が抜けない。
秘密の仕事を終えて帰ってきた斎藤に向かって近藤は
「島田さんも道案内に自信がないのなら最初からそう言ってくれればいいのに。人がいいというか何と言うか……」
このセリフ、斎藤にも向けられているのだろうか。
現実の生活でもスマートにこんなことが言えればもっと世界も住みやすくなるのだろう。こういったセリフが聞けるのも、ドラマや映画を観る楽しみである。
八木ひで(吹石一恵)が女だと一目で分かっていたという芹沢。
そういえば、初対面の時、表情に変化があった。変装を知っていながら知らないふりをしていたとは立派である。