OLDIES 三丁目のブログ

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《水滸伝》水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)鑑賞記第11回

弟21話 巨星・荒野に墜つ  脚本:舛田利雄  監督:小沢啓一
 金の国との国境近くの豪族・曹氏が虐殺と殺戮を繰り返しながら南下してきた。
 曹氏の当主・曹狼(安倍徹)には5人の息子がおり、恐れられていた。
 
長男・曹塗(千波丈太郎) 冷徹・策謀に富んでその性は陰湿
次男・曹魁(伊吹新) 性饂飩ではあるが恐るべき大力
三男・曹索(亀石征一郎) 武技に秀で実戦の指揮者
四男・曹密(柳瀬志朗) 皮肉屋。物事に熱中できず、理屈をもて遊ぶ。
五男・曹昇(剛達人) くちばしは黄色いが本人はいっぱし大人のつもりである。
 
 そしてついに梁山泊の頭領・晁蓋山形勲)が以前治めていた東渓村に到着、村を荒らし始める。
 偶然諸国放浪の旅から帰る途中の鉄牛(大前均)が居合わせ、次男・曹魁と戦うが、後から他の兄弟に殴られ、捕まる。
 曹氏は、村人や鉄牛の前で、この村をかつて治めていた晁蓋を挑発し、晁蓋率いる梁山泊軍と正々堂々と雌雄を決することを宣言する。
 梁山泊にこのことを伝える鉄牛。
 
 報告を受けた晁蓋は、出陣を希望するが、他のメンバーから制止され、まず林冲花栄・鉄牛が東渓村に行って様子を見ることにする。
 
 東渓村では曹魁と曹昇が若い夫婦をなぶり殺して乱暴狼藉を働くが、林冲達が現れるとすぐに逃げ去る。
 
 翌朝、曹5兄弟率いる曹軍が東渓村に攻めて来るが、林冲の作戦により迎撃、五男・曹昇は林冲に斬られて死に、曹軍は退却する。
 やられてそのまま逃げ帰るとは何事か、やられたらやり返せ、と怒る曹狼に長男・曹塗は策を提案する。
 
 その夜、見回りの鉄牛にしびれ薬を飲ませた曹兄弟は、待避所に隠れていた村の女達を連れ去る。
 翌朝、軍使として現れた曹塗は、女達を帰す代わりに林冲が人質になることを要求、林冲はそれを飲む。
 人質交換の場で曹塗は、晁蓋率いる梁山泊軍と雌雄を決することを要求、花栄と鉄牛は梁山泊に伝え、梁山泊軍が出動する。
 
 梁山泊軍が東渓村の城壁に到着すると、曹狼は、和睦交渉のために晁蓋が一人で入ってくることを要求。
 宋江公孫勝の制止を振り切って晁蓋が一人で進んで行くと、曹索の放った矢が刺さって落馬。
 梁山泊軍は晁蓋を抱えて一旦退く。
  
  
 ついに曹家の登場である。祝家荘には3人兄弟がいたが、今回は5人も兄弟がいて賑やかである。
 曹家の当主・曹狼や長男や三男は結構まともそうに見える。
 特に三男はクンフーも得意で、兵士を相手にした練習では圧倒的な強さを見せつける。
 しかし、次男が荒くれもので、四男と五男は二枚目だがチンピラ不良風である。
 
 鉄牛と曹家の次男の一騎打ち。次男の方も時々優位に立ったりしていたが、最後に鉄牛が優位になったところを他の兄弟が後から殴って決着が付いた。
 
 曹狼は、晁蓋は村を見捨てて一人安楽に過ごしている、と挑発するが、村人達は今でも晁蓋を慕っているようである。
 
 梁山泊で会議。久々に晁蓋が登場。思えば第6話で梁山泊の首領になってから、回想シーンに一・二度しか出ていない。何で登場しなかったんだろう。
 
 会議のメンバーは、晁蓋宋江林冲公孫勝・扈三娘・花栄・鉄牛。
 史進・柴進・戴宗・武松・魯智深らは不参加。
 弟18話では史進や柴進は傷の療養中ということだったが、まだ回復していないのだろうか。
 
 高求は、曹家と梁山泊の戦いを「狼が虎に挑戦している」と形容。
 もちろん曹家が狼だろうが、曹家の旗印は虎であり、曹家の五兄弟を“曹家の五虎”と言う。曹家を虎と例えることもできるのである。
 また、高求の側には唐義(小笠原弘)という護衛官が着いていた。これは武官のようである。19・20話で活躍した寥(宮口二郎)はお役御免になったのだろうか。
 
 最初の戦いであっけなく五男・曹昇が死亡。早々に5兄弟が4兄弟になってしまった。残念。
  
 鉄牛にしびれ薬入りの酒を飲ませたのは、曹兄弟の四男か?女装して顔を隠して声は女性が吹き替えしていた。現実では余程の美形でない限り、あり得ない話である。
 
 林冲救出のため、晁蓋率いる梁山泊軍が出動。このドラマ始まってようやく初めて、大規模な梁山泊軍の遠征である。
 しかし、オープニングの映像のような梁山泊オールスターズの総登場というわけにはいかなかった。
 行軍に映った主力メンバーは、会議に参加していた晁蓋宋江林冲公孫勝・扈三娘・花栄・鉄牛だけである。
 他のメンバーはどうしていたのだろう。
 
