洋画の大家・入江新之助氏の五人の子ども達がリレー小説を書く話。
「入江新之助」で検索しても洋画家は出てこないようだから、太宰治が創作した架空の人物でしょうか?
ユーモアあふれる文体で和気あいあいとした家族のやり取りが描かれていて楽しい。
それでこの短編で描かれたのは4年前の入江家だという。現在は亡くなられた方もおり、この頃とは少し違っていて少し疎遠になっているという。
古き良き失われた時代を回想するという趣向になっていて、その辺の設定も凝っていてうまいと思います。
この作品は1940年から41年にかかれて書かれた作品のようだ。
ということは日本は日中戦争(大東亜戦争)の最中で、軍国主義ファシズムで大変な時代です。
そんな時代にこのようなほのぼのとした作品を書いて発表していたとは、太宰治の泰然自若ぶりも本物です。
私が大嫌いな太宰作品のパターンとして、なぜかよくモテる男が自堕落で破滅的な生活をして女や周囲の人に迷惑をかけるパターンがあります。ところがさすがに戦争中はそんな描写をするわけにはいかないので、太宰治の自堕落で破滅的な面がセーブされて良い面だけが出たのではないでしょうか。
それにしても戦争中に良い面を出してこんな作品を描いていたというのは、やはり太宰治は大物です。
私なら戦争中なら精神が負けてしまってとても小説なんて書けません。というか平時でも書けないのですが。
ということでこの作品も好きな太宰作品の一つです。
入江家の五兄弟がリレー小説を書く話はもう一つ、『愛と美について』があります。それも続けて読んでみたいと思います。
●ブクログ
https://booklog.jp/item/7/000315
https://booklog.jp/item/1/B009IXBEO6
●読書メーター
https://bookmeter.com/books/5598234
ホームズ・ドイル・古本 片々録 by ひろ坊
太宰とホームズ――太宰治『ろまん燈籠』昭和33年11月(角川文庫)
http://blog.livedoor.jp/bsi2211/archives/51226000.html
太宰とホームズ(2)
http://blog.livedoor.jp/bsi2211/archives/51226897.html
太宰とホームズ(3)
http://blog.livedoor.jp/bsi2211/archives/51227775.html
(私が好きな太宰作品)(ロマネスクとユーモアの太宰さん)
パンドラの匣 太宰治の最高傑作
https://diletanto.hateblo.jp/entry/20150724/p1
【新ハムレット】太宰治描く新時代のハムレット
https://diletanto.hateblo.jp/entry/2025/07/11/061931
“トカトントン 太宰治”
https://diletanto.hateblo.jp/entry/2021/06/06/200610
少年少女・ネタバレSALONO(ネタバレ注意!)
原作以上に太宰治的 映画「パンドラの匣」
https://sfklubo.blog.jp/archives/12884340.html
(私が嫌いな太宰作品)(破滅的で暴走する太宰さん)
太宰治『人間失格』
https://diletanto.hateblo.jp/entry/20050521/p1
“1億総斜陽族時代”たる現代日本にて『斜陽』を読む
https://diletanto.hateblo.jp/entry/20090329/p1
ヴィヨンの妻 大谷は嫌いだ
https://diletanto.hateblo.jp/entry/20140404/p1
あの時何があったのか!?太宰治『魚服記』
https://diletanto.hateblo.jp/entry/20151030/p1
『文豪の探偵小説』【犯人 太宰治】
https://diletanto.hateblo.jp/entry/20161030/p1

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