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第22号 行列について考える
2005.03.13
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なぜ学です。今週も1週遅れの配信となりました。
さて今回、挑戦したのはこの本です。
『ケプラー・天空の旋律(メロディ)―60小節の力学素描』
吉田 武 (著) 共立出版 (1999/12)
内容(「MARC」データベースより)
数学(微分積分・線型代数・応用数学)、力学(質点・剛体)の基礎となる60項目を、
見開き2ページで簡潔に解説した入門書。
著者は緒言(前書き)で、宣言しています。
「本書は、見開き二頁で一つの主題が完結する新しい形式の力学の入門書である。」
また、こうも言っています。
「本書は「微積分学」「線形代数」「応用数学」「力学」の四科目に散逸した諸概
念を一つにまとめ、学習者の便宜を図った。その全体をまとめる大役は、天文学を
始祖とする古典力学をおいて他に担えるものはない。力学の重要性を説く所以であ
る。」
古典力学を数学の概念を使って説明した書ともいえるし、逆に、数学の概念を古
典力学を例にして説明した書ともいえます。
高校や大学で数学や物理を習う時、分かりやすくするためか、単純化するためか、
元来密接に関っているはずの数学と物理を切り離して説明されています。
数学は元来、物理現象を記述するためにある概念です。
それが物理と切り離されて教えられているので、これが何の役に立つのか、どんな
必要性があるのか分かりにくくなります。
そういった観点から、数学を駆使して物理学(古典力学)を説明した本書は、長
年のもやもやを解決してくれるものでした。
まず本書では、「線型性」について説明します。
複素数でも「線型性」は成立するといいます。
「線型関数は、現代科学の基礎を成す極めて重要なものである。」
とあります。線型方程式では「解の重ね合わせ」が成立します。
「解の重ね合わせは、線型方程式の最大の特徴であり、「量子力学」に於いては、
「重ね合わせの原理」と呼ばれ、理論の中心に据えられて、基礎方程式の特性を
決定しているのである。」
よく分かりませんが、量子力学まで出てきました。
さて、次に、行列の説明が続きます。
(a11 a12…a1n)第一行
(a21 a22…a2n)第二行
(… … ) …
(am1 am2…amn)第m行
第一列 … 第n列
この行列を「m行n列」行列といいます。
(a11 a12…a1n)、(a21 a22…a2n)、(am1 am2…amn)
を「行ベクトル」または「横ベクトル」と言います。
(a11)
(a21)
(… )
(am1)
などを「列ベクトル」または「縦ベクトル」といいます。
また、m×n行列の行と列を入れ替えてできるn×m行列を「転置行列」といい
ます。
「転置行列」の「転置行列」は元の行列となります。
上の「列ベクトル」を「転置行列」の「転置行列」という形式で表すと紙面が節
約される、という指摘は面白い。
そして次に、行列の計算になります。
(m×n行列)×(n×m行列)=(m×n行列)
(n×m行列)×(m×n行列)=(n×n行列)
という図が描かれています。
残念ながら私は高校時代には気付くことができませんでしたが、こういうことに
気付くことがコツといえるでしょう。
また、行列の乗法は、交換法則が成立しません。乗法に関して「非可逆」な系と
いうことです。
「日常生活では、「行為の順番によって得られる結果が異なる」方が、むしろ普通
であろう。行列の乗法は、こうした問題を数学的に処理する場合に、大いに役立つ。
実際、量子力学に於いては、電子の「位置」と「運動量」の非可逆性が、行列を用
いて論じられるのである。」
また、行列においても、「因数分解」「複素数」に類する概念があり、「パウリ
(スピン)行列」、「ディラック行列」など、量子力学につながっていきます。
(この辺になるともう分かった気になるしかありません。)
次に、「行列式」とは、行列の形式で表された方程式を逆行列を使って解く際に
共通項として出てくる係数を簡単に表すために出てきた概念であること。
この「行列式」を使えば、三次以上の方程式の解も行列を使って表すことができ
るようです。
そして「ラプラス展開」、「ケイリー・ハミルトンの公式」、「固有値と固有ベ
クトル」、「規格化」などにつながります。
「ケイリー・ハミルトンの公式」、「固有値と固有ベクトル」などは高校数学で
も習いました。
問題の解き方は分かりましたが、数学的にはどんな意味がある概念か、分からず
じまいでした。
本書でもこれらについて詳しく説明されているようですが、理解力不足でいま一
つ理解できませんでした。 今後の課題です。
(フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia) 』 http://ja.wikipedia.org/
でイメージをつかむことをおすすめします)
……ということで、ようやく行列の単元だけ読み終えました。
まだ60講のうち、最初の11講です。肝心の力学の部分まで行っていません。
何しろ一項目2ページ読むのに、10分程度かかります。小説を読むように簡単
には読み進めることはできません。
前回の『ケプラーの賜物』もそうですが、また最初だけで終わりました。
どちらも今後も継続して挑戦していくつもりです。
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