弟17話 林冲・宿敵に挑む 脚本 池上金男 監督 降旗康男
林冲が一人放浪していることは、高求の知るところとなり、高求は全国に林冲の手配をする。
この日高求の皇帝への面会には先客があり、待たされることになった。
先客は、高唐州の知事であり、今度新たに皇帝直々に宮中顧問を任命した柴皇城(北沢彪)とそのおい・柴進(田村高廣)であった。
高求は柴進の懐柔のため、禁軍総司令の副長官のポストをエサにするが、柴進は断る。
一方林冲は都に近いところで、高求の護衛官・高廉(草薙幸二郎)に食事代を踏み倒された食堂の夫婦を助けようとするが、危機に陥る。そこに史進(あおい輝彦)が登場、救出される。史進は宋江が林冲にどうしても会いたいと言うため、扈三娘と共に捜しに来ているという。
史進は宋江(大林丈史)の待つ宿所に林冲を連れて行く。宋江は林冲に梁山泊に帰ってほしい、さらに梁山泊の頭領になってほしい、それは晁蓋(山形勲)も同じ意見だ、と言うが、林冲は断る。
梁山泊は悪政を批判して理想の政治を行う組織であるから、武のみの私が頭領になってはいけない、人格のある人が頭領にならないといけない、と言う。
別行動を取っていた扈三娘が帰って来た時には、林冲は既にいなかった。史進は宋江に一人で帰ってもらい、扈三娘と共に林冲を陰から見守ることにする。
林冲は、もはや梁山泊が一本立ちした今、自分は高求を狙うのみ、と思っていた。
都に入った林冲は都を進軍している高求を襲おうとするが、柴進に止められる。
柴進は今高求を殺しても第二第三の高求が出るだけだと言う。
高求は柴皇城邸を訪れ、柴進の禁軍副司令官就任か柴皇城の娘・麗華(志摩みずえ)と高廉との結婚のどちらか一方を迫る。
柴進が麗華を林冲に預けに行っている間に、柴皇城は高廉に捕らえられ、屋敷は焼かれる。
高求は柴皇城に、皇帝から贈られた毒酒を渡し、柴皇城はそれを飲んで死ぬ。
そこに少し遅れて柴進が来るが、捕らえられ、拷問にかけられる。
高廉が行う城門での検問で林冲は発見され、再び戦うが、またもや危機に陥ったところ、またもや史進と扈三娘に救出される。
扈三娘が麗華を連れて行き、史進は林冲を追って都に戻る。
二人は高求邸に侵入、林冲は高求をあと少しのところまで追い詰めるが、高廉の妖しげな術のため取り逃がしてしまう。
一人旅をしている林冲にどうしても会いたいと宋江が言い、史進と扈三娘をお供にわざわざ訪ねて来た用件は、梁山泊に帰ってほしい、ということ。それが断られると一人で帰って行く宋江。一体何のための訪問だったのだ。
それにしても宋江もお尋ね者のはず。帰り道が危なくないだろうか。
高求の護衛官・高廉は、匈奴出身だが高求のお気に入りとなり、わざわざ“高”の姓を与えて護衛官に取り立てたという。横山版では高求のいとこであり高唐州の知事でもある。やはり柴皇城や柴進との争いに因縁があり、妖術を使って梁山泊軍を苦しめた強敵でもある。
高求のやりたい放題に翻弄される柴皇城達。昔からこのようなことが繰り返されていたのだろう。それは今でも続いているだろう。何にしても必ずしも正しい方が勝つわけではないというのが残念なところ。
高廉が行っている検問にそのまま歩いて行って見つかる林冲。いくら何でもこれでは余りにも芸がない。
しかも再び危機に陥って史進に助けてもらっているし。
林冲は高廉に分が悪いのではないか。高廉は柴進を捕らえているし、史進も傷つけている。なかなか手ごわい相手である。
史進に柴進を任せ、梁山泊で療養させるように命じた林冲は、麗華を追って高唐州へ。
高唐州で高廉と決着をつけるのか!?
