トレモレル伯爵の屋敷近くの河畔で伯爵夫人の惨殺死体が発見された。
伯爵の屋敷は荒らされ、伯爵は行方不明に。
オルシバル警察署長のプランタはパリ警視庁から、フランス警察始まって以来の名探偵と言われるルコックを呼び寄せる……。
地元警察のドミニ刑事が事件の初期捜査に当たり、鮮やかな手際と推理を見せる。
ルコックの出る幕もなく事件はあっさりと解決か、と思えばそうでもなく、ルコックが新たな事実を指摘する。
ドミニ刑事とルコックの捜査合戦が面白い。
そして本作には、パリ・モンマルトル街のアパートの3階にあるルコックの住居の描写があります。
ルコック事務所の扉。人物はプランタ署長と事務所の門番。
頑丈な入口に窓には鉄格子。
クローゼットにはあらゆる種類の服やかつら。化粧台には変装道具。
本棚にはたくさんの本が詰まっていて、その大部分が科学の本、特に薬剤と科学関係の本。
ベーカー街のS・ホームズの部屋は有名ですが、ホームズの先人であるルコックの部屋もまた興味深いものです。
ホームズには“ベーカー街遊撃隊”というファン組織があります。
ルコック探偵愛好者による“モンマルトル街遊撃隊”もあっていいように思います。
ルコック登場シーン
(書誌的事項)
【今回私が読んだ版は】
小学館少年少女世界の名作文学
22 フランス編4 山内義雄・編 1964年12月20日発行
●ルコック探偵
エミール・ガボリオ原作 梶竜雄(訳・文) 亀山博(絵)
http://nazede.gozaru.jp/meisakubungaku.html
1964(昭和39)年発行の、少年少女向け名作文学全集にルコック探偵ものを収録するとは、渋い。
一体どんないきさつで収録するすることになったのだろうか。
※その他の翻訳バージョン
『殺害事件』 丸亭素人 1890年(明23)
『大探偵』 水田南陽(南陽外史) 1891年(明24)
『河畔の悲劇』 田中早苗 1929年(昭4)
ルコック探偵 (1979年) (旺文社文庫)
世界推理小説大系〈第2〉E.ガボリオ (1964年)
■[名作文学]ルコック探偵尾行命令(ネタばれ注意!)
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20120106/p1
■[名作文学]世界推理小説大系第2巻 ガボリオ 永井郁・訳 東都書房
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20120131/p1
雨の国の王者
ガボリオー『河畔の悲劇』改造社(世界大衆文學全集廿六巻)
http://blog.goo.ne.jp/orangend/e/3c3a212399b88c5c0609fb14c166207f
屋根裏通信 ミステリの歴史
http://www.asahi-net.or.jp/~jb7y-mrst/HST/00.html
ミステリー・推理小説データベースTOP > 名探偵の誕生 > ルコック探偵
http://www.aga-search.com/40lecoq.html
http://www.aga-search.com/40-3lecoq.html
世界初の長編ミステリーを味わう
http://allabout.co.jp/gm/gc/210197/
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