将門(加藤剛)と良子(真野響子)は2人だけで寺で良兼(長門勇)の法要を行う。
その帰り、行き倒れた浮かれ人(重税に耐えられず逃げ出した農民)の家族を発見。
家で食事を食べさせてやり、開墾農民として雇うことを決める。
鹿島玄明(草刈正雄)は、自分もあんな子どもだったような気がすると言う。
初期から登場していたキャラである玄明や武蔵(太地喜和子)の過去がようやく明らかになりつつあります。
一方、こちらは田原藤太(露口茂)と貞盛(山口崇)。
藤太は貞盛を浮かれ人のようにあてこすり、「叩き返す」と。
物語冒頭に将門と浮かれ人のエピソードを入れ、その後に貞盛を浮かれ人に見立てる会話を入れるとはなかなか高等なやり取り。
「貞盛は自分が浮かれ人に見立てられているように思えてきた」というナレーションが入ったのは親切。
このナレーションがないとスルーするところだった。
こういうあてこすりというか見立ての皮肉を理解するためにはそれなりの理解力が必要です。
貞盛にはそれを理解するだけの理解力はありました。それだからこそ不快に思うわけですが。
それにしても、貞盛は将門と本気で戦う気になったのでしょうか。
そして、将門こそが改めて藤太を訪問してわたりをつける必要があるのではと思います。
興世王(米倉斉加年)が武蔵権守として赴任して来る。
興世王は都の公も行き詰ってもう駄目だな、なんて藤原純友(緒形拳)のようなことを言います。
興世王と純友は考えが似ているのではないでしょうか。
興世王は将門につきまとって武蔵までやって来ましたが、純友を追って伊予に行くという選択はなかったのでしょうか。
まあ純友にしてみれば興世王は役立たずの坊っちゃんだろうし、伊予の荒くれ海賊どもの間では興世王の居場所はなかったのかもしれません。
そう考えると興世王が純友ではなく将門を選んだのは必然だったような気がします。
しかしこの興世王、何やら不穏なことを考えていそう。余計な面倒ごとを起こさないでほしいものです。
興世王はまず人望ある郡司・武蔵武芝(宮口精二)を従わせようとするが武芝は屈しない。
見せしめのために武芝の館を略奪。もう完全に悪役です。
国司勢力と郡司勢力は臨戦態勢に入る。
鹿島玄道(宍戸錠)や鹿島玄明(草刈正雄)は将門に両軍の仲介をさせようとする。
この問題はいずれ全坂東の問題になるかもしれないと思った将門は腰を上げる。
大事になったことに内心びびっていた興世王は渡りに船と仲介に乗る。
和平を結ぶが、武蔵介・源経基(菅野忠彦)だけは納得せず席を立つ。
今回、興世王(米倉斉加年)に引っ掻き回されました。
前半の興世王は悪人そのものです。
将門の友人だからと温かく見守っていたら洒落にならないくらいの悪逆行為を始めて思い切りドン引きしました。
ところが武蔵武芝に反抗され、膠着状態に。
将門の仲介に渡りに船と乗っかり、その後は武芝の両手を握ったり愛想を振りまいたり、宴会の盛り上げ役みたいなキャラに。
よく言えば柔軟・悪く言えば節操がない軽々しいタイプ。
自分を重々しく見せるタイプだと、渡りに船の調停でも軽々しく乗ったりせずに表面上は渋々と相手を立てて恩に着せるような態度を取るような気がします。こんな開けっ広げなタイプはドラマでは真の悪役にはなり得ません。
ドラマの真の悪役は、武蔵介・源経基(菅野忠彦)のようなタイプです。
この経基が次に何をしでかすのか、不吉な予感がします。
源経基は清和天皇の孫ということが唯一の自慢らしい。
家柄的には相当高いようですが、役職としては興世王の下ということになっています。
それなら興世王の血統はもっとすごいのでしょうか。
源経基は臣籍降下し武士となっているので皇族の興世王の方が格が上ということなのでしょうか。
それにしても和平案に納得しない経基に対して興世王の説得は騙し討ちのようで性急に過ぎた気がします。
もっと順を追って理を説いて納得してもらうことが必要だったのではないでしょうか。
交渉とか調停というのはそこが肝心なところでしょう。
そして今回、武蔵武芝(宮口精二)という立派な豪族が登場しました。
将門・藤太に続く第三勢力と言うべき勢力です。
将門VS源平連合軍の戦いの際の態度が気になるところです。
この武芝は鹿島玄道の父親と友人だったようで、鹿島玄明の出生の秘密も知っているようです。
まあこのような人物達の思惑によって将門は大きな渦に巻き込まれていくのでしょう。
wikipedia:興世王
wikipedia:源経基
wikipedia:武蔵武芝
wikipedia:権官
- 作者:海音寺 潮五郎
- メディア: 文庫
【斬新日本史マンガ】乱を起こす前の将門 男気のあるツワモノ無双だった?
https://bushoojapan.com/jphistory/nihonshimanga/2018/04/08/111658
雑記帳
大河ドラマ『風と雲と虹と』第43回「武蔵の風雲」
https://sicambre.at.webry.info/201006/article_4.html
戦国放題 こたつ城
「風と雲と虹と」7(40~46)
http://kotatu.jp/hyo/sakuhin/masakadozakki/40-46.htm
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wikipedia:風と雲と虹と
#平将門 #風と雲と虹と
ツタヤ
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