OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

NHK大河毛利元就 第15回 涙のうっちゃり

 日本の戦国時代における中国地方の“三国志”を描いたNHK大河ドラマ毛利元就』。
 今年のNHK大河ドラマは『毛利元就』だ!
   
 NHK大河ドラマ 毛利元就 完全版 DVD-BOX 第壱集 NHK大河ドラマ 毛利元就 完全版 DVD-BOX 第弐集
   
あらすじ

 幼い当主が亡くなった毛利家に、尼子家から養子を入れる話が来る。
 受け入れるか否かで分かれる家臣団。
 志道広良中村梅雀)が突然倒れて面会謝絶の重症に陥る。
 迷う元就(中村橋之助)。相合元綱西島秀俊)を呼び出して相談し、養子を受け入れる決心をする。
 しかし、養子受入れを発表するはずだった評定の前夜、重症だったはずの志道が現れ……。 
      
(以下、個人的覚え書きメモ。ネタ晴らし注意!)
  
 次々と亡くなる毛利家当主。
 弘元(西郷輝彦)39歳、興元(渡部篤郎)24歳、幸松丸(北尾亘)9歳。
 15年ずつ縮まっていく不幸のジンクス。
   
 尼子家からの養子というのは、尼子国久の次男・豊久、すなわち尼子経久緒形拳)の孫と言う。
 元就の力をそいで尼子の支配力を強めるための調略。
 後見人に相合元綱西島秀俊)を置き、尼子派の桂広澄草刈正雄)の発言権を強めるという意図である。
 
 後に清水紘治演じる尼子国久が尼子新宮党当主として登場しますが、その次男は登場しなかったような。
 毛利家当主となっていたかもしれない尼子豊久。その後どうなったのでしょうか。
     
 今回、養子受入れの危機に尼子家家臣や元就の身近な人々がどのような思惑でどのような行動を取るかが見所。
 思えばこういったことは、合併だとか子会社化だとか傘下に参加するとか、現代の経済戦争でもよく行われていますね。
 例えば、ダイエーマルナカがイオン傘下に入るとか。家電量販店が合従連衡を繰り返すとか。PC業界やスマホ業界でも。一度合併が報じられてもその後決裂したり。
 普通なら大きくなるのは強くなっていいことだと思うのですが、そうなると独立性が失われて自由がなくなるので、自主独立路線を貫こう、という考えがあってもおかしくありません。鶏口となるも牛後となるなかれ、です。
 そういえば大阪都構想で、まず大阪市堺市が一緒になるという話がありますが、大阪市に吸収される形の堺市にとっては自主独立路線を貫く方がいいという説も。
  
堺の「タカラヅカ」・大浜少女歌劇団、復活へ
  http://sakai.areablog.jp/blog/1000026345/p10926852c.html 

 桂広澄草刈正雄)・相合元綱西島秀俊)は是非もなく養子に賛成。

 闇夜に矢を放つ渡辺勝(榎木孝明)。
「それがしはこの矢の如き男じゃ。
 闇に向かって放たれても用をなさん。
 まつりごととは、闇じゃ。それがしの性に合わん」
 これに対して
「闇というのは必ず明ける。むしろ我々は闇を明けさせるために力を尽くしておる」
と即座に返した桂広澄もなかなかのものである。
「されど、まっしぐらにしか飛ぶことのできぬ矢には、いくさのかけひきは好むが、政のかけひきは性に合わん」
「経久どのの政に取り入れられるのは本意ではござらん」
「養子には賛成だが毛利の家臣であることに変わりはござらん」
   
