OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

今からでも?リベラルアーツの学び方 瀬木比呂志

 リベラルアーツの学び方 (ディスカヴァー・レボリューションズ) リベラルアーツの学び方 (ディスカヴァー・レボリューションズ) 

 前半4分の1ほどは著者のリベラルアーツに対する考え方・学び方などを述べたもの。
 後半4分の3ほどはブックガイドになっています。
 古き良き戦後民主主義の時代・大学の教育が教養課程と専門課程に分かれていた時代の教養課程を思い出させる、教養主義にあふれた書。
 本書1冊をしっかりと読み込んでから各分野満遍なく紹介されている本を読んで自分なりにレポートだとか書評だとか書いたら教養課程4単位ほどの知識を得られるのではないでしょうか。
 著者の学問に関する姿勢は、文系・理系・芸術系を広く学んでつながりを見つけるという姿勢。
 専門バカではなく広い視野を持てということ。
 そして、現在言われている「反知性主義」とは正反対の立場。
 戦後民主主義における大学教養課程もそういう観点から設計されていたのでしょう。
 だから人文科学・社会科学・自然科学から均等に受講するようになっていたのです。
 私もそういった古き良き教養主義に共感します。
 私は幼い頃から文学が一番好きで、お話の本ばかり読んでいました。
 小学校の図書の時間では、男子生徒の間では図鑑が人気でしたが、私は図鑑には全く興味なく、お話の本オンリー。
 国語や歴史は勉強しなくてもいい点を取っていました。
 それなら文系に進むのが自然なのでしょうが、家系の都合で理系に進むことが運命づけられていました。
 だから文系と理系の関係については切実な問題で、文系の素養を持った理系が最強ではないかとか、色々考えるところがありました。
 よって、文系や理系の違いだとか文理融合だとか学際の必要性について書かれた学問論の本はよく読んだ方だと思います。

 文科的理科の時代 (福武文庫) 文科的理科の時代 (福武文庫)  
 ライフサイエンスの哲学 (講談社学術文庫 91) ライフサイエンスの哲学 (講談社学術文庫 91)  
 文科の発想・理科の発想 (講談社現代新書 630) 文科の発想・理科の発想 (講談社現代新書 630)  
 文理シナジーの発想―文科と理科の壁を越えて (丸善ライブラリー) 文理シナジーの発想―文科と理科の壁を越えて (丸善ライブラリー)  
 独学のすすめ (ちくま文庫) 独学のすすめ (ちくま文庫) 

 また、最近話題になった『乱読のセレンディピティ (扶桑社文庫)』も同じ問題意識に立っているのではないでしょうか。
 また、自分の流派を絶対視して他の流派をけなしているという印象のある速読術でも、しっかりした見識を持っている方は読書や学問については、同じようなことを書かれているようです。

■[自己啓発]フォーカス・リーディング 読書の本質
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20180420/p1
■[自己啓発]クロックサイクルの速め方 読書格差時代に生き延びるために
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20110429/p1


 知の挑戦―科学的知性と文化的知性の統合  知の挑戦―科学的知性と文化的知性の統合 ←本書で紹介されていた
 
 で、文科と理科の間で迷っていた私は中学から高校にかけての色々なトラブルを乗り越えることができずに精神を病み、何事をもなすこともできずに人生から転落したのでした。
 もともとの素養はあったので何とか最低ランクの地方国立大学の理系学部に滑り込みで潜り込むことはできたのですが、それが限度でした。
 精神状態は改善せず悪化の一方で、子供の頃から好きだった本を読むことすらできず、書店や図書館で背表紙を眺めるのみ。
 大学を出て数十年後。最近ようやく精神状態が改善し、骨のある本をぼちぼち読み通すまでに回復してささやかな幸せを感じているところです。

 それで本書のことなのですが、私もこんな風に学問を進めていきたかった。
 もし大学時代の私が精神が健全な状態で本書を読んでいたら、熱心な本書の信奉者となり、紹介されている本を嬉々として片っ端から読んでいったことでしょう。
 もはや今となってはいくらそんなことをしても仕事や人生に何の役にも立たず自己満足に終わるのみ。
 しかし、人生から転落した今となっては読書しかやることはない。
 精神を病んで何もかも失った揚げ句、ようやく精神状態が改善し、本が好きという原点に戻って来たのだった。
 寂しいけど私の人生は、精神を病んで家系を残すことはできず、本を読んで誰にも読まれないブログを書き続けるだけの人生なのでした。

三四郎』な人生論
リベラルアーツの学び方 瀬木比呂志【耳読】
  http://sanshirou.seesaa.net/article/460637445.html
   ↑オーディオブックも併用しました。本書の感想についてはこちらに続きます。

 リベラルアーツの学び方 (ディスカヴァー・レボリューションズ) リベラルアーツの学び方 エッセンシャル版 (リベラルアーツカレッジ)


NEOACA BLOG
 瀬木比呂志『リベラルアーツの学び方』
  http://neoaca.blogspot.com/2017/01/blog-post_3.html
鈴麻呂日記
 読書録「リベラルアーツの学び方」
  http://d.hatena.ne.jp/aso4045/20150816/1439709077
Dr.Kernelの見た世界
 リベラルアーツの学び方(瀬木比呂志)
  http://drkernel.hatenablog.com/entry/2016/08/05/095149
リベラルアーツの学び方|misafujico|note(ノート)
  https://note.mu/misafujico/n/n23a566a8f8a3
大学で次々“復活”導入の「リベラルアーツ」で何が学べるのか
  https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/159896/3
リベラルアーツを学んでビジネスで差をつけろ! 戦略的独学のすすめ
  https://ddnavi.com/review/444040/a/


ブクログ
  https://booklog.jp/item/1/4799316729
  https://booklog.jp/item/1/4799322109
読書メーター
  https://bookmeter.com/books/9728229
  https://bookmeter.com/books/12627600
本が好き!
  http://www.honzuki.jp/book/253107/


 wikipedia:瀬木比呂志
 wikipedia:リベラル・アーツ wikipedia:教養課程と専門課程
 wikipedia:教養学部 wikipedia:教養
 wikipedia:学際 wikipedia:総合科学 wikipedia:総合科学部
 wikipedia:鎌倉アカデミア


■[学問]医療最前線で活躍する物理 裳華房ポピュラー・サイエンスシリーズ
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20180101/p1
少年少女・ネタバレ談話室(ネタばらし注意!)
 ヴェルヌ『神秘の島』ネタバレ感想会
  http://sfclub.sblo.jp/article/181119351.html

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