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朝日新聞夕刊に連載の
『私はテレビに出たかった』
松尾スズキ作
吉田戦車画
が本日12月28日をもって終了しました。
終わるのが勿体ないくらい面白い物語でした。
(あらすじ)
物語は、主人公のサラリーマン(恭一)が遅刻して一目散に走っているシーンから始まる。
彼の会社(焼肉屋)のCMにエキストラで登場する予定だったのだ。
走りながら彼は、高校時代に似たようなことがあったようなことを思い出す。
CMに出そびれた彼は、本当は自分はTVに出たかったことに気付き、エキストラ養成のプロダクションに入学を決意。
同じ頃、彼の一人娘・エリカは、学校で探偵団を組織し、クラスで行われているカツアゲ事件について捜査していた。
やがて父と娘の物語はリンクしていき、予想外の大事件に発展していくのであった……。
エリカさんの物語の方は、最初は探偵ごっこのようなものでしたが、やがてサイコな危険人物が絡んできてシャレにならない本気の事件に発展。
お父さんの物語の方は、エキストラ養成所の話で、基本的にゆるいものでしたが、会社内の人間関係や精神衛生問題あり、ドラマ制作上の裏側のリアルな現実ありの、シビアな現実も描かれていて勉強になりました。
お父さんがTVにトラウマがあってTVを見ない事情は分かりますが、その奥さん(美津子)もまたTVが嫌いという事実には、悲しい過去が。
その悲しい過去について、2回に渡って描かれます。
その時の挿絵が、悲しい出来事について描かれているのに、不謹慎ながら、ギャグマンガのようで笑えてしまうのが面白哀しい。
悲しいのにこんなに面白くていいのか、と思っていたら、最終回でそのシーンが回想されます。あの挿絵がいい効果を上げています。
TVのない家庭で育った娘さんがこんなキャラに育った、というのも面白いシミュレーションです。
しかし、有名な子役を全く知らないというのはあり得るのでしょうか?
新聞や雑誌や友人との会話などで名前くらいは知っていても良いと思うのですが。
最後、一応はハッピーエンドで、主要人物はめでたしめでたしで終わることができました。
あと、その後が気になるのが、上司であります。
TVに出たいという一点で共感し、一時は仲良くなったのですが、その後、偶然の幸運状態が続く主人公に嫉妬して目の敵にするようになる。
恵まれすぎる主人公に比べて、努力はしているけど実らない、裏目に出てばかり、というやられ役の日陰の存在となるのであった。
この上司にもその後、いいことがあるといいですね。
あと、モテチンも。
TVに出られた人も
まだ出てない人も
引退した人も
再出発した人も
うまくいった人も
まだうまくいってない人も
佐野元春 / Christmas Time In Blue: http://youtu.be/IJehB3Hb_eo
「私はテレビに出たかった」連載を終えて 松尾スズキ
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中年サラリーマンの冒険活劇 本紙連載「私はテレビに出たかった」が本に
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wikipedia:松尾スズキ
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