 小細工を好まず行動あるのみ。算命学でいう車騎星、四柱推命でいう偏官の性格でしょうか。  
 一時は尼子経久緒形拳)の名将ぶりに心酔し、毛利は尼子に着くべきだという信念から、尼子派の桂広澄と派閥を組んだ渡辺。しかしその後、経久の無茶ぶりに嫌気がさしたと見えます。
 現実の世でもこんなことはよくありますね。
(まあ言うてみたら、弁護士上がりの英雄が立ち上げた政党が素晴らしい、と参加してみたら、結局は素人集団の独裁政党だった、といったような。)
 現在、渡辺勝どのは相合元綱と元就について、どう見ているのでしょうか?
 養子を取って元就を押し込めるのに賛成するそのココロは?    
(あえて尼子家に逆らうのを避けた、ということでしょうか?戦を避けるという意味で、私も養子やむなし派になると思います。)
    
 評定において、雪の方(一路真輝)、福原広俊笹野高史)、志道広良中村梅雀)は養子に反対。
 これらの方は裏表なく毛利家のことを思い、元就をサポートしようとしている皆さんです。
  
 そして井上元兼片岡鶴太郎)は態度を明らかにせず。
 元就は、7日後の評定で決定する、と決める。
 その直後、突然、志道広良が倒れ、面会謝絶となる。
   
 館に戻った井上。気心の知れた家臣・寺畑(松井範雄)、風間(中原和宏)の前で結論を出す。
「どう考えても元就どのの負けじゃ」
 今からでも桂に擦り寄ると言う。
「強い方に着くことは恥ずかしいことではない」 
「男は二枚も三枚も舌を持ち、それを悟られずにいかに渡り歩くかじゃ」
「土壇場で元就が勝ちそうになったら、すぐに元就に着く」
 絶対負けない交渉術。まるで悪徳弁護士上がりの某悪徳政治家のようですね。
  
 元就は元綱を呼び、確認する。
「尼子に操られないという自信はあるのか」
「今後も全て兄上にお諮りする所存ゆえ、尼子の好きにはさせませぬ」
 元就は養子を迎えるつもりであることを明らかにする。
 感激する元綱。
「家のためとあらば当主の座にもこだわらぬ兄上に、元綱、心が洗われる思いにござります」
 異母兄弟が分かり合えた感激のシーン。
「わしはな、弟がおるのがうれしいのじゃ。
 今こそ力を合わせて乗り越えねばならぬのじゃ」
   
 養子を迎える、という知らせに驚き、美伊の方(富田靖子)は杉の方(松坂慶子)に訴えに行く。
 しかし杉の方は長いものに巻かれる心得を説き、美伊の方も納得するのであった。

 杉の方は長いものに巻かれる者に対してかなり好意的な見方をしています。
 それが家族の安泰につながるのだ、とも。
 長いものに巻かれるのを良しとせず、徹底的に抵抗するタイプの私としては、納得できない見解です。
 しかし、家族や家の安泰第一に思えば、確かにもっともな意見です。
 例えば、大東亜戦争の最中も、軍国主義独裁政権に命がけで抵抗した人々がいました。
 もちろん、特高警察に見つかれば、家族ともども社会的に抹殺されます。
 抵抗したら死刑、悪政に従うと苦しい生活、というのであれば、確かに悪政に抵抗せずに従っている方が無難なのでしょう。
 そしてこのような悪夢の二者択一を強いられる時代が再び来ようとしているのであります。
    
 相合の方(松原千明)に養子受け入れの内定を告げる元綱。
「母は、今まで頑張ったかいがありました。
 生きているうちに、そなたが立派になる姿を見られて、母はもう何ものぞみませぬ」
「兄上には、このように泣いてくれる母がござらぬ」
「兄上のお気持ち、けして、忘れてはなりませぬぞ」
   
 今まで日陰の存在で、登場も夜のシーンばかりであった相合の方ですが、今回は昼間の光の中での登場。
 しかし、元綱が立派になる姿とはいっても、実力でトップに立ったというのではなく、尼子の横槍で棚ボタ式に養子の後見人になるというもの。所詮は本物ではなくまがい物であったというのが悲しい。
 しかも直前に久(松金よね子)が藤野(加賀まりこ)に向かって
「頑張る女はさみしいのう」
と言っています。  
  
