OLDIES 三丁目のブログ

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脱原発は“天火同人”の精神で

 超訳・易経  角川SSC新書  自分らしく生きるためのヒント 超訳・易経 角川SSC新書 自分らしく生きるためのヒント


超訳易経』を読んで易の思想や原発問題について4回に渡って考えてきました。
   
■[日々の哲学]超訳易経 天雷无妄から考える
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130718/p1
■[日々の哲学]易経で考える原発問題
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130719/p1
■[日々の哲学]吉凶悔吝プロセスと原発問題
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130805/p1
■[日々の哲学]「君子」「小人」と原発問題
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130808/p1

    
 一応今回でひとまず区切りとなります。

 易経には全部で8×8の六十四の卦があります。
 本書では、その中から一部の卦を取り出して解説されています。
 竹村師の解説は非常に分かりやすいので、全ての卦・全ての爻の解説を読みたいと思います。
 旧著も購読しようと思います。
 
 それで、本書で解説されている卦の中に、「天火同人」があるのですが、これこそ、脱原発運動に必要な精神ではないかと思うのです。
  
「天火同人は、社会の下層の、力の弱い大衆から発した力が結集して上を動かし、大きく世の中を動かす。」

「公平無私を心がけて進めば、その志は成し遂げられる。協力すべきときはその志を見分け、それぞれの役割分担をはっきりさせることも大切である。」

「その志というのは誰かの損得にかかわるものではなく、いま世の中が望んでいること、社会の役に立つことです。とても難しいと思われる計画でも勇気をもって実行していけば、不可能をも可能にすると教えています。」
   
 その“天火同人”ですが、爻によって6種類あります。
 大勢の人が集まると、色々な人がいるものです。
 易経では、6種類に分類しています。
 6種類全てがうまくいくようではないようで、吉もあれば凶もあるというわけです。
 自分を分類するとどこに入るか考えてみるのも面白いかと。
  
易占い★六十四卦★卦爻辞★天火同人(てんかどうじん)
  http://space.geocities.jp/suimeiroom/ekika13.html
易経ネット 天火同人
  http://www.ekikyo.net/64ka/13.html   
13.天火同人(てんかどうじん)一致団結して進む時
  http://www5.ocn.ne.jp/~keisho/64/k13.html 
    
 私が乱暴にまとめると、以下のようになるのでしょうか?
  
★初爻★
 広く交際を持って行動する。
★二爻★
 気の合った者同士集まって気に入らない者を裏切り者扱いする。
 派閥争いをする。
★三爻★
 乱暴者。はかりごとで他人を陥れようとする。
★四爻★
 行動を起こすが実力が今一つ伴わず。引き返せば吉。
★五爻★
 正当なリーダー。初めは苦戦するが苦闘の末仲間を集めて勝利することができる。
★上爻★
 主戦場から離れた所で少人数で集まっている。
  
 初爻で表される人たちが目覚めた一般庶民でしょう。
 こういった方々が集まって行動することが大きな力になっていくのです。
  
 二爻で表されるのは、身内で固まって派閥争いに明け暮れるタイプです。
“天火同人”の本来の意味から少し離れますね。
 一応、この二爻は五爻と応じているので正統的な存在です。
 しかし、余りに純粋に正統思想にこだわり過ぎるのも天火同人の目指すところの障害になる、と考えればいいのでしょうか。
 あまり細かな違いにこだわって異端排除に熱心になると“大同団結”ができないとか。
 
 三爻で表されるのは、乱暴で陰険な策士といったところでしょうか。
 人望もないようです。敵方の分裂工作員という見方もできるのでしょうか。
 易経は深いですね。
  
 四爻は実力不足で、五爻に至って、苦闘の末ようやく目的を達することができるわけです。
  
 上爻は面白いですね。主戦場から離脱しています。
 実は私なんかもこれに近いかと。
 私は直接行動したりしないし、仲間もいないし、誰にも読まれないようなブログで時々原発を批判するような記事を書いているのみの存在であります。
 或いは、参院選の前、引退した自民党のベテラン政治家のインタビュー記事がしんぶん赤旗に掲載されて話題になったことがありました。
 そういった、一線を退いたベテランが集まって批判しているような状況も当てはまりそうですね。

 それで、脱原発のためには、五爻の理想を持って初爻の行動で。
 四爻や上爻でもいいのですが、問題は二爻と三爻です。
 ここに脱原発運動の問題点が隠されていると思われます。
  
 三爻が問題なのは言うまでもありません。
 ここで、三爻を激しく批判するのが二爻です。
 しかし、疑えば、全てが三爻のように見えてきて、仲間を片っ端から攻撃します。
 二爻は血縁者とばかり付き合い、他人との交流を拒む人を表します。
 市民運動に置き換えると、派閥抗争や異端排除に明け暮れる人でしょうか。
 市民運動にはそういった分裂抗争がよくあります。
 例えば、原水爆反対運動も、原水協原水禁に分裂しました。
 原発が争点となった12月の衆院選や7月の参院選でも、脱原発政党は分裂して戦いました。
 あまり熱心でない私から見ると、脱原発運動も、派閥抗争が激しくて誰と誰が仲が良いとか悪いとか、人物相関図がややこしくて分かりません。
 ツイッターでも、フォロアー数が多くてリーダー的存在かと思ってたら、同じ脱原発派から激しく批判されていたりして、うっかりリツイートすればこの人達から敵認定されるのかと冷や汗を流すこともよくあります。
  
