真田丸　第4回　挑戦「確かめたければ確かめるがよろしいかと」

大河ドラマ真田丸 16枚組DVDボックス完全版全4巻全50話を収録堺雅人/大泉洋/長澤まさみ/竹内結子日本のテレビシリーズ

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【今回のあらすじ】
織田信長（吉田鋼太郎）から参上を命じられた真田昌幸（草刈正雄）は信繁（堺雅人）を連れて諏訪の法華寺に出頭します。
ところが気まぐれな信長は他人を呼び出したくせになかなか現れない。待たされる間に真田父子は徳川家康（内野聖陽）と対面したりします。ようやく呼び出されたと思ったら、そこに居たのは信長の嫡男・織田信忠（玉置玲央）！信忠は信長名代として真田昌幸の二股疑惑を審議します！しかしそこは年の功！昌幸がうまく人生経験の浅い信忠を丸め込みます。昌幸の勝ち戦か……と思ったら、そこに徳川家康が立ちはだかる！家康の厳しい追及に絶体絶命の窮地に陥る昌幸！第四話にして早々に真田家の命運は尽きるのでしょうか！？
そして好事魔多し一寸先は闇の戦国時代！日本統一を目前にして、織田信長の命運は尽きようとしていたのでありました！！！

　いけしゃあしゃあとアドバイスする室賀正武（西村雅彦）。真田家を出し抜いたつもりでしょうが、現実は真田家に乗せられているのは室賀の方。世の中は怖いですねえ。

　裏切り行為を気にする穴山梅雪（榎木孝明）。今回の榎木孝明さんは渡辺勝（毛利元就）や山崎吉家（麒麟がくる）のような渋い軍師役ではなく、気が小さくて気にしの人物をコミカルに演ずる役のようです。そう思って見ると、髪型も何となくお笑い系のような。（頭巾をかぶれば渋いのですが）
　

　信長に待たされている間、その辺を偵察する信繁（堺雅人）。そのフットワークの軽さが大物の証。私なんか小者だからとても歩き回る余裕なんてありません。私なら緊張して小さく縮こまっているところでしょう。

　犬も歩けば棒に当たるということで、徳川家康（内野聖陽）と知り合いになりました。武藤喜兵衛はどこに消えたのか！？

　明智光秀（岩下尚史）が通りかかる。この光秀はお公家風だぞ。

　　[wikipedia:岩下尚史]
　
「真田丸」の光秀は“きもい”？大抜擢の作家を直撃
　　https://thetv.jp/news/detail/71692/

　ようやく呼び出され、信長の嫡男・織田信忠（玉置玲央）による審議が始まる。信忠はかつて小山田信茂（温水洋一）を一刀両断した怖い奴ですが、昌幸の老獪さが勝りました。
　

　安心したのもつかの間、徳川家康による容赦ない厳しい追及が始まります。

「いうたな。ほんまにええんやな。絶対やな。ほなら直江を呼び出してちと尋ねてみてもよろしいかな」
　一瞬、直江兼続がサプライズ登場するのかと思いました。
　

「確かめたければ確かめるがよろしいかと」
　一歩も引かない真田昌幸に家康も矛を収める。

　

「真田安房守か。良き面構えじゃ。」
　
　信長（吉田鋼太郎）との面談は一瞬で終わりました。短いことで印象に残すという演出でしょうか。
　その前の二股疑惑の審議が山場でした。
　家康がなかなか手厳しい追及を。直江兼続が本当に来ていたのか、それとも家康のハッタリだったのか。家康の意図は何か？そういうところを全て説明するのではなく考える余地を残してくれた脚本です。
　審議を信長自身が行わずに息子に任せたというところに、信長の意図があったのではと思われます。
　そして、後ろでやり取りの一切を見聞していた信繁（堺雅人）もすごい。文字通り、歴史の目撃者です。私なら不安が表情に出てとても平常でいられなかったでしょう。

　信長による社長面接に合格した真田父子を苦々しく見ている男が。三谷さんとしてはこの因縁を関ケ原や大坂の陣まで引っ張りたかったのではないでしょうか。

　信繁と矢沢三十郎頼幸（迫田孝也）が雑談しながら歩いている。しかし何で呼び出された真田家の彼らが信長本陣の廊下を雑談しながら歩いているのだろうか。大物の証明か。小心者の私なら怖くてとてもそんなことできません。下手な雑談を聞かれたら彼らが信長から折檻されていたかもしれません。
　

　突然、信長が光秀を折檻。
　

　家康と光秀が親しいような描写が。『麒麟がくる』では光秀（長谷川博己）と家康（風間俊介）は親しかったのですが、この『真田丸』でもそういう設定なのでしょうか。
　この『真田丸』では、信長がなぜ光秀にキレたのかきっかけが描かれていません。視聴者は自分の知識で補完する必要があります。『真田丸』では信繁目線で何が起こったのかよく分からないということを表現しているのでしょうか。
　しかし、『麒麟がくる』の感想でも書きましたが、こういう場面で暴走するトップを止める人がいない組織というのは健全ではないと思います。私の理想は絶対ワンマンが君臨するトップダウンの組織ではなく、民主的な組織です。だから歴史上の人物で私は織田信長というのは嫌いなタイプです。
　
麒麟がくる　第43回「闇に光る樹」
　安土城天守の間事件　止める者がいない組織
　　https://diletanto.hateblo.jp/entry/2021/02/06/111330　

　誰を人質として上洛させるか。信幸（大泉洋）のナイスフォローで松（木村佳乃）に決定。小山田茂誠（高木渉）の件では色々な騒動に巻き込まれて彼なりに色々と考えていたのでしょうか。
　
　かつて新選組は渋い中年オヤジが演じることが多かったそうですが、三谷さんの『新選組！』では実年齢に近い若い役者さんが演じて話題になりました。しかし『真田丸』では三英傑＋明智光秀は渋い中年オヤジが演じています。『麒麟がくる』と比べると平均年齢は高くなるのではないでしょうか。これは三谷幸喜さんが子ども時代に観ていた三英傑のイメージを反映しているのではないでしょうか。
　しかし『清須会議』にしろ本作にしろ、明智光秀は独特の存在感を放っています。三谷幸喜さんは明智光秀をどう思われているのでしょうか。