クロックサイクルの速め方 ~脳が2〜32倍速になる特殊音源トレーニングCD付~
- 作者: 苫米地英人
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2011/03/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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クロックサイクルを速めて競争時代を勝ち抜く方法。
特に苫米地式速読法を使ってクロックサイクルを速くする方法。
苫米地式速読法が主テーマですが、本書ではあまり詳しい説明や訓練法は書かれていません。
苫米地式速読法をマスターするための本ではなく、むしろ読書や速読のみならずものの見方・考え方・向き合い方全般について書かれた本だと割り切るべきでしょう。
確かに幅広く大いに示唆を与えられました。そういった意味では哲学書・思想書ともいえるでしょうか。
従来式の速読法では、あらかじめキーワードを設定したり、読みたいことを設定したりフォーカスしたりするので、自分の先入観を強化するだけで、盲点(スコトーマ)を強化するだけだ、と、「フォ○リーディング」や「フォー○○リーディング」の実名を挙げて批判されています。
しかしこれらの速読法が果たして本当にそういった類の速読かどうかは私は分かりません。
おそらくそれらの流派に属する方々は「うちの速読はそんなのじゃない」と反論されるでしょう。
それで、そういった速読より優れているという苫米地式速読法の極意とは、
「自我を消して読む」
「無意識で読む」
ということです。
つまり、自分が既に知っていて精神を安定させるために自分の望む本ばかり読んでスコトーマを強化させるのではなく、無の境地になって書かれていることを吸収すること。
ではその境地に至るにはどうすればいいか?
「量を読むしかないよ」としか答えることができません。
自動車の運転に慣れるのと同じだ、と説明されています。
確かに速読法のマスターも、自動車の運転と同じように実際に読んで慣れていくしかないのかもしれません。
(付録CDについて)
世界一わかりやすい「速読」の教科書
の付録CDと比較して述べてみます。
『速読の教科書』の付録CDは例文の3倍速、4倍速、10倍速が収録されている。
一方、本書の付録CDは1倍速と2倍速が収録されている。
「脳が2〜32倍速になる」
とうたっているのだから32倍速とまではいかないまでも、せめて通常の3倍速までは収録してほしかった。
まあ聴くだけの訓練ではなく、シャドゥイング訓練にも使うという目的の違いもあるのだろう。
それに1倍速といっても普通よりは早めであるし、なかなかいい声の女性が読まれていて聴きやすい。
例文も苫米地さんの旧著からのようで、有意義な例文である。
また、クロックサイクルが早くなる特殊脳機能音源がBGMとして入っているのが特徴。
効果のほどはよく分からないが、これなら毎日少しづつ聴くのが苦にならない。
こういったCDが毎月送られてくる教材があれば利用したいのに。
(さすがにシャドゥイングをやるのはしんどいが。
シャドゥイングは外国語学習CDで行おうか。)
そして速読法をマスターした暁には、それまでとは全く違う世界が開けているようで、驚くべき事実が書かれています。
曰く、月に50冊レベルの速読では役に立たず、300冊レベルでようやく認識のゲシュタルトのネットワークが組み込まれ、長期記憶が確立される。
曰く、1日3冊程度の読書なら全くの無駄で、1日10冊、毎月300冊の読書ができて、初めて速読の意味が生まれる。
これだけの速読を身につけて得られるものは何か?
これ見よがしにぺらぺら語ったり他人の議論に口を出したりするのは
「私もそれテレビで観ましたよ」
と言われるようなレベルで恥ずかしいことだ、
速読にアウトプットは必要ない、
ということです。
「どこからアウトプットされるのかといえば、その人の人格からアウトプットされるわけです。
じっさい、読書は人格をつくるためにするものです。」
「つまり人格が高い人というのは、抽象度の高い思考ができる人であり、その人格が高まってこそ、周囲の人はその人が重要な機能を果たしていると認識するということです。」
速読をマスターすると知識が増えるだけでなく、人格も高まってラポールが高まり、相手に影響力を与え、周囲の人から必要な人物となることができる!
何だか幸運を呼ぶグッズとかいった怪しげな通信販売のような、速読をマスターすれば全てがうまくいくといったような効能書きが並んでいますが……。
ここで「抽象化」「抽象度」というのがキーワードとなっています。
抽象度が高い思考ができると応用力ができ、大量の情報に対応でき、一を聞いて十を知ることができるということです。
「頭がいい」とはこのことでしょう。
このことについては本書や付録CDで詳しく説明されています。
なお、ここで思い出したのですが、以前私は船井幸雄さんにはまっていたことがありました。
船井さんも、大量の問題の答えは「単純化」にある、というようなことを書かれていました。
苫米地さんの「抽象化」と船井さんの「単純化」は共通点があるように思います。
苫米地ファンにしてみれば船井さんと一緒にされるのは嫌がるかもしれないし、どちらも嫌いな方から見れば、どちらも同じようなものだ、と思われるかもしれません。
意外と本人同士は“天才は天才を知る”で、お互い認め合うかもしれない。
(私はどちらも尊敬に値する方々だと思っております。)
とりあえず、格差社会は進行する一方であり、とどまるところを知らない。
資本家階級による無産階級からの搾取は近年苛烈さを増し、今後もひどくなることが予想される。
消費税率が上がればそれはもう決定的である。
無産階級が生き延びる唯一の手段は、能力の向上ではないだろうか。
速読法をマスターするのとしないのとでは、天と地との差が開いていく。
速読法をマスターしないのは、機会損失ではなかろうか。
かつてのビートたけしの健康番組のCMキャッチコピー風に言うと。
「まだ速読をマスターしていない?
大変なことになりますよ!!」
とはいえ、私はもう、中学生の頃に加古徳次さんがキム式速読術を紹介した頃から速読に挑戦し続け、失敗し続けている。
ついでに言えば、短眠術にも失敗し、早起きにも失敗し続けている。
そして人生にも失敗し続けている。
もう結果は出ている。私は既に失敗し続け、現に人生に失敗している。
もう既に“大変なこと”になっているのである。
今まで自己啓発系の本を読んでは何度も何度も何度もブログに書いてきたことだが、もう一度早寝早起きに挑戦し、もう一度速読に挑戦し、もう一度人生に挑戦するべきなのだろうか。
■[自己啓発]【ビジネス書検定】【クロックサイクルの速め方(苫米地英人)編】
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20110430/p1
■[自己啓発]10分間リーディング VS 苫米地式速読法
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20120110/p1
■[自己啓発]年収が10倍になる速読トレーニング
速読 VS 『イニシエーション・ラブ』
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20140227/p1
■[能力開発]「NLP速読術」とはテクニックでありプロセスではなかろうか
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20100210/p1
■[自己啓発]1分間速読法 不真面目直前一夜漬けメソッド
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130528/p1
■[自己啓発]日本における速読術草創期の歴史(個人史・トラウマ・ルサンチマン含む)
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20100920/p1
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