怪盗ファントマシリーズは、フランスの人気シリーズで、42作も書き継がれ、何度も映画化されているといいます。
そのような名作シリーズが埋もれていたとは。
少年少女対象ながらこういった作品を収録したとは、何と素晴らしい名作全集でしょう。
小学館 ワイドカラー版 少年少女 世界の名作 第23巻 フランス編4 収録
怪盗ファントマ
スーベストル&アラン共著
佐々木善郎 訳
矢崎節夫 文
東 重雄 絵
http://nazede.gozaru.jp/meisaku.html
忘れられた知られざる名作探偵小説の発掘、掘り出し物かと思って期待して読み始めました。
同じシリーズの『ルコック探偵』が素晴らしかったので、その再来を期待していたわけです。
■[名作文学]ルコック探偵尾行命令(ネタばれ注意!)
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20120106/p1
物語では、怪盗ファントマが起こす3つの事件が描かれ、4人が犠牲になって殺されます。
つまり、怪盗ファントマは殺人を犯すのを何とも思っていないわけです。
そこら辺、殺人を嫌うアルセーヌ・ルパンや怪人二十面相と違う点です。
怪盗ファントマの敵役として、パリ警視庁のジューブ警部が登場。
役者と舞台は揃っているわけです。
どんなドラマが展開されるか……?
しかし爽快なものにはならず、少々重苦しいような。
最初の事件は、確かにトリックも素晴らしく、それを解明するジューブ警部も能力を発揮し、大活躍します。
しかし、少々中途半端。動機の解明がないまま尻切れトンボで終わった感。
犯人のファントマも、苦労して殺人を犯した割には、見返りはあったのでしょうか?さっさと退散してしまいます。
二番目の事件、これはまあ楽しめました。
ジューブ警部の活躍のおかげで、ファントマもついに逮捕され、裁判で死刑判決が下ります。
しかし、最後の事件がいけない。
ファントマ一味の工作によって身代わりが仕立て上げられ、身代わりが代わりに処刑され、ファントマは逃亡に成功。
死刑執行までの過程が細かく描かれています。
自分が身代りにされたような気持ちになってドキドキしながら読み進めます。
処刑を待つジューブ警部の描写も詳しくされています。
いつ悪だくみが判明するか、いつ助かるか、と思いながら読み進めます。
ところが、ついに事実は判明せず、無実の人が身代りになって処刑されてしまうわけです。
いくら何でも、子ども向け名作全集でこの結末はないでしょう。
私などは夜寝る前に読んでたのですが、心臓がドキドキしてしばらく寝られませんでした。
私が子どもの頃、アルセーヌ・ルパンや怪人二十面相の子ども向け全集というのが複数ありました。
ルパンや二十面相は、シャーロック・ホームズと並ぶ子ども達のヒーローでした。
しかし、残酷な殺人を平気で行う故に、子ども向け怪盗ファントマ全集というのはちょっと考えにくいものです。
ルパンや二十面相ものなら、身代わりを殺して脱走、とはあり得ない展開でしょう。
その辺りに、怪盗ファントマがルパンや怪人二十面相と並ぶ子ども達のヒーローとなり得なかった秘密があるのではないでしょうか。
大人になった私も、こんな調子で残酷な殺人を続ける物語なら読もうとは思わないですね。
仮面ライダーXのGOD悪人軍団に、カメレオンファントマという怪人が出てきます。
私はファントマの元ネタが分かりませんでしたが、ファントマとは何となく悪そうな語感なので、違和感なく受け入れていました。
今回怪盗ファントマを調べて、カメレオンファントマの元ネタが怪盗ファントマだとようやく分かりました。
また、アニメ「ルパン三世」でも、子孫とされるファントマ・マーク3が登場したそうです。
lupin3 @ ウィキ ファントマ・マーク3
http://www28.atwiki.jp/lupin3/pages/82.html
また、『ルコック探偵 (1979年) (旺文社文庫)』の解説で、訳者の松村喜男さんが、フランスでは
「ルパン、シェリ・ビビ、ファントマス」
などの系統の小説が栄えた、と書かれていました。
私は中学生の頃これを読んで、シェリ・ビビとかファントマスって面白そうな名前だけど知らないぞ、何だろうと思ったものです。
多分ここでいうファントマスが怪盗ファントマシリーズでしょう。
中学以来の謎がようやく分かりました。
それで、シェリ・ビビとは何でしょう?
怪盗ファントマシリーズは、1960年代に三部作の映画が作られていて、こちらはコミカルで面白そうです。これなら見たいですね。
ファントマ (ハヤカワ文庫 NV 110)
ファントマ対ジューヴ警部 (ハヤカワ文庫 NV 171)
ファントマの逆襲 (1978年) (ハヤカワ文庫―NV)
1960年代に発行されていたポプラ社の世界推理小説文庫(全20巻)にも収録されています。
これは少年少女向けシリーズなのでしょうか?
このシリーズ、面白そう。
怪盗ファントマ 謎の指紋 南 洋一郎/著
http://www.poplar.co.jp/shop/kensaku.php?seriescode=1690&one_word=%E4%B8%96%E7%95%8C%E6%8E%A8%E7%90%86%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E6%96%87%E5%BA%AB%EF%BC%88%E5%85%A8%EF%BC%92%EF%BC%90%E5%B7%BB%EF%BC%89
はてなキーワード > ファントマ
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A1%A5%F3%A5%C8%A5%DE?kid=216606
絶対に捕まらない変幻自在の不死身の怪人 ファントマ
http://www.aga-search.com/874fantomas.html
スリムじゃない生活
「怪盗ファントマ」
http://realize.txt-nifty.com/blog/2006/12/post_311f.html
フランスの切手「探偵小説のヒーローたち」
http://realize.txt-nifty.com/blog/2006/10/post_1bf5.html
GO!GO!嵐山 4
「怪盗ファントマ」を読んで
http://hurusatozyuku.seesaa.net/article/176352306.html
Café des ARTS
痛快!怪盗ファントマ
http://blogs.yahoo.co.jp/cafe_des_arts0917/41467028.html
気になる「怪盗ファントマ」
http://cafeoikimuchi.blog57.fc2.com/blog-entry-70.html
パリが生んだ伝説の怪盗『ファントマ』三部作一挙上映
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/release/2006/08/358/
流浪の民の囁き
決して正体を明かさない怪盗「ファントマ」
http://ameblo.jp/django0116/entry-10075256614.html
昭和30年代生まれに贈るオンラインマガジンEMIT
タツノコ『三悪志』第7回 怪盗きらめきマン♪フララン ランデブー
http://www.emitefil.com/neko/tmbkn08.html
石川誠壱の「こちら熟女捜索隊」
食べるトンカツ弁当じゃございませんよ
http://plaza.rakuten.co.jp/ishikawasei1/diary/200809140000/
はまりはまった蟻地獄〜私はこれでミステリファンになりました〜
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