OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

《水滸伝》水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第8回

弟15話 二人の魯達 脚本 宮川一郎 監督 富本壮吉
 
 祝家荘での戦いも林冲に屈し、いらついている高求に、光州でまたもや税金を梁山泊に横取りされたという知らせが入る。高求は、光州の大庄屋で、最近高求に近付いてきている関史文(上野山功一)を呼び出す。
 何か梁山泊を倒す方法はないかと訪ねると、関史文は、光州はじめ3州での塩の専売を条件に梁山泊を倒すと宣言する。
 
 林冲らが剣術の訓練をしていると、宋江が「また病人が出た。これで8人目だ」と告げに来る。
 病気になった連中は、
「これは王倫のたたりだ」
と言い出す。
 そのような時、魯達(長門勇)は酒場で、江州ほうおん寺の僧・如海(小林昭二)に、「あなたやお仲間に死相が出ている」と言われ、うらみを残して死んだ人物の怒りを鎮めなければならない、と言われる。
 魯達は如海を梁山泊に連れて行き、お経をあげさせるが、如海はその合間に梁山泊の詳細な地図や各種データを作成していた。
 やがて如海は、魯達の母親が危ない、と魯達を驚かせ、魯達は如海と共に梁山泊を出て母親の所に行くことにする。
 
 山の中で魯達は自分の偽者(高原駿雄)に出会い、懲らしめるが、偽者が魯達の母親を引き取って面倒を見ている、と言い出したため、偽者の家に行くことにする。
 偽者は家に魯達を留め置きしておく隙に妻を役所に走らせ、魯達がいることを通報させる。
 しかし役所から捕り手が到着する前に、縛られて口止めされていた魯達の母親(本間文子)が声を上げ、魯達が気付く。
 偽者が魯達の母親を人質に取って魯達とやり合っているところに、林冲・扈三娘・花栄が到着。花栄が偽者を弓で倒したところに、役所の捕り手達が現れ、乱戦となる。
 梁山泊トリオの活躍により捕り手達は撃退されるが、魯達の母親は亡くなる。
 
 
 今度の舞台は光州。音を聞くと、以前登場した江州(黄文柄(川合伸旺)や江州知事・蔡九(清川新吾)らと宋江を巡る争いの回)かと思っていたが、エンディングに「光州守備隊員」の文字があったので光州であろう。
  
 林冲と扈三娘が、花栄原田大二郎)の放つ矢を刀で落とすという荒業で特訓。何とも滅茶苦茶な特訓である。
 前回祝家荘との戦いの時にすら登場しなかった花栄がようやく登場。
 しかし花栄は弓の名人なのでは?こんな特訓のために弓の名人・花栄を使うとはもったいない使い方である。
 そこに、これまた久々の登場である宋江が、病人が出たことを知らせに来る。総髪というのか、頭に何もかぶらず、長く真直ぐに伸ばした髪形である。時代劇などで、何とか斎とかいう名前の剣術師範なんかがよくやっている髪型である(例:武田観柳斎八嶋智人))。この長い髪に、ひげを伸ばしているので、最初私は雷横(長谷川弘)かと思いました。
 林冲・扈三娘・花栄宋江という珍しい組み合わせで病気対策会議。今回の梁山泊チームはこの4人か?
 
 関史文と結びついて梁山泊を偵察する悪い僧・如海を演じるのは小林昭二ウルトラマン村松キャップ、怪奇大作戦の町田警部、仮面ライダーの立花藤兵衛のイメージが強く、正義の味方というイメージがあるのですが、今回は悪徳商人と結び付いた悪僧の役です。 
 
 魯達が母親に会いに行く際に酒を飲まないなどの戒めを受けたり、山中で偽者に会ったりするのは、原作の鉄牛のエピソードである。そういえば鉄牛(大前均)も、梁山泊入りした次の回(弟8話)で出てきたきりです。
  
 関史文と如海は密接に結びついているようである。以前魯達の偽者が現れた時、如海は関史文に対して放置しておけ、と進言したそうである。この偽者を使って何やら魯達を陥れ、梁山泊を揺さぶる計画らしい。
 
 ニセの魯達の夫人は、金連(林春枝)だろうか。いきなり本物を連れて来た夫とアドリブで話を合わせて息の合ったところを見せていた。しかし、顔に変な殴り傷のようなものがあり、気になった。ドメスティック・バイオレンスを連想したのだが、そうでもなさそうである。
 
