ALWAYS 三丁目の夕日'64　ビルドゥングスロマン

　　　　　
　　
　たまった録画テープを整理しようと思って、何が入っているか調べると、『三丁目の夕日'64』が入っていました。
　昨年年末頃にTVで放送されたのを録画して、そのまま忘れて放置していたようです。
　というわけで、見てみました。
　率直に楽しめる娯楽大作、というところでしょうか。
　こういう趣向の作品、好きです。
　　　　　
　本作品では古行淳之介（須賀健太）も鈴木一平（小清水一揮）も高校生になっています。役者さんはパート１から同じ方ですか？大きくなりましたね。パート1では原作より前の年代設定でしたが、本作では原作の年代設定を越えています。アニメではなく実写映画の宿命で、役者さんは成長していくのであります。
　それで一平君はバンドを組んでギターを弾いています。確かにあの原作の一平君が高校生になればこうなりそうですね。但し、腕前はいまいちのようです。
　原作の一平君は器用なので、意外とギターも上手く弾きこなしそうですが。
　　　　　　
　星野六子（堀北真希）があこがれる医師・菊池孝太郎（森山未來）。
　無料診療をやっているとかで、病院では悪い噂が流れています。
　この無料診療とは一体何か？
　　
【無料低額診療制度とは - コトバンク】
　　http://kotobank.jp/word/%E7%84%A1%E6%96%99%E4%BD%8E%E9%A1%8D%E8%A8%BA%E7%99%82%E5%88%B6%E5%BA%A6
　　
大阪府　無料低額診療事業のごあんない
　　http://www.pref.osaka.jp/houjin/muryoteigaku/
　　
　どうやら1951年に導入された公的な制度のようです。
　だから法的に違反しているわけではないのですが、何で菊池先生は悪い噂を流されるのでしょうか。
　いくら何でも病院内での菊池先生のあの言われようはひどすぎます。ドラマ的な都合のいい演出ではないでしょうか。
　ここら辺の背景、詳しく説明してほしいですね。
　　　
　六ちゃんが菊池先生を尾行して行って騙されたのですが、菊池先生が向かった先は風俗街のような場所。
　無料診療は患者さんが病院に来るのではないですか？往診するのでしょうか？
　それに確かに風俗で働いている方には借金があることもあるでしょうが、経営者は儲けているのではないでしょうか？
　経営者は店員に無料診療を受けさせるのではなく、お金を払って正式な医療や健診を受けさせるべきです。これではブラック企業だよ。
　　　
　開催中の東京オリンピックで、サッカーしか切符が取れなかった、という会話がありました。
　東京オリンピックではサッカーもあったのですか。
　　　
　　wikipedia:東京オリンピックにおけるサッカー競技
　　　
　茶川竜之介（吉岡秀隆）は『冒険少年ブック』に「銀河少年ミノル」を連載中。
　マンガの需要が増え、編集部ではマンガ中心にしようという声が多数だが、富岡（大森南朋）は、雑誌には活字の読み物が必要、というポリシーなのですが……。
　こんな風に少年少女向け雑誌はマンガ中心になっていったんですね。
　　　　　　　
　茶川林太郎（米倉斉加年）は、死ぬまで勘当の演技を続けました。
　最後の病床でまで演技を続ける必要なかったのに。病床で和解するという選択はなかったのでしょうか。
　　
　古行淳之介は、作家になるか、東大入学か、の選択を迫られます。
　映画ではどちらか二つに一つ、という風に描かれていましたが、どちらも目指していいんじゃないでしょうか。
　東大出の作家は沢山います。夏目漱石も森鴎外も東大出です。
　森鴎外なんか医学部出身で、軍医であり陸軍でも相当の地位でした。
　戦前の探偵小説でも、東大出身の医学士探偵作家が沢山います。
　それに何より、茶川竜之介も東大出の作家という設定です。
　だから淳之介は、いきなり作家になるよりも、まず東大に入ることを目指したら良かったのに。
　　　
　そして茶川さんは富岡さんに頼んで、芝居をうちます。
　私はこんな芝居がかった演出は嫌いです。
　嫌いということは、こういう雰囲気には弱い、ということです。
　私ならこんな場面になると萎縮してしまって、本心の行動や発言が取れないと思います。
　私としては、理性的に話し合う方が合っています。
　まあ映画的には、こんなドラマチックな演出の方が見栄えがするのでしょうね。
　　　
　六ちゃんの結婚式には、田舎のご両親は出席されたのでしょうか？
　　　
　レトロな床屋さんの画像を収集している私としては、鈴木オートの近所の床屋さんが気になりました。
　　
　【レトロな床屋さん】
　　　　http://sakai.areablog.jp/keyword/keyword_post_list.asp?ki_idx=10045726
　　　　
　さて、今回も一件落着でしたが、その後の進展はどうなっていくのでしょうか？
　茶川さんは復活を遂げたのでしょうか？
　淳之介のその後の活躍は？
　茶川夫妻の娘さんの結婚問題は？
　鈴木オートの後継者問題は？
　そしてその後のバブル、リーマンショック、TPP、消費税増税の時代を生き延びていけるのでしょうか？
　　
　こうなったらビルドゥングスロマンとして、今後も世代を引き継いで続いていってほしいですね。　　　　　　
■[憲法]“三丁目の夕日症候群”よりも悪質なもの
　　http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130616/p1
……に、続きます。
　　　　
　　　　
　　　　　
　　　　
　　　　　
公式サイト　http://www.always3.jp/
　　
　wikipedia:三丁目の夕日
　 wikipedia:ALWAYS 三丁目の夕日
　 wikipedia:ALWAYS 続・三丁目の夕日
　 wikipedia:ALWAYS 三丁目の夕日'64
　　　　　　　
超映画批評　『ALWAYS　三丁目の夕日'64』70点
　　http://movie.maeda-y.com/movie/01634.htm　　　
映画のブログ
　『ALWAYS　三丁目の夕日'64』に泣くのは恥ずかしくない
　　http://movieandtv.blog85.fc2.com/blog-entry-296.html
オールマイティにコメンテート
「ALWAYS 三丁目の夕日'64」六ちゃんの結婚と淳之介の別れの先にみた三丁目の絆の世代継承
　　http://blog.livedoor.jp/pro_g_mania21/archives/52520233.html
　　　　　
■[日々の冒険]ALWAYS 続・三丁目の夕日　古行淳之介の選択
　　http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20100403/p1
■[ありゃま紀行]昭和３０年代のレトロ家電はカンブリア爆発か！？
　　http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130115/p1　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　