OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

軍事訓練のリアルな現実

 「格差突破力」をつける方法―勉強法から人生戦略まで (新書y)

    
「格差突破力」をつける方法―勉強法から人生戦略まで (新書y)』について紹介しています。
 今回で5回目となります。
       
■[日々の哲学]16日の総選挙を予見!?5年前に書かれた本
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20121208/p1
■[自己啓発]人的ネットワークと二拠点主義
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20121209/p1
■[自己啓発]5年間の時代の流れを的確に的中させていた!驚きの自己啓発
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20121210/p1
■[自己啓発]お坊ちゃま系と苦労人系
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20121211/p1     
の続きとなります。
   
第二章 脳に「良質の情報」を流通させる

  
中山さんは、お坊ちゃまの観念論、抽象論がいかに恐ろしいものか、と批判します。
戦争を知らないお坊ちゃまは口先で簡単に
「銃を持って戦う」
と言うが、これがどんなに大変なことか。
いくら口先で「銃を持って戦う」と言っていても、定期的な軍事訓練をしないと戦争には勝てないといいます。

 本気で戦争に勝つためには、死者が出るのが当たり前の厳しい軍事訓練を長期間行なう必要がある。爆弾作りは、はじめは模型を使って訓練します。それでも、実際に作るとなると、誤って自分の手を吹き飛ばす人が出てくる。戦闘訓練中に誤って戦車にひかれて死ぬ。ヘリが墜落して死ぬ、など当たり前なのです。過労とストレスで死ぬ人もいます。

これは当然のことですね。
思えば、戦争は生きるか死ぬかの殺し合いです。勝つためには訓練が必要です。
例えば高校野球を思い出せばいいかもしれません。
高校の野球部の連中は朝から晩まで厳しい練習をしていました。それでも、都道府県代表になるのは並大抵のことではなく、さらに全国大会で勝ち、優勝するのは狭き門です。
素人の野球愛好家のレベルなど遥かに超えたレベルの問題でしょう。
戦争は命のやりとりなのだから、負けても死ぬわけではない野球どころではありません。
軍事訓練は高校野球部のしごき練習を超えた激しいものになるでしょう。
私も運動は苦手だから、軍事訓練中に間違って負傷したり事故死してしまうかも知れませんし、過労とストレスで死ぬかもしれません。
自衛隊体験入隊や徴兵制を遠足気分で想像している人がいれば、考え直すべきでしょう。

 また、軍事訓練はいじめやリンチと区別がつかないものも多いのです。だから、イギリスの精鋭部隊でリンチに等しい行為が訓練と称して行われていた、などという事実がときどき明るみに出ることがある。
学校で自分がいじめにあったことを思い出してください。学校のいじめなどとは比べものにならない厳しいリンチが訓練と称して日常的に行われているのが軍隊なのです。実際、徴兵制の敷かれた韓国軍でいじめにキレた新兵が上官を射殺した、などという事件がときどき起きる。同じく徴兵制のロシア軍では、若者の六割近くが徴兵逃れをしています。新兵いじめがすさまじく自殺者が後を絶たないからです。

軍隊生活は清く正しく美しく楽しいところ、などと頭の中がお花畑の人はいないでしょうか。
大東亜戦争中の軍隊でもいじめやリンチがひどかった、という話は、少し真面目に戦争体験談を調べれば分かることです。
戦争肯定史観で書かれた文書や戦争ごっこのアニメのようなジャンク情報ばかり取り入れると、こういったことは分からない。
現代でも、自衛隊でいじめがあって裁判になったりすることも時々起きています。

「自分は戦う」などという前に、いじめやリンチをしのぐ過酷な軍事訓練に自分が耐えられるのかどうかを考えてみてください。ちょっとした不快にさえ耐えられない現代の日本人は、通常の軍事訓練からでさえ遁走するでしょう。
口先だけ勇ましいことをいっている天皇愛国派文化人の経歴を見ると、軍隊では格好のいじめのターゲットになりそうな人ばかりなのが面白い。いざというとき、彼らを真っ先に二等兵として徴兵すべきです。鬼軍曹にしごいてもらえば、彼らの能書きの「化けの皮」がすぐはがれるでしょう。

これは面白い記述です。
例えば、石原慎太郎などはどうでしょう。
金持ちのボンボンで、戦争中もヨットで遊んでいたというどら息子です。
偉そうな態度で生意気な口先だけの男です。
こいつが軍隊に入るとどうなるか見たいものです。
石原や安倍晋三に限らず徴兵制導入などと言う連中は、自分は安全圏にいて命令だけするつもりなんでしょう。決して自分が兵士となってしごかれる事態を想定していない。
  
秋葉原ネトウヨなオタク達が軍国コスプレ大会で盛り上がったそうですが、彼らはリアルな軍事訓練についてどこまで知っているのでしょうか。
戦争アニメのイメージで想像しているのでしょうか。
   
 秋葉原自民党支持者が暴走!
   http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/257.html

    
今後、徴兵制について考える機会があれば、上に紹介したような、軍事訓練の現実についてリアルに想像した上で考えるようにお願いします。
        
おおっと、脱線が続きましたが、元来本書は自己啓発書であり、世相批評を主としたものではありません。
しかし、5年前に本書で指摘されていた傾向が5年後の今、あまりにも現実化しているので、つい長々と紹介してしまいました。
  
本章は 第二章 脳に「良質の情報」を流通させる ということで、良質の情報について解説している章でした。
それで、専門家は専門バカ故の弱点があるので、各方面の専門家の意見を検討して、最後は素人である自分が総合的に判断しなければならないとか、今後の格差社会で生き延びていくためには英語力は必要だとか、優れた芸術はインスピレーションを高めるとか、付け足し程度にサラリと書かれています。
普通の自己啓発書ならそういった記述中心になるところでしょうが、本書は予言的部分というか、時代の流れに関する解説の部分が多くなっています。
アマゾンのカスタマーレビューでの評価があまり高くないのは、それも影響しているのでは?
しかし、発行5年後に読んでみると、本書で危惧されていた予想が現実に実現していることが分かります。
そういった未来予測の書として読んでみるのも面白いことだと思います。

『「格差突破力」をつける方法』不定期連載読書感想文(全6回)
        
■[日々の哲学]16日の総選挙を予見!?5年前に書かれた本
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20121208/p1
■[自己啓発]人的ネットワークと二拠点主義
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20121209/p1
■[自己啓発]5年間の時代の流れを的確に的中させていた!驚きの自己啓発
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20121210/p1
■[自己啓発]お坊ちゃま系と苦労人系
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20121211/p1
■[自己啓発]軍事訓練のリアルな現実
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20121212/p1
■[自己啓発]ハケン国家の時代を生き抜く方法
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130107/p1

     
とんの読書ブログ
『「格差突破力」をつける方法』中山治
  http://blog.livedoor.jp/ton20071208/archives/728824.html
   
フォトリーディングで1000冊読破
 0503 「格差突破力」をつける方法―勉強法から人生戦略まで
  http://books.mari.chips.jp/?eid=694117

          
wikipedia:中山治



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