 行軍の途中、晁蓋の軍旗が風に煽られて折れる。
 不吉だと思った宋江公孫勝は出直しを進言するが、晁蓋は「形あるものは壊れるものだ」と取り合わない。
 確かこんなシーン、『三国志』でもあったな。(孫堅が出陣の時)
 
 和睦を口実に一人で来ることを要求しながら、卑怯にもだまし討ち。やはり汚い曹一家。林冲が言うように
「この連中には義は通じない」
である。
 
 晁蓋に刺さった矢には、「曹索」の名が。どうやら史文恭は登場しないようである。
 
 晁蓋が息を引き取ると、鉄牛と花栄が立ち上がり、弔い合戦を主張、兵士達も賛同の声を上げる。それを制止する宋江
「今動けば奴らの思う壺。ここは一旦引き揚げて晁蓋殿を弔おう。」
 おおっと、原作とは違ってこのドラマでは目立たなかった宋江であるが、立派にリーダーシップを発揮しているではないか。
 しかしやはり軽く見られているのか、すかさず扈三娘が反論。
「そんなことをしている間に、林冲がどうなるの」
 これには公孫勝宋江をフォロー。
「曹狼ほどのずる賢さ、林冲どのを簡単に殺すとは思われぬ」
 梁山泊軍は晁蓋を弔うため、一旦梁山泊に戻ることにする。
  




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弟22話 壮絶!救出大作戦  脚本:舛田利雄  監督:小沢啓一
 
 曹狼は高求に取り入るため、長男・曹塗を都に遣わせる。高求は喜び、自ら近衛軍を率いて出陣を宣言。
 
 一方、梁山泊晁蓋を葬った梁山泊の面々は、公孫勝の指示のもと、各々が担当場所で工作を開始した。
 鉄牛や阮小二らは山中で落石工作を行う。
 扈三娘と阮小五は歌姫と助手に変装し、扈三娘は次男・曹魁と四男・曹密を誘惑し、仲違いさせる。
 公孫勝と阮小七は占い師に変装、曹狼に近づき、ニセの鑑定を言って林冲の監禁場所の変更と都からの高求軍の進路を変更させることに成功。
 
 林冲、外に作られたおりの中に入れられる。阮小五が曹魁に、扈三娘が曹密に連れ去られた、と報告に来る。
 曹魁が見張りを離れて曹密の部屋に走って行った後、梁山泊の軍勢が林冲救出に登場。一同、曹一族の本拠地になだれ込む。
  
 
 晁蓋林冲もいない梁山泊では、宋江がリーダーとなって演説したりしていた。
 今回、前回登場しなかった阮三兄弟が登場。活躍していた。
 一方、前回登場していた花栄は今回は登場せず。登場人物が多いので、誰かが出ると誰かが出られなくなってしまう。
 
 公孫勝の占い工作にまんまとひっかかってしまう父・曹狼と次男・四男。頭の弱そうな次男と四男はともかく、しかめっつらで威厳を放っている曹狼がコロッと引っかかってしまったのは意外だった。変な占いを信じてしまったところからほころびが出てくる。
 私も占いは好きで、信じている方である。しかし占いを信じ過ぎるとひどいことになる、という事例である。
 曹狼の息子でいえば、長男・曹塗や三男・曹索は簡単に占いを信じるとは思えないが、曹塗は高求を迎えに行って不在であり、曹索は持ち場が違うので居合わせなかった。もし曹索が父親から占い師について相談を受けていれば、どうなっていたであろうか。 
 
 次男・曹魁と四男・曹密の兄弟喧嘩。鉄牛をも苦しめる曹魁であるから、本来ならば曹密など簡単にのしてしまうのだろうが、やはり弟だから手加減していたのだろうか。結構いい勝負の取っ組み合いであった。
 結局三男・曹索が仲裁して終わった。
 
 最後の曹一家と梁山泊軍の戦い。
 次男・曹魁の相手をしたのは何と公孫勝。曹魁相手にかなり長く切り結んでいた。公孫勝もなかなかやるでないの。最後は鉄牛が救出に入り、曹魁を押さえつけたところを公孫勝が致命傷を負わす。
 
 事態の急変を予感して急いで駆けつけた長男・曹塗に対しては、阮三兄弟がかかる。さすがの曹塗も三人が相手ではかなわず、敗北。
 四男・曹密は奥の手の手裏剣を使うが全て外れ、扈三娘に敗北。
 一番の使い手・曹索は林冲に破れる。
 最後に曹狼は、阮小二に破れた。林冲ではなく阮小二というのがポイント。阮小二、思わぬ金星である。
 
 翌朝ようやく到着した高求軍は、曹一族全滅の報を受け、そのまま都に帰る。
 
  
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