OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

丑三つ時から夜明けまで 名前はついになかった

 丑三つ時から夜明けまで (光文社文庫) 丑三つ時から夜明けまで 
 
幽霊の存在が確認され、静岡県警に幽霊専門の部署 捜査五課 が試験運用された時代を舞台とした短編集。
   
捜査五課による捜査&五課七種警部補による推理
捜査一課米田警部補による推理
   
 どちらも外れて捜査が行き詰った後、捜査一課の「私」が真相に辿り着くという、なかなか凝ったパターンが基本。
 1篇だけ、「私」と米山が雪の山中の山小屋に7人で閉じ込められ、誰かに憑依するという霊と戦うという、『そして誰もいなくなった』風のクローズドサークル密室サスペンスもあって、それも良かった。
 同じ事件について、幽霊も絡めて3種類の説明ができる(当然2つは間違いですが)のが面白いところです。
 捜査五課の面々もコスプレしてて面白いですね。意外と活躍場面は少なかったのでしたが。
 五課の面々が活躍する続編に期待、と思ってたら、もう続編は出てないのでしょうか。本書収録作品が書かれたのは10年ほど前というし。
 霊が絡んだり説明を3種類考えたりと、制約があって難しい作品だから。大変な割に、ネット上のレビューを拝読すると、いまいちの評価が目立ったり。皆さんよく読んで辛口ですね。ミステリーも読みすぎるとすれっからしになっていくんですね。私は絶対的な読書量が少ないので、何を読んでも面白く感じられます。
   
 しかし語り手の「私」の姓名はとうとう最後まで出てきませんでした。
 作品中も「お前」とか「おい」とか呼ばれて名前で呼んでもらえないとは。(ネット上のレビューでも語り手の姓名の謎に触れたのは見つけられなかった。)
 本作品では五課の連中始め、加害者や被害者に変わった姓名の方が多かったので、明らかになっていない「私」の本名も、変わった姓名が設定されていたのかもしれません。
   
「最後の事件」で一連の作品は終わりということですが、実は初出は2番目に古く、「栗端家の犬」を大幅に加筆訂正したということです。
 静岡県警幽霊捜査課シリーズ愛読者としては、この幻の作品を初出形と完成形と読み比べてみたくありませんか?
 
 丑三つ時から夜明けまで (光文社文庫) 丑三つ時から夜明けまで 

今日何読んだ?どうだった??
「丑三つ時から夜明けまで」 大倉崇裕
http://kanata-kanata.at.webry.info/200601/article_12.html


  wikipedia:大倉崇裕

 
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