OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

低い自己評価とプライド

 最初に断っておくが、仕事について最近実感している思いがある。
 私が本当に好きだったたことは、学問や文筆に関することだった。
 しかし運命の歯車が狂い、それらから遠ざかる方へ遠ざかる方へ流されて行き、とうとう墓場に押し込められるような状態に陥ってしまった。
 
 何でこうなってしまったのか、一体今の人生は何なのか。今まで悪夢の中にいて、今でも覚めない悪夢の中にいるようである。
 
 そんなことを毎日考えている。 
 書店に行っても図書館に行っても神経を逆撫でされるような感じになることが多い。
 
 そんな中、以下の新聞記事が目に付いた。
 
 ある新聞で紙上特別講義というコーナーが設けられることになり、その2人目として香山リカ先生が登場。
 学問をテーマとすることを模索しているこのブログでも、このコーナーは今後もできる限りチェックしていきたい。
 
 香山教授の紙上特別講義1 就職
  低い自己評価とプライド。
  その間で学生は
  動けなくなっています。(5月2日)
 帝塚山学院大学教授の香山さんは、大学の就職委員となる。
 現在、大学生の就職率は55.8%だという。
 何と、6割もいかない。これは大学での成績評価でいうと、優でも良でも可でもなく、不可ではないか。
 
 香山さんは確か、大学在学中に出版社でアルバイトしていてそのまま文筆業に入ったと記憶している。
 私としてはもし人生をやり直せるのなら、こんな人生を送ってみたいと思うほどうらやましい経歴だ。
 東京だから出版社のアルバイトもあったのだろうし、出版界にも活気がある時期だったのだろう。
 色々な環境があるが、その中で最善を尽くすことが必要である。
 
 学生は自信がない、と言う。
「どうせ社会では必要とされない」
「雇ってくれる所なんかない」
と口では言っている。しかし内心では
「自分しかできない仕事がどこかにあるはず」
と信じているようなのである。

 低い自己評価と、「自分は特別」というプライド。その二つの間で動けなくなっているのです。
 なぜこうした心理に陥るのでしょう。私は、「本当にやりたいと思うことを仕事に」と強調する風潮が影響していると思います。

「個性を大切に」と繰り返し聞かされているうちに「自分にしかできない仕事に就かなければ」と強迫観念を持つようになる、とも書かれている。
 
 ううむ、どうなんだろう。
 現在の大学生の心境は分からないが、自分に限って言えば、もっと
「本当にやりたいと思うこと」
について真剣に考えておくべきだった、と思う。
 大江健三郎の項でも述べたが、
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20050503

 私自身、本来は文学部向きなのに、虚学でメシは食えない、という家庭的圧力を先読みして感情を押し殺し、あえて実学の方面に進んだ経験があるからです。

 幼い頃から私は、趣味は仕事にはできない、と思い込まされてきた。自分の好きなようにしてはいけないと洗脳され、自己規制してきた。
 仕事に対しては、自分の意向ではなく、親の意向中心に考えていた。
 
 当時、インターネットという便利なものはなかった。
 専門家ではない素人が文章を発表するのは、それはもう大変なことだった。
 自費出版に膨大な費用を使うか、新聞や雑誌に投稿するくらいしか手段はなかったのだから。
 
 現在、HPやメルマガやブログで、専門家でない素人でも簡単に文章を発表することができる。
 情報起業や週末起業という概念も一般的になってきた。
 就職という概念も、インターネットの出現で色々と変わってきている。
「本当にやりたいと思うこと」を
「実現させよう」と
「行動すること・努力すること」
が大切ではないか。
 
 適切な目的・イメージ・行動・努力
 
これは就職にも、メンタルな病気の治療にも必要なものと思う。
 
 今回、香山さんの文章についてというより、自分の負の感情について多くを書いてしまった。
 
 何やら「宿題」なるものが香山先生から提出されている。

受講生のみなさんへ宿題
 
 次の文章の空欄を埋め、理由を500字以内で記せ。
 
「就職しない若者が増えた理由は(  )にある」

 
 私の答えは、「不景気・就職難」としたい。
 色々メンタルな理由もあるでしょうが、やはり外的要因が大きいかと。
 求人自体少ないし、競争率も高い。
 何だかんだいっても、やはり無職というのは辛い。収入がないのは辛い。
 就職したくてもできない人がほとんどではないだろうか。
 職業紹介所は人で一杯ではないだろうか。
 
 かつてバブル期というのがあり、学生を確保したい企業は内定者を拘束したくらいだった。
 その時代を描いたのが、織田裕二主演の『就職戦線異状なし』。
 この時期は、面接を1回受けるだけで内定が出たという。
 バブル入社組はレベルが低い、と言われる。適性を考えずに高望みして入社した人もいるだろう。
 そんなのも困るが、それでもやはり、就職したいのに職がないというのが一番困る。
 
(参照)
■ [学問]「あなたを必要とする人、場所は必ずある」
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20041012

【index】
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