第三話まではライトノベルしていたのに、第四話は一転して深刻な家族関係の問題となって文学系となりました。
主人公の花菱英一を始めとして、その周囲の人々は皆、他人の心をおもんばかってそっと見守るタイプの人々です。
言葉と人間関係というと、
思ったことをすぐに言葉にして出す人
思う前に言葉が出る人
思っても心情をおしはかってそっと見ている人
何も思わない鈍感な人
そっとしておいてほしい人
言葉に出して何か言ってほしい人
悩みを話したい人・誰かに聞いてもらいたい人
悩みを一人で抱える人
……等々、色々な人がいます。
本作品の主人公周囲の人は、皆同じタイプのようで、思っても何も言わない描写の連続で、親の影響ですぐに言葉に出るタイプの私としてはまどろっこしいというかストレスフルなやり取りでした。
現実世界では、こんな均一的な人間ばかりいるはずはなく、色々なタイプの人がいてごちゃごちゃと錯綜するのが現実でしょう。
第四話では例外的な人達が登場して彼らとの対決がクライマックスの大事件になるわけですが。
現実世界では、相手の望む応対を見極めて対応を変えないといけない。それが人間関係のコツだと今になってよく分かる。
私にとって本作品は、言葉に出さない思いやりという高等表現を学ぶいい勉強になりました。
私の過去はといえば、空気を読まないというか、相手に応じて一番やってはいけない対応ばかりやっていたような気がします。
思えば私の親はそっと見守ることができず、常に言葉で介入して来るので自分の心を見つめ直すより先に親との対応に精一杯な状態で。
うつ状態で苦しんでいたのですが、そんな時は現状を俯瞰して整理して把握することが必要だと今になって思います。
だから自分で自分の心を言葉にして把握する必要があったのですが、それがどうしてもできなかった。
他人に対しても自分に対しても言葉と対応がミスマッチでなっていなかったのです。
結局、立ち直りが遅れて家系をつないでいくことができなかったのですが。私も駅を出て走り出さなければならない。まさかまだ廃線になっていないだろう。
なお、私が読んだのは講談社文庫の上下2巻になった版。分厚い文庫本2冊です。
原版は、単行本1冊に収録されていたようです。
一体どんな分厚くて重い本だったのでしょう。
何と今では4分冊になっているようです。
内容がそうであっては困りますが、本のつくりは重厚長大より軽薄短小の方が扱いやすいし読みやすいですね。
持ち運びに便利だし心理的にも楽。
それに読書メーターなどを利用していると、見た目に冊数が増えやすいので達成感も味わえるし。
wikipedia:小暮写眞館
感傷的で、あまりに偏狭的な。小暮写眞館
https://ameblo.jp/amoru-kun/entry-10628659842.html
松田哲夫の著者の魅力にズームアップ!宮部みゆきさん×松田哲夫さん
https://www1.e-hon.ne.jp/content/sp_0031_i_miyabe_matuda.html
プレミアムドラマ「小暮写眞館」|NHKドラマ
http://www6.nhk.or.jp/drama/pastprog/detail.html?i=kogure
プレミアムドラマ 小暮写眞館
https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009050086_00000
■[日々の冒険]都立三雲高校心霊写真調査同好会・小暮写真館(上)
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20180224/p1
■[日々の冒険]特撮怪獣スぺクタルドラマ 荒神 宮部みゆき
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ブクログ
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