OLDIES 三丁目のブログ

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中国・戦国ミステリー 謎の軍団・墨家

世界ふしぎ発見!」中国・戦国ミステリー 謎の軍団・墨家
 墨家のことをするというので、久しぶりに「世界ふしぎ発見!」を見た。
  http://www.tbs.co.jp/f-hakken/index-j.html
 これは昔から続いていますな。私が高校に入る前からやっている。当時は「なるほど!ザ・ワールド」を真似してもっと洗練させたような番組だと思っていたが、「なるほど〜」が終わってからも今まで延々と続いている。
 スタジオセットが豪華になったり、草野仁にアシスタントがついたり視聴者のクイズ参加もできるようになったりと色々と変わっている。黒柳・坂東・野々村は変わらんな。
 
(当日出題されたクイズから)
 儒家が奨励し、墨家が否定したのは以下のうちどれでしょう。
1 音楽
2 演劇
3 酒宴
 (答えは後ほど)
 
 墨家儒家と勢力を二分するほどの勢力を誇っていたのに、始皇帝が中国を統一してから弾圧されて滅んでしまったとか。
 はてなキーワードによると、墨家が滅んだ理由は不明のようである。

その学統は禽滑釐・孟勝・田襄子などの有力な墨者に嗣がれ、儒家と天下を二分する勢力を持ったが、墨子の死後早いうちに分裂し、他学派のみならずそれぞれの分派までもが相争う状態にあったことが『荘子』天下篇・『韓非子』顕學篇等の記述から知られる。
墨家はその後、戦国最末期に『呂氏春秋』の一部や『墨子』公輸篇等を成書するものの、秦帝国による統一以降は姿を消してしまう。理由は不明ながら、統一とほぼ同時期に断絶したものと思われる。

 
 墨家は大国が小国を攻めた時に小国を助けてやったという。
 しかし墨家が二大勢力の一方を占めていたというのに、結局秦が他の国をどんどん攻めて統一してしまった。
 墨家の力を持ってしても、秦の他国侵攻を防げなかったのだろうか。
 秦が中国を統一させると墨家にとってマイナスになるのは分かっていたのだろうから、そうなる前に秦の躍進を阻止するべきだった。
 確か戦国の七雄といって、秦の他にも6つの大国があったはずである。
 だから墨家としては、6回はチャンスがあったはずである。
 結局墨家は秦と6回戦って6回負けてしまったというのだろうか。
 戦略集団の墨家をしても、秦には勝てなかったのだろうか。
 秦と墨家の戦いの過程を知りたい。
 秦と諸子百家の関係で言えば、合従連衡縦横家)というのも絡んでくる。
 
 秦と儒家といえば、“焚書坑儒”という言葉も知られている。
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%9A%E6%9B%B8%E5%9D%91%E5%84%92
 ウィキペディアの記述によると、秦の始皇帝は特に儒家を狙って弾圧したようではないようである。
 番組の中でも紹介されていたが、儒家は歴代王朝に優遇されていたようで、孔子の立派な墓が紹介されていた。
 墨子の研究家が解説していた。
 儒家には「君君臣臣」という概念があり、主君は主君らしく、臣下は臣下らしく、身分に合った暮らしをするべき、ということである。
 ところが墨家は、身分の違いを重視しないそうである。
 なるほど、歴代王朝が墨家を危険視し、儒家を都合がいいと思ったというのも分かる。
 そういえば、中学だか高校で習った日本史の知識だが、江戸幕府身分制度の維持に都合がいいので儒教を奨励した、という記述があった。
 しかし儒教にも色々と学派があり、幕府が奨励したのは朱子学であって、孔子の時代に帰れ、という古学派や知行合一を主張する陽明学派というのもあったと習った。
 そして幕府を批判して反乱を起こした大塩平八郎陽明学者だった、というのも覚えている。
 
 墨家儒家は色々な面で意見が対立したという。
 服装に関しては、儒家は礼節を重んじる立場から身なりを重視したが、墨家は実用性を重視する立場から、あまり重視しなかった。
 日本で、ビジネス上はネクタイをして背広を着てなどと重視するようなもんだろうか。
 日本のビジネス社会は儒家派だ。
 
 冠婚葬祭についても儒家は重視し、墨家は質素を言ったという。
 墨家流だと冠婚葬祭業者が困る。
 
 最後の問題では、この墨家儒家の対立についてから。
 儒家が奨励し、墨家が否定したのは以下のうちどれでしょう。
1 音楽
2 演劇
3 酒宴 
 
 最近は最後の問題は三択になっているのか。
 孔子は教養を重視して、音楽を奨励したそうである。
 当時の楽器は青銅器を使った貴重で高価なものであり、そんなもので音楽をするのは資源の無駄であり、若者が音楽にうつつを抜かして働かなくなっては困る、と実用本位の墨子は音楽を禁止したそうな。
 この問題に正解したのは黒柳徹子さん一人だけ。
 ちなみに私は、他の2問は不正解だったがこの問題だけは当たっていた。孔子が音楽を奨励していたということを以前読んだことがあったような気がしたため。
 
 確かに墨家の思想は実用本位で質実剛健の気風だから、贅沢や娯楽・見栄に関する業界、冠婚葬祭業者や音楽業界やファッション業界などに不都合かもしれない。
 しかし墨家の思想は意外と今の時代に見直されるべきところがあるかもしれない。
(以下、哲学についても墨家思想についても全くの初心者なので仮定多し。詳しくは以後の研究ということで、研究テーマの羅列。)
 一般庶民も墨子の考え方を学んで理論武装すれば、政治にも緊張感が生まれて改善されていくかもしれない。
 国際政治も、“非攻”“兼愛”の墨家の思想をもって見てみればいいのかもしれない。墨子の思想は国際法に通じるのかもしれない。
 防衛問題についても墨家の考えはいいかもしれない。戦争を否定しながらも自衛のための武力を持つ。これは安心できる。
 しかし現行憲法を悪く言っている連中こそが胡散臭くて信用できず、むしろこういった連中が国を占拠した後に来る暗黒の時代を懸念する。
  
 墨子の思想は今後も研究していきたい。
 

 
 
墨子 (講談社学術文庫)

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