麒麟（きりん）がくるまで戦国大河ドラマ名場面スペシャル『秀吉』

麒麟（きりん）がくるまでお待ちください　戦国大河ドラマ名場面スペシャル
　　https://www.nhk.jp/p/ts/RJN7NPQZ7Z/
「秀吉」
　　https://www.nhk.jp/p/ts/RJN7NPQZ7Z/episode/te/L1R1N8M5ZN/
　
　1996年の作品という。もうそんな昔なんですね。
　当時リアルタイムで見ていたのですが、ほとんど記憶に残っていません。
　今回紹介されたシーンも全く覚えていませんでした。
　当時は精神的にしんどくて混乱していたので脳機能も低下していて生活に直接関係ない分野の記憶が抜け落ちているものと思われます。
　
　ドラマ『秀吉』自体はストーリーも役者の演技も良くて面白いものです。
　今回紹介されたシーンを見れば他のシーンも見たくなってきます。
　明智光秀役の村上弘明さんが光秀の性格について鋭い分析をされていました。
　
「教養や知識があるだけに、信長の命令に即座に従えない。色々考えて反応が遅くなる。その辺が信長に嫌がられる」
「秀吉のように遮二無二にできない」
　
　私もこのタイプだ。
　そしてそれが、私が織田信長が嫌いな理由なのです。
（以下、ドラマを貶しているのではなく、個人的な意見を述べています）
　私から見れば織田信長は独裁的で絶対服従を要するワンマンタイプです。
　ところが私が理想とするリーダーは、民主的で合議制を尊重するタイプなのです。
　私は当然リーダータイプではありません。しかし偉そうにしてる奴には民主主義だとか基本的人権の尊重だとか平和主義だとか色々理屈を言って反抗する反体制的な人間なのです。
　
　しかしなぜ日本人の間で織田信長の人気が高いのでしょうか。
　多分、自分が信長になった気になっているのではないでしょうか。
　自分が信長の下でこき使われることをイメージできないのではないでしょうか。
　私はもろ明智光秀タイプなので、信長のパワハラを受けるシーンが自分のことのように思えます。
　よく他人ごとでは被害者を理解できない、被害者になって初めて被害者の気持ちが分かる、と言われます。
　織田信長がトップになればどれだけ恐ろしいか、織田信長の下で働くことがどれだけストレスなのか。
　その辺の想像力がないから、現代でも信長的な独裁者のやりたい放題になってしまう。
　現在の日本は独裁制や軍国主義の危機なのですが、多くの日本人に危機感が感じられないのは、やはり他人事だからで自分が苦しむことが想像できないからなんでしょう。そして独裁制や軍国主義に反対する人々は体制を揺るがす不逞の輩として見ているのでしょう。
　それはともかく、織田信長に絶対服従の豊臣秀吉は民主主義・法治主義の観点から見て非常に問題のある関係です。
　まだ異議を申し立て許せない場合は後ろから斬りつける信長―光秀の関係の方がましです。
　しかし一番いいのは、合議制で部下の意見を尊重する民主的・法治的な上司部下の関係でしょう。
　織田信長を倫理的に批判できる人・信長―秀吉の関係が気持ち悪いと思う人がもっと増えないと、日本には民主主義が根付かないと思います。