OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

これから10年、なくなるのは会社ではなく正社員ではないですか?!

 2022―これから10年、活躍できる人の条件 (PHPビジネス新書) 2022―これから10年、活躍できる人の条件 (PHPビジネス新書) 

「2022―これから10年、活躍できる人の条件」について、2回に渡って、第1章から第3章まで思うところを書いてきました。

■[日々の哲学]「歴史に学んで未来を予測する」ということとは?
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20151106/p1
■[憲法]神田昌典の名著をあえて“キャリアポルノ批判”という観点から批判してみる
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20151112/p1

 
 今回は、残りの章について思うところを書いてみます。
 
第4章 2024年、会社はなくなる!? 
 まず、アイフォンについて、成長カーブを作成して予測されています。
 私はアイフォンについてよく分からないのでこの予測が妥当かどうか分かりません。分かる人には分かるという意味で、興味深い記述です。
 そして、2024年には会社という仕組みが無くなる、と大胆発言。
 なぜ会社は存続できないか、と3つの理由が挙げられています。
 経営コンサルタントの神田さんは“会社性善説”に立って、これでは会社は存続できない、と結論付けています。
 確かに、良心的な会社は敗北していくかもしれません。
 しかし私は、より悪い企業こそ残るのだと思います。
 そして無くなるのは会社ではなく、“正社員”の方ではないでしょうか。
 存続そのものが自己目的化したグローバル企業は、正社員を非正規化・派遣化することで存続を図るでしょう。
 現実に、日本でも正社員が減り、非正規・派遣が増えています。

非正規社員 初の4割/安倍政権 さらに法改悪狙う/これでは「1億総貧困」
  http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-11-06/2015110601_01_1.html
非正規4割、新聞報道は調査名の明記を(上西充子) - Y!ニュース
  http://bylines.news.yahoo.co.jp/uenishimitsuko/20151105-00051157/


 また、簡単に社員を解雇できるようにする制度や、残業代を払わなくてもいい制度の実現・雇用者の権利を削減して経営者に有利にする政策の実行・法人税の削減など、安倍政権は大企業の存続のための政治を行っています。
 結局は、被雇用者の権利を削減して非正規化・派遣化・奴隷化することで大企業の生存が行われるでしょう。
 なくなるのは会社ではなく、“労働者の権利”であり、“正社員”だった!
“一億総活躍社会”ではなく、“一億総非正規社会”“一億総派遣社会”“一億総奴隷社会”の実現です。

第5章 イン・フォメーションから、エクス・フォメーションへ
 イン・フォメーションとは、「内に形創る」、エクス・フォメーションとは、「外に形創る」。
 自分の内にある認識を、外へ形創っていく=自分が求めている世の中を創っていくこと。
「TED出演を目指すことは、最高の学習になる!」

 wikipedia:TED (カンファレンス)


【すごいプレゼン】TEDを初めて見る人におすすめの10本 - NAVER まとめ
  http://matome.naver.jp/odai/2130899017379563201


TED日本語 | デジタルキャスト http://digitalcast.jp/ted/

  
 全国規模の読書会・学び、教え合うコミュニティ・リードフォーアクションRFA!
  http://www.read4action.com/

  
 これは楽しそう。私も参加してみたい。
 しかし、一歩間違えば、「意識高い系」になってしまう。
「リーダーは会社にはいないことだけはわかっている」
「自分自身がリーダーになること。そうした自覚したリーダー同氏が、引き寄せ合う」
……なんて書いてるから勘違いしてしまいそうだけど、やはり、自分が所属している会社だとかコミュニティだとかでしっかりと立場を固めるのが第一歩だと思います。
 私は昔からコミュ障なので、自戒を込めて。

