- 作者:樋口 裕一
- メディア: 単行本
私の大学受験がもう少し遅い時期だったら参考書を購入させて頂いていたかもしれない。
クラシック音楽を聴くと頭が良くなるという仮説を少々強引に説明されています。一見すると独断と偏見ではと思う部分もありますが、そこは小論文の大家。仮説から結論に至る過程が論理的に説明されていて破綻はありません。
小論文的には正しい仮説の証明かと思います。
小論文は、目の付け所の面白さとその証明の方法が命であります。
この小論文的方法を使って、何でも証明することができます。
「頭がよくなるジャズ入門」
「頭がよくなる現代音楽入門」
「頭がよくなる演歌入門」
「頭がよくなるビートルズ入門」
「頭がよくなるヘビメタ入門」
「頭がよくなる童謡・唱歌入門」
etc,...
何にしろ、音楽を楽しめば心身にいいことは間違いありません。
アマゾンのカスタマーレビューでは少々きついこと書かれていますが、私は結構楽しめました。
第2章では“私の音楽遍歴”と共に音楽史のウンチクも語られていて結構面白い。
第1章 クラシック音楽で能力開発しよう
弟3章 クラシック音楽の対立さまざま
……は、知的漫談という風情で楽しめます。
アマゾンのレビューでは皮肉に「お笑い系」と書いている方がおられますが、私はいい意味での「お笑い系」として読みました。著者が高座に上がって一席ぶっているイメージで読めばよいかと。
第3章などはまさしく知的漫談ネタでしょう。
「ドイツ音楽好きと非ドイツ音楽好き」
「イタリアオペラ好きとドイツオペラ好き」
「小澤好きと朝比奈・飯森好き」
「古典楽器好きと現代楽器好き」
……
果たしてこのような2項対立が存在するのかどうかは分かりませんが、音楽を語る上で面白い切り口です。
歴史的に因縁のある「ブラームス派」VS「ワーグナー派」についても説明してほしかった。
こういった2項対立関係、音楽に限らず他の分野でも色々あると思うので、考えてみるのも頭のトレーニングになるのではないでしょうか。
付録のCDも面白い。私としては特にトラック2(交響曲イタリア)からトラック9(夜の女王のアリア)までの怒涛のメドレーがお気に入りの部分です。
あと、このCDで初めて知って収穫だったのは、ブラームス『弦楽六重奏曲第1番変ロ長調』。
非業の死を遂げる時にバックにかかっているような、これでもかと泣かせるようなメロディーです。
えっ、この曲有名だったんですか?何で今まで知らなかったんだろう?
まあ私はそのくらいクラシック音楽には詳しくない方で、そんな奴が書いたレビューだということです。
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