日本の戦国時代における中国地方の“三国志”を描いたNHK大河ドラマ『毛利元就』。
今年のNHK大河ドラマは『毛利元就』だ!
大内・尼子の脅威に対抗して成立した“安芸国人領主連合”。
いわば“第三極連合”であります。
当然、大内も尼子も面白くない。この連合の結束力如何程か、とちょっかいをかけてきます。まさしく“三国志”状態であります。
今回、この三つの勢力の緊張関係とそれに続く合戦をビシッと描いた名作であります。
ストーリーが面白いのは言うまでもありませんが、会話やナレーションも重厚で、名言・名フレーズが目白押し。
尼子経久(緒形拳)が状況を将棋の駒に例えて話すのが意味深。
桂広澄(草刈正雄)が渡辺勝(榎木孝明)に接近、尼子閥への加入を誘う、渋いおじさんの緊張感漂う嵐の夜の2ショット場面も名シーンです。
「尼子経久という男は鬼じゃ」
「渡辺どの。おぬしほどの男なら自らも鬼となって存分に戦い、存分に死にたいと思わんか」
「そなたも鬼じゃ」
「面白き戦になりそうじゃ。
勝のいくさぶり、存分にお見せいたそう」
と見開く眼は、四白眼です。
硬軟両方に見所が多い『毛利元就』ですが、今回は硬の部分である外交・政略・合戦のシーンがふんだんに見られます。
時間的には少なかった軟の場面では、杉の方(松坂慶子)と久(松金よね子)のお笑いシーンがいつもより多くてテンション高め。それが元就の行動にヒントを与えるという、一休さん的展開も。
(以下、個人的覚え書きメモ。ネタ晴らし注意!)
安芸国人領主連合を脅威に感じた大内義興(細川俊之)が動く!
ナ「その勢力拡大を抑えるために 一人の武将を派遣することにしました。」
義興は、武田元繁(宍戸開)を鎮圧に向かわせる。
ナ「しかし、この武田元繁こそ、尼子経久と恐ろしい盟約を結んでいたのです。」
(第4話 参照 http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130130/p1)
まず毛利をやる!尼子に連絡せよ!と張り切る武田。
ナ「義興は、最も危険な人物を帰国させてしまったのです。」
一方、尼子経久は、飛車・角ともいえる参謀宇山久兼(磯部勉)・亀井秀綱(河原さぶ)を相手に余裕の将棋。
同盟の国人衆を「歩」に例え、
「この歩が金に変わるかどうか見極めることが肝要」
「確かめさせるか、この、飛車の武田に」
尼子家の会話はいつもながら意味深。
帰国した武田元繁はまず大内氏の城を攻略。
激怒した大内義興は毛利家に武田氏討伐の命令を発する。
「盟約の結束の強さが分かる。
裏切りし者ども互いに戦い、共に滅びるがよい」
毛利家では毎度の喧々諤々の会議が開かれる。
元就(中村橋之助)が、吉川家が武田家に奪われた城を共に攻めるという名目で吉川家を合力に引き入れる策を提案。興元(渡部篤郎)がその策を採用する。
元就の死ぬ気での説得に吉川が折れ、吉川も参戦。
渡辺勝の見事な名采配もあり、尼子勢が動く前に武田方の城は落城、武田は兵を引き、尼子経久は出陣を取りやめる。
「戦はやめた。」
「歩が金になりおったか。」
「飛車が王将には刃向ったとなればそれは裏切りだ。
されど王将が飛車を手放したというのは、それは一つの戦術のうち。」
大内家の飛車・角も格の違いが描かれていますが、尼子家も宇山久兼 (磯部勉)が亀井秀綱(河原さぶ)より一歩抜きん出ている描写がされています。
まあこれくらい差がある方が派閥抗争にならなくて良いのでは?
しかし武田元繁も尼子経久に見捨てられ、いい面の皮です。
ウィキペディアでは、「中国の項羽とも並ぶ武勇の持ち主と恐れられたという」という記述がありますが、このドラマでは見事なやられ役であります。
しかし戦略的には、帰国後真っ先に大内方の城を落とすというのはどうなんでしょうか。
先に毛利を倒して地盤を安泰にしてから大内に反逆するというのが筋というものでしょう。
また、尼子経久の奥方・萩の方(高畑淳子)は吉川家の出ということで、尼子家と吉川家の間の問題もありそうですが、今回の戦ではスルーされていました。
毛利氏が武田氏を破ったことに喜んだ大内義興が陶興房(夏八木勲)をつかわす。
「陶興房殿がお着きにございます」
と、近習・木村(小日向文世)が知らせます。
小日向文世さん、今までの登場は遠景でほとんど顔が分かりませんでしたが、今回初めて、顔が分かる形での登場です。まだお若いですねえ。
「大内の時代は終わった。尼子経久、まことに鬼じゃ。」
「経久どのは面白うござる。それがし、手を、組む。」
と、尼子派に加入する渡辺。
確かに私は大内派の井上元兼(片岡鶴太郎)よりは尼子派の桂や渡辺の方が好きですが、この判断はどうでしょうか?
今回のドラマを見て、大内義興方につくか尼子経久方につくか究極の判断を迫られるとするならば、大内の方がまだましな気がします。
尼子に着いても、武田元繁のように将棋の駒のようにあっさりと切り捨てられそうで。
大内義興の方がまだ心が広いような気がするのですが。
相合の方(松原千明)の娘・松姫(梓真悠子)が吉川元経(ダンカン)に輿入れ。
この輿入れがもっと早くて毛利と吉川の縁があれば、吉川ももっと早く参戦していた?
松姫の兄・月夜丸(西島秀俊)も元服して相合元綱を名乗り、桂広澄にとって頼もしい武将に成長していた。
桂・渡辺の尼子派勢力拡大か?
「幸松丸、あれが毛利の星じゃ」
と息子に星を見せる興元。
その後、縁側で座って眠るように亡くなっていたのでした。
24歳、酒の害。
父・弘元(西郷輝彦)も星を見た後で亡くなったのでした。
(第2話参照 http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130118/p1 )
なお、渡部篤郎は2001年の大河ドラマ『北条時宗』で時宗(和泉元彌)の異母兄・北条時輔を演じ、第29回のサブタイトルが「さらば兄上」です。
wikipedia:北条時宗 (NHK大河ドラマ)
wikipedia:安芸国人一揆
wikipedia:武田元繁
↑見逃していた・忘れていた重要なシーンを再確認しよう!
名作を見直すことは大切だ。
毛利元就97 過去ログ
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/archive?word=%2A%5B%CC%D3%CD%F8%B8%B5%BD%A297%5D
■[毛利元就97]NHK大河ドラマ『毛利元就』検定〜〜〜〜〜〜!
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130119/p1
夜盗虫の朝寝坊
■[録画鑑賞][『毛利元就』]#09「さらば兄上」
http://d.hatena.ne.jp/yotomusi/20051001/p3
wikipedia:毛利元就 (NHK大河ドラマ)
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