 「意識高い系」という病~ソーシャル時代にはびこるバカヤロー (ベスト新書) その男、意識高い系。DVD-BOX

 
世に溢れる【意識高い系】がなかなか痛い
  http://matome.naver.jp/odai/2137152302934193601
意識高い系 - ニコ百 http://dic.nicovideo.jp/id/5336351
ボンダイ
「意識高い系」が死んで「SEALDs」が生まれたんじゃないか
  http://gudachan.hatenablog.com/entry/2015/08/08/143643    
意識の高い学生(笑)
  http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%D5%BC%B1%A4%CE%B9%E2%A4%A4%B3%D8%C0%B8%A1%CA%BE%D0%A1%CB
自称意識高い系大学生
  http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%AB%BE%CE%B0%D5%BC%B1%B9%E2%A4%A4%B7%CF%C2%E7%B3%D8%C0%B8
社二病
  http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%D2%C6%F3%C9%C2

  
第6章 40代が、時代のはざまに架ける橋  
「象を引き留める杭は、もはや爪楊枝程度になっている」
「会社で息苦しい人ほど、能力を発揮する」
「この転換期においては、起業力=生きる力になってくる」
   
 はいはい。凡人がこんな耳障りのいいフレーズに乗せられては大やけどします。
 そんな簡単に起業ができるわけない。
 皆様、どこの馬の骨とも分からない怪しげな素人が起業した怪しげな会社のサービスにお金を払えますか?
 他人様からサービスの対価としてお金をもらうことが大変なのは、自分がお金を払う立場になることを想像してみると実感します。
 神田さんやその周りの方々はお金儲けの才能や運を持っている人が多いのでしょうが、世の中そんな特別な人ばかりではありません。
(東洋の命占では、財運の星というものがあって、当然、それを持っていない人の方が多数派です。神田さんにはあります。ちなみに、私は持っていません。)
  
「経営者や起業家が集まるコミュニティにいるかどうかである」
  
 その通りでしょう。
 そして、運よくそのようなコミュニティに入れる人は限られています。
  
 まあ大多数の一般的大多数の人々は、起業なんて大それたこと考えずに、趣味として楽しんで、運が良ければ小遣い稼ぎになればいいくらいに思ってやってるのが無難かと。

第7章 2022年―再びページを開くとき

 
 今までケチつけるようなことばかり書いてきました。
 地に足がついていない夢みたいな今までの章と比べて、本書は、地に足がついたいい章だと思います。
 冒頭で、会社を辞めて起業しようとしている25歳サラリーマンに対して、今は会社で経験を積む時代だ、と諭します。
 確かに、組織でもまれた経験が、起業した後に生きてくるのだと思います。
 人生7歳区切り説というのは、いい仮説だと思います。
 がん治療した経験についても書かれています。
 メラノーマ完治とは、貴重な体験です。多くのがん闘病中の方のために、本にして残してほしいものです。(私が知らないだけでもう出ているのでしょうか?)
  
 以上、長々と3回に渡って感想を述べてきました。
 大部分が批判めいたものでしたが、本書が読むに値することには変わりありません。
 ただ、余りに楽観的過ぎることは、改めて指摘しておきます。
 現実的には、本書のような楽観的思考もでき、それを批判する現実的な批判力を持って、結論としては間を取ることができるのがいいのではないでしょうか。

2022―これから10年、活躍できる人の条件 神田昌典(3回にわたる感想文)
■1[日々の哲学]「歴史に学んで未来を予測する」ということとは?
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20151106/p1
■2[憲法]神田昌典の名著をあえて“キャリアポルノ批判”という観点から批判してみる
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20151112/p1
■3[経済]これから10年、なくなるのは会社ではなく正社員ではないですか?!
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20151120/p1


 wikipedia:神田昌典


出版社による紹介ページ http://www.php.co.jp/2022/


『2022−これから10年、活躍できる人の条件』公式ファンページ
  https://www.facebook.com/2022world


ブクログ
  http://booklog.jp/item/1/4569797601
  http://booklog.jp/item/1/B0081BIQS8
読書ログ http://www.dokusho-log.com/b/4569797601/
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オーウェル1984年』を読んだことありますか?
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