 実は私も以前批判されたことあって、鉢呂(鉢呂吉雄経済産業大臣が大臣を辞任した際、それに疑問を呈する発言を紹介したところ、陰謀論だとか脱原発派の恥だとか叩かれました。
 そもそも私のツイッターなどは普段からリツイートもリプライもほとんどなく影響力もなく、ネトウヨ工作員からも何の反応もない極北の地なのに、普段から脱原発派から何のフォローもされていないのに、何でポカ発言した時に限って脱原発派から叩かれなければならないのかと。
 脱原発派は同じ脱原発派の問題発言を目を皿のようにして監視しているのかと。
 フォローの姿勢は示さずに叩く時だけ叩くのかと。
 脱原発派の敵は原発推進派でもネトウヨでもなく、脱原発派の異端狩りだったのかと。
 あなたの敵は原発推進派であって脱原発派でないだろうと。
 脱原発派は横や後ろから矢が飛んでくるのでうっかりした発言はできないな、と非常に窮屈に感じたものです。
  
 脱原発派は、派閥抗争・異端排除の際、よく
「陰謀説」
と言って攻撃します。
 陰謀論認定されると追放されるという、マジックフレーズです。
 では、その陰謀説というのは、誰が認定しているのでしょうか。
 ある程度の常識的範囲を超えれば陰謀論認定だという多数派による目安が存在し、その価値観を共有している人々が脱原発派の主流派を形成しているのだと思います。
 そして、その価値観から離れた人々が「陰謀論者」認定され、主流派から離れて非主流派となっていきます。
  
 しかしガリレオ・ガリレイが天動説を発表した頃は、天動説もトンデモ認定の説でした。
 脱原発派で主流派を構成している影響力の大きい方々は科学的思考ができる方が多いのでしょう。
 しかし脱原発派も皆が皆科学的思考ができる専門家ではありません。中にはよく分からない素人もいるでしょう。
 素人だから間違うこともあるでしょうが、素人だからこそ自由でとらわれない発想で、専門家では分からない真実を突いているということもあり得ます。
 コロンブスの卵的展開によって、どうしてもあり得ないトンデモな陰謀論が、実は真実だった、ということもあり得るのではないでしょうか。
 軽々しく仲間を陰謀論認定して追放してしまうのは、非常に攻撃的だと思うのですが。
 少なくとも、鉢呂辞任に疑問を呈したくらいで陰謀論認定して追放してしまうのは、やり過ぎではないでしょうか。
   
 そして、余りにも異端派を攻撃して純化思想に凝り固まっていると、今度は自分自身が二爻から三爻に爻位が上がり、内部を混乱させる獅子身中の虫となるかもしれません。
 易経は中庸を重視し、行き過ぎを戒めるのであります。
  
 それで私が「天火同人」として必要だと思う姿勢は、少しくらいの違いを認める大らかな姿勢なのであります。
 まあ影響力のない上爻だから、何を書いても違いはないでしょうが。



 易経は世の中の理を説く思想。
 今後は発言するプロレタリアート層も易経を学ぶ時代。
 考え方の幅が広がり、説得力が増すはずです。
 右手に易経、左手にマルクス

With the I Ching 13.天火同人
  http://blog.goo.ne.jp/creative_imagination/e/60f413690c2e900ef03de48b77d3b375
〜 人と同じくする時、協力し、一致団結して進む時 〜
 - 同志の象 = 志の同じ者が集まり協力して切り開く道。初志貫徹し、後に喜びの旗が誇らしく翻る。 −
  http://www.maria-fortune.com/64ka4.htm


易経から考える原発問題】
■[日々の哲学]超訳易経 天雷无妄から考える
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130718/p1
■[日々の哲学]易経で考える原発問題
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130719/p1
■[日々の哲学]吉凶悔吝プロセスと原発問題
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130805/p1
■[日々の哲学]「君子」「小人」と原発問題
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130808/p1
■[日々の哲学]脱原発は“天火同人”の精神で
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130811/p1


参院選後の日本の民主政治を占う』
【31 沢山咸 二六 そのふくらはぎに感ず。凶。】
  http://iching.seesaa.net/article/369316478.html
参院選後の日本の経済を占う』
【29 坎為水 三爻 来たるも之くも坎坎。】
  http://iching.seesaa.net/article/369320101.html
参院選後の雇用環境を占う』
【63 水火既済 六爻  其の首を濡らす。あやうし。】
  http://iching.seesaa.net/article/369324051.html

■[憲法]2013年の日本で始まった「ピロピロ」!
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130804/p1



 超訳・易経  角川SSC新書  自分らしく生きるためのヒント 人生に生かす易経 「易経」一日一言 (致知一日一言シリーズ) リーダーのための「易経」の読み方 

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