OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

《水滸伝》水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第13回

弟25話 山東に立つ最後の猛将  脚本:池上金男 監督:山崎大助
 関勝(若林豪)はかつて林冲と共に士官学校で学んだ親友であったが、小蘭(松尾嘉代)を巡ってライバルとなる。小蘭が高求に襲われたところを林冲が助けたため、林冲と小蘭が結ばれることになり、恋に破れた関勝は西域守護に志願し辺境防備に当たり、匈奴の兵と10年に渡って戦っていた。
 そして今、長年の苦労が実って匈奴の王冒漸(江見俊太郎)をあと一歩のところまで追い詰めているところであった。
 
 関勝の副官・魏定国(真山譲次)は冒漸と一騎打ちの末、殺されかけるが冒漸はとどめを刺さず、逃がしてもらう。宋の国の匈奴に対する扱いはひどい、と魏定国に正当性を訴える冒漸。
 そこに関勝が現れ、冒漸を捕らえる。
 その夜、関勝を都に呼ぶ高求の使いが来る。
 翌朝、関勝は魏定国に冒漸の処刑を命じるが、魏定国は処刑したふりをして冒漸を逃がしてやる。
 関勝は魏定国を後任の西域守護に命じて単廷玉(平泉征)を連れて都に出発する。
 
 その途上、匈奴の生き残りを集めて再起した冒漸が魏定国を倒し、復讐にやって来るが、林冲・扈三娘・史進に邪魔され、返り討ちにされる。
 林冲は関勝を梁山泊に誘うが、関勝は、命令に従うのが軍人の本分である、と断る。
 
 都に入った関勝は、林冲接触があったことを理由に捕らわれる。高求は偽の手紙で林冲を都に呼び寄せ、関勝に林冲を殺害するよう命じる。
 林冲は手紙が罠かもしれないとは思うが、高求の汚い手口を証明するためにあえて都に乗り込む。
 関勝に面会する林冲以下宋江・扈三娘・史進
 そこに高求らも現れ、関勝に約束の遂行を命じる。
  
  
 匈奴の王・冒漸に助けられた魏定国は、命令に従わずに冒漸を逃がします。
 再起した冒漸は再び戦いを挑み、今度は魏定国を殺します。
 なかなかすさまじいエピソードです。
 魏定国を演じたのは、真山譲次。検索してみると、『人造人間キカイダー』でハカイダーに変身するサブローを演じた人です。『人造人間キカイダー』の放送は1972年(昭和47年)7月8日から1973年(昭和48年)5月5日 ということで、『水滸伝』のこの回が放送されたのは1974年3月19日。
 時期的には『水滸伝』よりも『人造人間キカイダー』の方が古いんですね。
 私が幼い頃『人造人間キカイダー』が再放送されていたので、『人造人間キカイダー』の方が新しいんだと思っていました。
 
 迷う関勝の前に、高求率いる近衛軍が現れて関勝をせっつく。
 高求の副官・唐義は単廷玉を人質にして脅すが、関勝が迷う前に単廷玉の片腕を切り落とし、さらに首すじを切ってしまう。切り札を簡単に殺しすぎ。これでは人質の意味がなく、関勝を怒らせて敵にしてしまうだけである。
 弟21話以降、高求の側に控えていた唐義であったが、怒った関勝が高求に敵対宣言している所に切りかかって簡単に斬られてしまった。
 これを合図に関勝・梁山泊側と高求側との乱戦が始まる。
 宋江も刀を振り回して奮戦していた。
 戦いは外に移り、高求も林冲と数合、刀を打ち合う。
 町の人々が梁山泊側を応援して高求に石を投げる。
 そして次のシーンでは、関勝を含む梁山泊の面々が馬に乗って梁山泊に向かうシーン。
 高求は逃げ延びたのだろうか。林冲と刀を打ち合い、町の人から石を投げられるくらいならそのまま林冲達に捕まってとどめを刺されてもいいと思うが。
 ナレーションでは
「ここに108人が集結した」
と言っていた。
 次回の最終回を前に、乱暴にも108人揃ったという設定。
 さて最終回では誰が登場するか。
 