 元就が裁定を下す7日後の評定の前夜、元就の前に志道広良が現れる。
「仮病にござる」
「抜かりなき道は、その場はしのげても、先にはつなげません」
「危険は、避ける方法と、ぶつかって壊す方法とがござる」
 志道は元就が家督を継ぐべきだと強硬に説得。
 仮病を使って消えている間、京都とつなぎをつけ、幕府から元就の家督を認めるというごないしょを頂いていた。
毛利元就こそ名将の器。何人たりとも代わりにはなりません」
「元綱殿では毛利は滅びます」
    
 元就強硬押しの志道は計画的に強引な策略を遂行していたのだった。
 しかし、当時も幕府お墨付きに権威はあったのかな?
   
 ついに決定の評定が開かれる日が来た。
元就「わしが家督を継ぐ」
元綱「お待ち下され」
志道「幕府の、お墨付きじゃ」
……と、有無を言わさぬ展開。
 評定前には
「良き養子をお迎えしたいものじゃのう、福原どの」
福原広俊に嫌味を言っていた井上が真っ先に賛意を表明する。
   
 鮮やかな展開ですね。
 しかしこのやり方、強引すぎます。特に相合元綱にとって厳し過ぎる。
 元就もその前にわざわざ元綱を呼び寄せて兄弟の絆を確認したのだから、この心変わりに対して事前に説明しておくべきだった。これでは元綱の面目丸つぶれです。
 志道広良も鮮やかな策略ですが、裏をかいて幕府を持ち出すとはずるい。
 そもそも志道はなぜそこまでして元就を推すのでしょうか。
 確かに元綱より元就が優れているというのは明らかではあります。
 しかし、養子を断ることによって、元綱や桂といった尼子派の家臣の離反もあり得ます。内部の結束が一番大事なのではないでしょうか。
 しかも、尼子家やその味方に付いた周囲の国人衆が毛利に攻めてくることも有り得るのです。
 それにより毛利家が消滅することも有り得るのですが、そこまで考えてのことでしょうか。
 尼子家にお詫びに行く、その時に首を切られても本望、と言っていますが、毛利家を存亡の危機に追いやって無責任な発言です。
 それに、尼子家に行く前に、まず相合元綱にフォローに行くべきでしょう。
 これは暴走ですよ。
   
 美伊の方を相手にぼやく元就。
「元綱に煮え湯を飲ませてしまった」
「話しても分かるまいなあ」
「元綱は力を貸してくれるじゃろうか」
「たった一人の弟を裏切ってしまった」
 だから一人でぼやく前に、元綱を訪ねて謝りに行くべきではないでしょうか。
 美伊の方も結構さばさばした突き放した態度。
 亀裂が入った異母兄弟の関係に対してあまり深刻に考えていない様子。
 確かにそういう態度なら心理的ストレスは少ないでしょうが、ちょっと冷たいような気もします。
 確かに、人間、ある程度冷たくならないとやっていけないところもあるのですが。
 しかしそもそも美伊の方は尼子経久の関係者であって、嫁入りも経久が決めたこと。
 尼子派の桂広澄とのコンタクトはなかったのでしょうか。
  
 そして尼子経久は今回の決定についてどう思ったのでしょうか。
 今回、尼子経久の登場はありませんでした。描かないことで却って存在感を出す、という演出なのでしょうか。
 お詫びに行った志道広良が許されたので認めたのだろうということですが、そのシーンが見たかった。

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毛利元就97 過去ログ
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/archive?word=%2A%5B%CC%D3%CD%F8%B8%B5%BD%A297%5D
    
■[毛利元就97]NHK大河ドラマ毛利元就』検定〜〜〜〜〜〜!
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20130119/p1
                    
夜盗虫の朝寝坊
■[録画鑑賞][『毛利元就』]#15「涙のうっちゃり」
  http://d.hatena.ne.jp/yotomusi/20051007/p4


wikipedia:毛利元就 (NHK大河ドラマ)

wikipedia:毛利元就


     
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