日本の戦国時代における中国地方の“三国志”を描いたNHK大河ドラマ『毛利元就』。
今年のNHK大河ドラマは『毛利元就』だ!
毛利家は興元(渡部篤郎)の死により、まだ幼いその息子・幸松丸(伊達力哉)が当主となり、元就(中村橋之助)らがフォローしていく体制となった。
そこに、前回苦杯をなめた武田元繁(宍戸開)が兵力を立て直し、圧倒的兵力を持って襲ってくる。
大内義興(細川俊之)ですら、「毛利も終いか」とさじを投げる絶体絶命の状況!
このピンチをどう切り抜けるか、今回は合戦に至る過程から合戦まで、たっぷりと描かれた見ごたえある回でした。
(以下、個人的覚え書きメモ。ネタ晴らし注意!)
元就が幼い当主・幸松丸の後見人となる。
井上元兼(片岡鶴太郎)が、初陣も済ませていないのに頼りないとか何とかごねる。
雪の方(一路真輝)が
「それゆえ、何卒力を合わせて下さるよう。」
相合元綱(西島秀俊)に対し
「元就殿が殿の右腕ならば、そなたは左腕じゃ」
と説得。
その夜、元綱は桂広澄(草刈正雄)に
「元綱は誠心誠意、幸松丸どのの左腕となって働く所存でござる」
「むろん元就どのとも力を合わせる。
されど兄だからと言って遠慮はせん。
庶子とはいえ、毛利本家の血を引く元綱にござります。
毛利家のためにはいかに言いにくいことでも進言するつもりじゃ」
と殊勝な心境を宣言。
一方、武田元繁(宍戸開)の下へは安芸の国人衆達が参加し、兵力は5500に膨れ上がっていた。
前回、毛利・吉川連合軍に敗北し、尼子家にも見捨てられた落ち目の武田家に味方するとは、どういうことなのだろうか。それほど甘味があるのだろうか。
余程人格者で慕われているというのならあり得ますが、今回のキャラ設定では、血気にはやる猪武者という設定で、それほど人望があるようには描かれていません。
果たして、大内家や安芸国人領主連合ではなくあえて武田家に与する意義とは?
ちなみに、武田家に味方した国人領主として、
熊谷元直(石田登星)
香川行景(俵一)
がテロップ表示されていました。
武田軍は有田城を包囲し、毛利領に向かって進軍。
兵力で5500 VS 1500の戦いで、毛利家絶体絶命の危機。
井上元兼(片岡鶴太郎)は大内家に援軍を乞う早馬を飛ばすが、
「毛利の援軍どころではない」
「毛利も終いか」
武田軍の動きが急過ぎて、安芸国人領主連合も援軍を出す暇がないという設定。
やはり国人領主連合も肝心な時には当てにならないなあ。
尼子派の家臣、桂・渡辺・相合元綱も動きが取れず。
毛利家家臣一同が深刻に会議をしている中、雪の方(一路真輝)の膝に座った幸松丸(伊達力哉)の表情が無邪気。
夜、武田の先発隊が城下に侵入、火を放つ。
渡辺勝(榎木孝明)は「1600の兵を150の兵で迎え撃つ」と言って出陣、見事追い払う。
しかしナレーションでは「わずか4分の1の手勢で追い払いました」
計算が合わない?
兵士達と弓の訓練をする渡辺勝。ここに元就が通りかかり、
「元就が武田をおびき出す」
「あり得ません」
と問答。
このシーンが後の勝利の伏線。
翌日、吉川の援軍を合わせた毛利軍1500は武田軍4800に挑む。
長い槍で突き合い。これは痛そう。実際に戦う者の身になってみるとたまらんな。
武田陣では、配下の将が元繁に「一陣は毛利の背後を狙うが得策」と進言するも、
「かような手間はいらぬ。一挙に表から叩き潰せばよいわ」
毛利陣では、渡辺が
「今に後ろから攻めてくる。さすればおしまいじゃ」
総攻撃をかける毛利軍に先陣切って応戦する熊谷元直。
崩れた毛利軍を深追いする熊谷だが、それは作戦であった。
熊谷が討ち取られ、激怒した武田元繁は諸将の制止を振り切り、飛び出す。
元就がおとりになり、元繁を挑発。元就が投げた槍が元繁の目前に刺さる。(この演出はいい)
短気な元繁が制止を振り切って飛び出し、渡辺の弓隊の餌食となる。
この有田城の戦いは“西国の桶狭間”とも言われているとか。
智将・元就の初陣ということですが、相手が猪武者だったからこそ。
それにしても、バカ殿に従う者も大変ですな。
wikipedia:有田中井手の戦い
wikipedia:武田元繁
郡山城に戻った一同。
「こたびの戦は、元就殿の手柄にござる」
「敵の心の隙を突く戦術。元就殿、実に見事でござりましたぞ」
「それがしには到底、あのような人の心の動きは読めませぬ」
と、渡辺と志道広良(中村梅雀)が盛り上げ、福原広俊(笹野高史)も呼応するが、他の家臣は苦い顔で無言。
元就は
「武田元繁は流れ矢に当たったことにしてもらいとうござる」
と言ってさっさと猿掛城に帰る。
「あれほどの手柄じゃ。素直に喜べばかわいいものを」
「あそこまで言われると嫌味としか言いようがない」
と早速、井上や桂が嫌味を言い出す。
「いや、あれでなかなか賢い。早くも人の心を読んでおる」
と志道が弁護。
「やはり見事な孫じゃ」
とどこまでも親(爺)バカの福原。
ナ「腹に一物の家臣らは面倒な武将が表れたと思っていました」
腹に一物組は井上、桂、それに相合元綱でしょうか。
元綱は苦い顔で終始うつむいて無言。
異母兄の活躍に複雑な思いなのは分かります。
しかし、この反応は余りにも内心を表し過ぎていて単純すぎます。
むしろ、腹の中を隠して面従腹背、
「さすが兄上でござる。感服仕りました。一生兄上に従っていきとうござります」
と、志道や渡辺に続いて言っていれば、扱いにくい難敵ライバル、という価値を上げることになっていたのではないでしょうか。
それに、井上や桂の発言も、ドラマならではのデフォルメされたものであって、普通なら腹の内を隠して元就を誉めまくるところです。
敵意を発言するのはある意味分かりやすいことであって、面従腹背こそが一番厄介な抵抗の方法ではないでしょうか。
このように、内面を分かりやすくセリフや態度に表したことが、このドラマを分かりやすくしているのではないでしょうか。
武田討たれる!との宇山久兼 (磯部勉)の報告に尼子経久(緒形拳)は、
「何が流れ矢なものか。あのこわっぱ!」
「そうか、こわ弓を引ける男になったか。
わしは動く。 動くぞ」
中国地方三国鼎立に向け、毛利家が一歩進んだ。
早速動き出す尼子家。
いよいよ中国地方三国志の始まりですな。
wikipedia:安芸国人一揆
↑見逃していた・忘れていた重要なシーンを再確認しよう!
名作を見直すことは大切だ。
毛利元就97 過去ログ
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/archive?word=%2A%5B%CC%D3%CD%F8%B8%B5%BD%A297%5D
■[毛利元就97]NHK大河ドラマ『毛利元就』検定〜〜〜〜〜〜!
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130119/p1
夜盗虫の朝寝坊
■[録画鑑賞][『毛利元就』]#10「初陣の奇跡」
http://d.hatena.ne.jp/yotomusi/20051001/p4
wikipedia:毛利元就 (NHK大河ドラマ)
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