言うまでもなく私は“仕事ができない”部類です。
本書を発見したのは大学時代。まさに自分のことだと思って購入し、自虐的にむさぼり読みました。
そもそも私は中学から高校時代にうつ病を発症し、その後悪化の一方で、舞台にすら上がれない状態なのでした。
著者の藤井康男さんは龍角散の社長で、薬学部出身。朝永振一郎の勉強会にも出席していたこともあるということで、理系学部出身の理系の専門家です。
その一方で、文学や芸術にも造詣が深い。
よって本書は、生物学的な方向からの切り口は当然のこと、文学や芸術果ては実業界等から幅広い話題が満載です。
狩猟型民族と農耕型民族の恋愛観の違いについての指摘が面白かった。
ビジネスや恋愛に関するハウツー書では一般的に、「農耕型」は守りの姿勢で「狩猟型」は攻めの姿勢だと扱われ、「狩猟型を目指せ」と言われたりします。
しかし、本書では「農耕型」の方が残酷ではなく、心のひだを大切にする文化だと肯定的に扱われています。
私には狩猟型の言動は無理です。農耕型民族に生まれてきて良かった。
まあこのように、知識や雑学を得る目的として非常に面白い本なのですが、本書を読んでも女にモテるようになって仕事ができるようになるかというと……？
（追記）
「シューベルトの甘さ、ショパンの香り、ベートーベンの栄養」
ある製菓会社のCMだそうです。
藤井さんも感心したと書かれています。
私も気になって少し検索しましたが、出てきません。
これだけ優れたキャッチコピーなら、誰かが書いていてもおかしくないと思うのですが。
今では埋もれてしまったキャッチコピーというところでしょうか。
しかし、これは何のCMだったのでしょうか。
覚えている方がいらっしゃいましたら、お教え下さい。
wikipedia:藤井康男
ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4804712879
https://booklog.jp/item/1/4804710817
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