- 作者: J・ベルヌ,PHP研究所
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2007/07/24
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
『十五少年漂流記』を絵本形式でダイジェストしている。ダイナミックなイラストでの紹介が嬉しい。
ところが売りどころはそれだけではなく、物語に関連する知識を図鑑形式で解説している。
航海技術の解説やニュージーランドの地理や舞台となった島の自然環境や生物・植物など、季節がある原理や凧が上がる原理など。
文系・理系を相互乗り入れする総合学習的な狙いが素晴らしい(私が大学受験の頃は学際だとかインターディシプリナリィとか言われていた)。
これなら文系のお子様も理系のお子様も満足できそう。ついでに、かつて『十五少年』に熱中していたお子様達だった人々も。
私は子どもの頃は完全に文系で、読む本も物語ばかりで、図鑑なんか全然見なかったが、こんな本があったなら、理系の知識もついてよかったろう。
本のクレジットは
原作 J・ベルヌ
編者 PHP研究所
となっている。
実際のところ、文章や絵や写真は誰が書いたのだろうか。
物語部分の絵は日本人離れして結構リアルに描かれているが。
少年達も、いいとこの坊っちゃん風のスーツを着ている。
なかなかうまく描かれているが、一人だけ異彩を放っている少年がいる。
ウィルコックスである。
ウィルコックス君は、先のメルマガでは、ドニファン派の参謀役として、芹沢鴨(佐藤浩市)に対する新見錦(相島一之)と例えさせて頂いた少年。
このウィルコ君がまた、ドイツの軍人を思わせる不気味な服装をして頑張っている。
卵型のヘルメットをかぶり、カーキ色のぴっちりした軍服を着、ベルトを締めて長靴を履いているのである。
ドニファンがブリアンと勝敗を争った二度目の大統領選挙の際は、直立不動の姿勢で立ったまますわった目つきで投票箱を睨みつけている。何だか子どもらしくない。
まるで投票に来た国民を監視する憲兵である。
このウィルコ君が描かれているのはこの絵を含めて5回。平時の服装の他の子たちとは違って独特の雰囲気をかもし出している。
父親が海軍士官というコスターやドールですら平服なのに、父親が軍人ではなく大地主のウィルコ君が軍服を着ているというのも面白い。ウィルコ君は軍人志望なのか!?
さて、この「絵でみる世界の名作」シリーズ、狙いはいい。他にどんなのが出ているかと調べると、どうやら『古事記』だけが出ているようだ。
もっと他に出ないのだろうか。ヴェルヌならば『海底二万里』や『八十日間世界一周』が面白そうだ。
他にも、『宝島』『三銃士』『赤毛のアン』など、色々できそうだが。
十五少年漂流記検定
http://minna.cert.yahoo.co.jp/cgxfa/293345
↑どれだけ覚えていますか?何問正解するかやってみよう!
不合格なら2年間の島流しの刑!?
その傍で本を読むのは 「イラスト図解 十五少年漂流記」
http://sobahon.jugem.jp/?eid=162
kumiko 日記 イラスト図解 ジュール・ベルヌ「十五少年漂流記」
http://kumiko.sgy3.com/blog/2007/10/post_903.html
kumiko 日記 記憶の画像 森田思軒訳「十五少年漂流記」
http://kumiko.sgy3.com/blog/2007/10/post_904.html
■[名作文学]十五少年漂流記(検定も作っちゃいました)
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20080831/p1
↑人気blogランキングにご協力お願いします。m(_ _)m