3分間探偵ゲーム―キミの頭脳はどの程度? (1981年) (角川文庫)
読者に挑戦!
あなたが探偵になってトリックを推理する47のショートストーリー。
物語のタイトルがミステリー小説のパロディになっていたり
(例:「俳人二十面相の挑戦」「ドクター・尿」「罪の老人」「“おっかあ風呂好き”事件」等)、
登場する探偵が名探偵のパロディになっていたり
(例:村大工博士、冷えたビール、ジェームズ・チョンボ、法水虫太郎等)
するのが楽しい。
佐藤喜一氏のイラストも楽しいし、語り口も工夫に富んでいる。
特に、推理作家ばかりが住む落首村(おちこべむら)が舞台となる
「六つボケ村」では、本格推理作家の三ボケ・トリオ
トリック・ボケの木偶寸暇(でくすんか)
論理ボケの偉井苦心(えらいくしん)
ロマンス・ボケの栗捨女史
が登場。
そこにインキンの皮をまき散らしながら名探偵金太一痒助(きんたいちようすけ)が現れ、
「それにしても、金太一君が来るのは怪事件の前ぶれだ。わしら推理小説ボケが四人に、村の綣貝警部は警官だから本物のボケに決まっとるし、そこへ金太一君という探偵ボケが入ると、六つボケ村になってしまう。これは不吉なしるしだよ」
と言っていた木偶寸暇が密室状態で死んでいるのが発見される。
この事件の顛末を金太一の事件簿のいつもの記録者・粧溝正視(よこみぞせいし)ではなくハードボイルド・ボケの茶飲銅羅(ちゃのんどら)が描いているという超豪華版。
これだけのページ数で終わるのがもったいないくらいです。
ところで、本書全体のトリックのレベルについてですが、ミステリーをあまり知らない私にとっても簡単に分かるのや期待外れのも混じっています。
まああまり期待し過ぎないで楽しんで読むべき作品集でしょう。
なお、本書は角川びっくり文庫の中の一冊です。
このレーベルについては以下のページが詳しい。
ハルキと私 【角川びっくり文庫】全リスト
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/1814/kadokawabikkuri.html
上のサイト様によると、本書は、
『推理(ミステリー)の達人―あの名探偵と知恵比べ (ワニ文庫) 』1991/3
『5分間ミステリー 容疑者は誰だ (扶桑社文庫)』2006/3
の再編集版が出ているようです。
ワニ文庫版で掲載されている本文の写真から判断して、本書から採録した作品もある一方で、新作も収録されているようです。
著者の新保氏はその他、本書に類似する本を何冊か出されているようです。
『推理(ミステリー)劇場 マジカル探偵の挑戦―これであなたも名探偵!? 』
『ネット探偵局の推理簿―密室・アリバイ・暗号22連弾!』
『殺人トリック劇場―難題ミステリー11連発』
ブクログ http://booklog.jp/item/1/B000J7Z194
読書ログ http://www.dokusho-log.com/b/4044208018/
読書メーター http://bookmeter.com/b/B000J7Z194
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