サウンド文学館●パルナス51
ステレオドラマ アンデルセン『絵のない絵本』
出演／藤田弓子 他
訳／矢崎源九郎
脚色／河野洋
音楽／塩崎容正
技術／栗林秀年
効果／小堀叡智
演出／木下恭三
アンデルセンの『絵のない絵本』をオーディオドラマ化。
第２・３・５・14・17・19・22・26・31・32・33夜が取り上げられています。
『絵のない絵本』は月が画家に語る物語という形式になっています。どれも短い断片というかスケッチです。
朗読にすれば一人で語るところを、ドラマ形式にしてオリジナルのテーマ曲やBGMや効果音を入れたり、大勢の方々が手間暇かけて協力して丁寧に制作されています。
特に32夜では、死刑囚が壁に一つのメロディーを刻みます。そのメロディーも再現されています。
思えば月は地球上どこからも見えるはずだから、地球上で起こる出来事を何でも見て来たはずです。月が見た出来事を語るとは、なかなか面白いアイディアです。
このサウンドドラマは、矢崎源九郎さんの翻訳を底本としているようです。この版は現在も新潮文庫で入手できます。
『絵のない絵本』は他にも色々な方々の訳で出ているようです。読み比べるのも面白いのですが、今回はそこまでできませんでした。
私は今回は新潮文庫版を底本とした大活字本で読みました。やはり字が大きい方が読みやすいですから。この版には訳者・矢崎源九郎さんによる解説も収録されています。
また、『絵のない絵本』というタイトルながら、本作品にどのような挿絵を入れるかイマジネーションがかき立てられる作品です。
色々なバージョンで色々な挿絵が描かれているので、見比べるのも興味深いでしょう。
最近はネットで自分で描いた絵やＡＩソフトで生成した絵を公開する方も多いので、自分なりの挿絵を描くのも面白い試みだと思います。
[wikipedia:絵のない絵本]
[wikipedia:ハンス・クリスチャン・アンデルセン]
[wikipedia:矢崎源九郎]
[wikipedia:藤田弓子]
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