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弟26話 野望砂漠に果つ 脚本:池上金男  監督:山崎大助
 
 都では梁山泊軍が攻めてくるという噂が立ち、高求は戒厳令を発して独裁政治を行っていた。
 さらに高求は、徽宗皇帝(水谷豊)を廃して宋王朝を滅ぼし、高求王朝を立てようと企んでいた。
 高求はその実行を、梁山泊軍の進撃が始まって官軍がそれを迎え撃った時、どさくさにまぎれて行うつもりであった。
 
 梁山泊では都への進撃の準備が整っていた。
 林冲公孫勝は高求の企みを感づき、総攻撃の前に先発隊が様子を見るべきだと主張。
 林冲公孫勝・扈三娘・史進花栄・鉄牛の6人が都の様子を探りに行く。
 
 林冲徽宗皇帝との面会に成功、皇帝からの支持を得ることに成功。
 その夜史進梁山泊に向かい、総攻撃の命令を伝える。
 林冲達は都の人々に決起を促し、人々は立ち上がる。
 高求は参謀長の王榿(外山高士)と共に宮中に参内し、徽宗皇帝の暗殺を企むが林冲達に阻まれて失敗。
 負けを認めない高求は親衛隊と共に脱出、外国に逃げて捲土重来を意図するが砂漠の中で倒れる。
  
  
 原作では“君側の奸”として梁山泊の前に立ちはだかり続けた高求ですが、このドラマ版では自ら皇帝になろうという野望のために敗北します。こんな単純明快な悪人の方が戦いやすい。
 
 皇帝暗殺を行う段になって恐れをなし、側近の王榿にやらせようとする高求。
「自ら皇帝になろうという男が他人をよこすとは。本人が来いと言え」
と追い返す皇帝と
「お前がやれ」
とけしかける高求の間でとまどう王榿。
 やっぱり高求の方が怖いようで、意を決して皇帝に切りかかるも、花栄の弓に刺されて絶命。
 高求のようなずる賢い奴は多分、王榿が皇帝を斬ってから王榿を処刑し、
「悪人・王榿は余が討ち取った。
 以後は私が皇帝となる」
と宣言するつもりだったに違いない。
 
 林冲達の包囲網をくぐって逃げ出した高求。外国へ逃げるつもりが、なぜか砂漠をさ迷う羽目に。
 奇しくも高求に捕らわれた林冲が流刑の地に流された時に辿ったコースだという。
 公孫勝が術を使って梁山泊軍の幻を見せ、高求を苦しめる。
 ついに林冲が高求に一騎打ちを挑み、始末をつける。
 
 今後どうするかという問いに林冲
「第二第三の高求が現れないとも限らない。
 民衆が権力を取り戻すまで梁山泊は存在する」
と答える。
 
 原作のすっきりしない結末と比べて、このドラマ版ではすっきりとハッピーエンドで終わりました。
 最終回もオールスターキャストではありませんでしたが、番組ラストに主要メンバーの回想シーンがあったのがよかった。
 途中から出番がなくなって消えてしまった武松、朱武、楊志、戴宗らもチラッと映って懐かしかった。
 また、今までの主な出演者(出演順)というのも字幕で流れて良かった。最終回らしい演出である。この登場人物一覧は、私は「水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)配役表」
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20061119
でほとんどキャッチしていたのですが、一部漏れていた人物を最後に加えておきました。
 
 25回に渡って追いかけ続けた『水滸伝』(第1回は見られなかった)。本当は昨年年末に既に放送は終了していたのですが、私の場合本日(1月10日)ようやく最終回に辿り着きました。
 かなり密度の濃い大作でした。26回で終わったのがもったいない。1年間52回やってほしかった。
 原作とはかなり違った演出がなされていますが、これはこれで一つの世界観を持っています。このドラマ版をノベライズしても面白いのでは?
 それよりまず先に、DVD化してほしいですね。
   
たのみこむ 日本テレビの「水滸伝」のDVD化を!
  https://ssl.tanomi.com/metoo/naiyou.html?kid=15217
水滸伝倶楽部  http://nazede.gozaru.jp/suikoden.html
 




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