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弟18話 風雲・高唐州! 脚本:池上金男 監督:降旗康男
林冲が一人で北の方に行ったという報告を受けた高求は、高唐州に向かうと推理し、高廉率いる官軍を向かわせる。
高唐州では、知事の柴皇城が殺害され官軍がやって来るということで、多くの住民が逃げ出していた。一方、徹底抗戦を主張する人々もいた。林冲はそんな連中を麗華と共に梁山泊に誘い、出発する。しかしその後を高廉の一軍が追っていた。
一方、梁山泊軍も林冲の援軍のために出動したが、先手を打って高求がほっけい(北京?)の軍を待ち伏せさせていた。梁山泊軍は進めず、宋江が急きょ引き返し、前回負傷した史進と柴進の看病役として残っていた扈三娘に、行方不明の公孫勝を捜して林冲救出に向かえ、という使命を与える。
林冲達は追跡軍の斥候隊を倒すが、生き残りが本体に報告し、先回りされて待ち伏せされる。
扈三娘達は山中で仙人の修行をしていた公孫勝を発見、助けてくれるよう頼むが、師匠の羅真人(伊藤雄之助)の許しが必要ということで、三人で頼みに行く。
扈三娘が服を脱ぐ試練を与えられたり、鉄牛が夜中に羅真人を叩き殺そうとして失敗したりした末に、梁山泊が目標を達するまで公孫勝が下山することを許すという許可が出、三人で林冲救出に向かう。
林冲達が玉砕戦の覚悟を決めた所に公孫勝達が到着。公孫勝の妖術で兵士達は混乱。
怒った高廉が林冲に妖術をかけ、襲い掛かるが公孫勝の援護もあり、ついに林冲が高廉を倒す。
徹底抗戦を叫んでいる連中を梁山泊に誘う林冲。しかしこんなに大量に移民を受け入れて大丈夫だろうか。土地や食糧は足りるのか?王倫でなくても心配になってくる。
林冲を助けるという名目で、梁山泊軍が出動しているとか。晁蓋や宋江も出陣しているということだから、主力メンバーが多数参加しているはずである。但し、宋江の話で触れられているだけで、映像としては出てこなかった。オープニングの映像のような出陣シーンが見たい。
第12話で、病気の母親を見舞うために梁山泊を出て行った公孫勝が出て行ったまま行方不明なので扈三娘が捜しに行く。ついでに鉄牛(大前均)もお伴する。扈三娘が看病のため残っていたというのは分かるが、鉄牛が残っていたのはなぜ?それにしても鉄牛の登場は久しぶりである。原作とは違ってこのドラマでは非常に影が薄い鉄牛である。
横山版では高廉率いる軍と梁山泊軍が正面から激突し、高廉が妖術を使って梁山泊軍を多いに苦しめた。
しかしこのドラマでは少々スケールが小さく、林冲率いる難民の一団と高廉率いる官軍の追跡戦という形になっていた。
しかも高廉の妖術も、横山版のように敵の軍隊全部にかけるという大掛かりなものではなく、せいぜい数十人の集団にかけられる程度のものである。まあ軍隊の合戦シーンは撮るのが大変だから、このスケールダウンは仕方ないところか。
母親の見舞いに行ったはずの公孫勝がなぜか仙人の修行をしている。どのような心境の変化があったのだ?
しかし俗世間を離れて仙人になってみたいものだ。私もこんな生活にあこがれる。
羅真人の別の姿という童子を演じたのは、内海敏彦。なかなか利発そうな感じの子役だった。検索すると、連続ドラマ『少年探偵団』(1975年)で羽柴荘二(愛称・オウム)を演じ、アニメ『あらいぐまラスカル』で主人公のスターリング・ノースの声をしていたとか。
羽柴荘二といえば、少年探偵団のメンバーの第1号か2号の、重要なメンバーです。
また、この1975年版少年探偵団、レンタルビデオになっていて、途中までレンタルして見たことあります。
第1回で少年探偵団と怪人20面相と謎のUFO・宇宙人が3つ巴の戦いをやったり、なかなか奇想天外で面白いドラマでした。何とDVD化はされているようです。これは必見!
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妖術なしでも林冲を2度敗走させ、史進を負傷させた高廉。今度は妖術を使って林冲を危機に追い詰める。
公孫勝の援護がなければどうなっていたか。武力においては林冲の最大の好敵手だったろう。
実は羅真人仙人が陰から力添えしていた!全てが終わった後に登場して
「弟子を助けるためとはいえ、こう俗世間のことにかかずらわっていては長生きできねえ。
それにしてもあれ(扈三娘)はいい女だったな」
と嘆息。
かくして林冲達一行は梁山泊に到着。
ところで、晁蓋率いる梁山泊軍はどうなったのだろうか。
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