堺市博物館では現在「パノラマ地図でたどる近代の名所」という企画展を開催しており、行って来た。
堺市博物館
http://www.city.sakai.lg.jp/hakubutu/index.html
パノラマ地図でたどる近代の名所(平成20年1月8日(火)〜3月2日(日))
http://www.city.sakai.osaka.jp/hakubutu/kikaku.html#kindai
徒歩で移動した近世に比べて、近代以降、鉄道やバスなどの交通機関の発達で、寺社、景勝地、遊園地などへの観光旅行が大変便利になりました。古くからの名所だけではなく、国立公園や城郭などの名所も整備され、各地を紹介する美しいパノラマ地図が大正末から昭和初期にかけて多数製作されました。
今回の展示では堺をはじめ、全国各地の参詣地、景勝地などを描いた館蔵のパノラマ地図を展示し、近代の名所の姿をたどります。
パノラマ地図といえば吉田初三郎ということで、吉田初三郎のパノラマ地図が10枚以上も展示されていた。
自分の住んでいる地域が描かれていれば特に面白いもので、「堺市鳥瞰図」に見入ってしまった。大阪市や和歌山県との地理的結びつきや鉄道などの交通網での結びつきが如実に分かる。
自分の住んでいる地域やその近隣地域との関係を理解し、見直すのにいい。
堺市は地域おこしのために「堺市鳥瞰図」を復刻して配布してみてはどうか。
私は和歌山出身なので、
「高野電車沿線名所図絵」
「新和歌浦名所交通鳥瞰図」
なども興味深く見入ってしまった。
今回、金子常光のパノラマ図も展示されていた。
説明文によると、吉田初三郎のお弟子さんだそうで、初三郎が創設した会社の専務・小山吉三が日本名所図絵社を作って独立した際、小山吉三の弟でやはり初三郎の弟子でもあった中田富仙と一緒に小山の社に移ったそうである。吉田初三郎最大のライバル、と書かれていた。
常光のパノラマ図ではまず、「先山と鳴門観潮」が紹介されていた。淡路島を中心に右側に本州、左側に四国が描かれている。常光が堺を描いた唯一の地図だそうだ。
「観光の和歌山」は常光と中田富仙の合作。書簡図絵という形式。これは、郵便として送ることのできる小型版の鳥瞰図。地域おこしとして日本各地で復刻したり新たに作成しても面白いのではないか。
こういった鳥瞰図的な発想は全ての面において必要ではないだろうか。
それにしても、堺にしても和歌山にしても、大正時代にこれらのパノラマ図が描かれた頃は輝いていたのではないか。それが現在、地盤低下しているような感がある。
これは日本の地方都市全般にいえるのではないか。
大都市に一極集中が起こり、地方都市が軒並み地盤低下。これも格差社会の一面ではないか。
このような流れが果たしていいものかどうか。
せめて過去に輝いていた時代に描かれたパノラマ図でも復刻したり新作を作ったりして地域振興でもやってはどうか。パノラマ鳥瞰図で村おこし!
■[日々の冒険]吉田初三郎のパノラマ地図
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20071024
吉田初三郎 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E7%94%B0%E5%88%9D%E4%B8%89%E9%83%8E
パノラマ 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%8E%E3%83%A9%E3%83%9E
ほぼ日刊イトイ新聞 造反した弟子、金子常光。
http://www.1101.com/edo/2005-10-04.html
sameの「お楽しみはこれからかも?」 : 金子常光 鳥瞰図
http://same.cocolog-nifty.com/otanosimi/2006/07/post_163e.html
愛知県図書館 郷土資料 常設展示 愛知のパノラマ観光地図
http://www.aichi-pref-library.jp/chiki/jyousetsu_3.html
金子常光の生涯について調べております
http://q.hatena.ne.jp/1102745533
http://q.hatena.ne.jp/1103011814
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