 魯達の母親は、この男は私の息子ではない、と言って偽者を混乱させる。なかなか心理にも通じた知恵者のようである。
 
 魯達を助けに来たのは、林冲・扈三娘・花栄の三人。久しぶりに出てきた宋江梁山泊で留守を守る役らしい。
 
 
 故郷の寺に母親の遺髪を届けに行く魯達やそれに同行する扈三娘と別れて、林冲花栄は諸国偵察に出発する。
「しばらく全土を歩いてみたいと思う」
「日の当たらぬ所に光を当て、悪政のために落ちこぼれた人々を救うために歩いてみたいと思う」
ということである。
 林冲が言っている政治状況は、現代の日本の状況を予言するかのような描写となっています。現代日本にも林冲そして梁山泊は必要!?
 原作では武松はじめ色々な豪傑が梁山泊に入る前に各地を放浪していましたが、このドラマではこれから林冲の放浪編が始まるのか。何で花栄がお供に選ばれたのだろう。
 なお、「歩いてみたい」と言ってはいましたが二人は馬で出発していました。
 




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弟16話 必殺の矢 脚本 宮川一郎  監督 富本壮吉
  
 弟15話で、花栄の弓に殺されたニセの魯達(高原駿雄)の妻・金連(林春枝)は、弓を関史文(上野山功一)の所に持って行く。このような重い矢を射るのは花栄に違いない、と結論する関兄弟。二人は、花栄は弓の師匠・李雲を訪ねるに違いない、と推理して李雲のいる県の県知事に会いに行く。
 県知事・とう永(伊藤豪)*1は、「高求宰相と相談する」と、高求を紹介。高求は秘密の用件で偶然訪ねて来ていたのである。
 
 花栄の弓の師匠・李雲(睦五郎)は、子どもの李少(生方中)の頭に的を載せ、それを射るという大道芸を披露して糧を得ていた。役人に呼ばれて役所に行くと、仕官させる代わりに弟子の花栄が訪ねてきたら捕まえろ、と言われるが、断る。家に戻ると、李少は連れ去られ、「子どもを助けたければ花栄を捕まえろ」という書き置きが残っていた。
 
 高求がこの県に来ていたのは、皇帝に贈る玉(高価な宝石)がこの県を通るため。その玉を横取りし、梁山泊に汚名を着せようという計画である。
 この計画について高求と県知事が話していることを関史揚が聞きつけ、兄の関史文に伝える。
 二人はこの計画に仲間入りして分け前に預かろうとするが、秘密漏洩を恐れる県知事に殺され、乗って来た馬にくくりつけられて追放される。
 
 李雲を訪ねてきた花栄林冲。二人は李雲を梁山泊に誘うが、李雲は二人を追い返そうとする。なおも説得する花栄林冲は燃えきれずに残った脅迫状を見つけ、李少が誘拐されたことを知る。
 
 一方、魯達の母親の遺髪を寺に届けた魯達と扈三娘も林冲達を追いかけてこの辺りに来ていた。偶然、馬にくくりつけられて瀕死状態となっている関史文を見つけ、高求の玉強奪計画を知る。
 魯達達も李雲の家で林冲達と合流。今後の計画を話していると役人達が来て、李雲を連れ出す。
 役人は李雲に、玉の輸送隊の輸送隊長を射殺させようとするが、林冲達の活躍により未然に防ぐ。
 さらに林冲達は県城に行き、李少を奪い返す。
 
 
 秘密の用件で来ていたという高求。宰相がこんな軽々しく他の県に出てきていいものか。
 李雲とは、横山版では朱貴の弟・朱富の武芸の先生ということになっており、この李雲と朱富が梁山泊に行く途中、祝家荘の梁山泊攻撃計画を知るということになっております。
 
 李雲や花栄が弓の名手だということは分かりますが、扈三娘の弓の腕前もなかなかのものです。花栄と役割分担して標的を狙い、命中させています。
 
 
 花栄の説得により、李雲も子どもの李少と共に梁山泊入りします。梁山泊に子どもの住人も登場か。
 そして林冲は一人で放浪を続けることに。
   
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  https://ssl.tanomi.com/metoo/naiyou.html?kid=15217
水滸伝倶楽部  http://nazede.gozaru.jp/suikoden.html
  




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*1:放送では“せつえい”と言っているように聞こえたが、エンディングのクレジットでは“とうえい”と振り仮名を振っていた。そして“とう”の字は画数が多くて読み取れなかった。