英語脳を育てるCDブック テラの島
「はじめて英語を学ぶ子どもをもつ
お父さん・お母さんへ!
脳と心に響く森田メソッド♪
バイリンガルストーリーが語感を養う」(帯より)
「はじめて英語を学ぶ子どもたちにふさわしい画期的なメソッド!
脳の働きに即して、日本語と英語の物語を用い、楽しく自然に身につきます。」(表紙折り返しより)
TOEIC受験を決意して対策をしてきましたが、続けることができなくなってギブアップしました。
特に、リスニングに全く歯が立ちません。
このまま続けても無意味だと悟り、楽しみながらゆっくりやっていくことに方針を変えました。
そこで手に取ったのが本書。
お子様向けの英語絵本、という性格付けがされています。
確かに易しい英文ですが、知識がない子が初めて本書で勉強するには少々難しいような。
中学卒業程度の英語力を持つ子が読めば自信がつくのではないでしょうか。
私のようにTOEIC対策で自信をなくした大人が読むにもいい読本です。
大人が読んでもなかなか深く味わい深いストーリーなので、内容について親子で話し合うのも良いかと。
(あらすじ)
語り手の少年が浜辺で気がつきます。
自分が何者で、どこから来たのか、全く思い出せません。
そこにテラという少女が現れ、森の中でおじいさんに会え、と教えてくれます。
少年は記憶を取り戻すために、島の冒険を始めます。
夢の中のような、というか、幻想的、というか、子どもの頃読んだ童話絵本のような世界の冒険で、懐かしいような感じに浸れました。
それにこの島、自然豊かで住みやすそうないい島ではありませんか。
少年は最後にボートで島を出て救出されます。
I'm eager to go home.
I would like to go back to my country.
しかし逃避的な私なら、過去を思い出したら、余計に戻りたくなくなるかもしれません。戻らずにこのままこの島で住んでいたい、と思うでしょう。
I'm eager to live this island forever.
I would like to live this island forever.
もし市長のビーグルさんにそんなお願いをしたらどうなっていたでしょうか。
やがて島に嵐がやって来て津波で流されてしまうんでしょうか?
それで、島から出発するボートに少年が乗るのは分かるのですが、表紙絵に描かれているように、なぜか少年が島で出会った住人達も一緒に乗り込んで来ます。
島の住人でない少年が出て行くのは分かるのですが、なぜ島で平和に暮らしている住人達も一緒に出て行くのでしょうか?
この辺、重要なことかもしれません。
島の住人達は、少年が冒険で学んだことの象徴かもしれませんね。
絵づらで見ても、たった一人で海に乗り出すよりも、大勢で一緒に乗り出す方が心強いし楽しそうです。
さらに、テラは何を表しているのでしょうか?
アニマ(男性の中の女性像)なんでしょうか?
シャドー(影)が出てきたら嫌味になっていたでしょう。
或いは、将来家族を作って助け合うことになる配偶者を象徴しているのでしょうか?
子孫を見守るご先祖様が登場していたらおじいちゃんおばあちゃんキャラになっていた?
物語としては、少年と少女の2人のカップルが出てきて、子どもとしては親しみやすい設定です。
ページ見開きで一つの絵になっていて、なかなか格調高い芸術的なデザインとなっています。
ただ、色使いにもう少し工夫がほしいところ。
左の和文ページが白地に水色の活字、右の英文ページが、それとネガポジ反転したような、水色に白の活字となっています。
幻想的な雰囲気が出てデザイン的には優れているのですが、読むとなると、目がチカチカしてきて少々読みにくい。ここら辺、もう少し注意を払ってほしかったですね。
挿絵で注意するべき点として、主人公の顔が描かれていない点もポイントでしょうか?
表紙を始め、テラについては、顔は描かれているのですが、主人公の語り手の少年の顔については、最初から最後まで、正面から見た顔は描かれていません。全て、後ろから見た構図です。
この描き方、面白いですね。一体どういった意図でこうなったのでしょうか?
自分が主人公になって見た視点に近い構図、ということなのでしょうか?
そういえば語り手の少年は、名前も出ていませんね。
さて、少年が家に帰りたいとお願いした時、ビーグル市長が条件として言いました。
"Never tell anybody about this island."
それでは、なぜ、本書によってこの島について明らかになっているのでしょうか?
(((((( ;゜Д゜)))))ガクガクブルブル
英語の勉強をするには、色々な方法があると思います。
読書が好きというタイプの人には、楽しい物語を読むという方法もいいと思いました。CDやDVDがついていると尚良いですね。
そういった意味で、本書のような英語学習書がもっと出てもいいと思います。
英語脳を育てるCDブック テラの島
http://booklog.jp/item/1/4092271174
http://book.akahoshitakuya.com/b/4092271174
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