OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

義賊 VS 巨悪!【暗黒街をつぶせ】ガードナー


  書影は こちら から拝借致しました


【20世紀少年少女読書倶楽部】第3回

20世紀後半の小学校の図書室にタイムスリップ!
私が少年時代を送った20世紀後半の頃に小学校の図書室に入っていたような本を
発掘し紹介するメルマガです。

今回借りて来た本は
暗黒街をつぶせ/ささやくレコード
 E・S・ガードナー/フランク・グルーバー
  常盤新平・訳 武部本一郎・絵
   ミステリ・ベストセラーズ 鶴書房成光社

―――――☆―――――☆―――――☆―――――☆―――――☆―――――☆―――――☆
【暗黒街をつぶせ・あらすじ】
 クラリオン新聞社のスチーリ社長は市の腐敗を糾弾するキャンペーンを始め、
市を牛耳るギャングのボス・ベルチャー一味に戦いを挑んだ!
「幻の怪盗」と呼ばれるジェンキンスはスチーリに助太刀し、スチーリの娘バーバラと供に
各種工作を行い、ベルチャー一味を追い込んでいく!!
―――――☆―――――☆―――――☆―――――☆―――――☆―――――☆―――――☆


『暗黒街をつぶせ』は弁護士ペリー・メイスンシリーズで知られるガードナーの作品。

 ジェンキンスは怪盗と言われるだけあって行動は少々荒っぽい。
 これくらいやらないと巨悪に対抗できません。
 毒には毒を・悪には悪をと、正義に燃えるジャーナリストのスチーリ社長を助けて“悪のコンサルタント”“悪の勝利請負人”化しています。
 頭を使った作戦を駆使して悪のベルチャー一味を罠にかけ追い込んでいく過程が面白い。

 私は反骨心・反体制意識旺盛なタイプなので巨悪に挑むストーリーが大好きなので燃えました。
 エリオット・ネスがアル・カポネと戦う『アンタッチャブル』のようなストーリーが大好きなのです。
 アメリカには幾つかこんなパターンの物語があるようです。
 私は本や映画に詳しくないのですが、日本にはあるのでしょうか?

越後屋!おぬしも悪よのう」
「お代官様にはかないませんわ」
……といった時代劇は多いのですが、悪を成敗するのはお忍びで各地を回っている副将軍だったり、お奉行様だったりします。
 一般庶民やジャーナリストや学者やらが力を合わせて巨悪と戦うパターンは日本ではあまりないのではと思います。
 
 私が高校生の頃、現代社会の先生が『水戸黄門』をえらく批判していて、そのココロについて当時の私はよく理解できなかったのです。
 今思うと、黄門さまや金さんなどに頼らず自分達で行動するのが正しい民主主義だということなのでしょうか?

 例えば、黒木和雄監督、原田芳雄主演の映画『原子力戦争』では、巨悪に挑んだヤクザ者は殺害されジャーナリストは屈服しました。
 現代の日本は若い世代ほど権力に従順のようです。
 現代の若者から見れば、権力を批判するのはわがままのように思われるようです。
 だからマスコミも権力を批判すると権力からも読者からも叩かれます。
 これではいけない、民主主義を守れ!……という私のような考え方は今では時代遅れの古い考えなんでしょうか?
 そもそも権力に抵抗せず従順であれば、そこからは素晴らしい物語は生まれないと思います。

 それはともかく、「幻の怪盗」エド・ジェンキンズシリーズはペリー・メイスンシリーズほど有名ではありませんが、
何本かあるようです。
 ガードナーは多作・速筆だったようで、他にも色々なシリーズを描き分けているようです。
 ガードナーの作品は頭の切れる主人公が活躍するスピード感あふれる展開なので面白い。
 色々と読みたくなってきました。


 鶴書房のミステリ・ベストセラーズは二本の作品が収録されていて、一冊で二度楽しめます。
『暗黒街をつぶせ』の同時収録はフランク・グルーバーの『ささやくレコード』。
 インチキセールスマンのジョニー&サムの凸凹コンビが貴重なレコード原版を巡って活躍します。
 やり手のジョニーの口八丁手八丁の言動やジョニーとサムのやり取りが面白い。
 
 しかし、ミステリーとしてはトリックや解決が強引というか唐突のような気がします。
 結末は抜きにして過程を楽しむ作品ではないでしょうか。

 本書についてネットで検索したところ、そもそも鶴書房推理小説ベストセラーズは古いしマイナーなようで、あまり言及がありませんでした。
 その中で、老書生様の【圏外の日乘】というブログに非常に詳しい解説がありました。
 氏は日本での初出を雑誌にまで遡って調査されていました。
 私もこのレベルまで達したいと目標にしたいところですが、とても初出雑誌まで遡る能力も根気もありません。
 せめて本を読んで感想文をネットに上げることで埋もれた名作の発掘・継承の一助になればと思っています。


★このシリーズは他にこんな本もあります☆彡
 
冒険家クラブ/七つの時計
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/2018/11/25/100414

なぞの怪盗セイント/美少女と宝石
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/2025/02/24/193713

物体Xの恐怖/防衛司令官
  https://sfclub.sakura.ne.jp/sf31.html

【編集後記】
 まぐまぐ公式メルマガの末尾で、当メルマガが「光る原石」として紹介されました!

━━━━━━━━━━━━━━━━━
■スタッフ厳選!「新創刊メルマガ」
━━━━━━━━━━━━━[PR]━
毎週100誌を超える新創刊メルマガから、
スタッフが *光る原石* をご紹介!

●20世紀少年少女読書倶楽部
https://www.mag2.com/m/0001699270.htm
ほぼ 月刊

 ご紹介ありがとうございます。
 その効果か、少し読者の方が増えています。
 新たに読者になって下さった皆様、初めまして。
 もし期待外れな内容だったら申し訳ありません。
 こんな風にゆるくまったりと細々とマイペースで続けていくつもりなので、
今後もよろしくお願い致します。


【バックナンバーはこちらのページからリンクしています】
   https://sfklubo.net/retletero_magazino/



[wikipedia:E・S・ガードナー]


ミステリー・推理小説データベース
 自身も弁護士として活躍したアメリカ随一の人気ミステリー作家
  E・S・ガードナー(Erle Stanley Gardner)
   〔別名 A・A・フェア (A. A. Fair)〕
    https://www.aga-search.com/writer/erle_stanley_gardner/
     暗黒街をつぶせ ささやくレコード
      https://www.aga-search.com/writer/erle_stanley_gardner/55.php
  
ameqlist 翻訳作品集成(Japanese Translation List)
 E・S・ガードナー E. S. Gardner
  https://ameqlist.com/sfg/gard_es.htm


圏外の日乘
 E・S・ガードナー『暗黒街をつぶせ』
  https://ameblo.jp/oldstudent/entry-11968711648.html
 E・S・ガードナー『地獄の扉を打ち破れ』
  https://ameblo.jp/oldstudent/entry-11969141662.html

金と権力と原子力にはかなわない【原子力戦争 Lost Love】
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/2022/10/29/200407


ミステリー・推理小説データベース
フランク・グルーバー(Frank Gruber)
〔別名 スティーヴン・エイカー (Stephen Acre)〕
〔別名 チャールズ・K・ボストン (Charles K. Boston)〕
〔別名 ジョン・K・ヴェダー (John K. Vedder)〕
  https://www.aga-search.com/writer/frank_gruber/


ameqlist 翻訳作品集成(Japanese Translation List)
 フランク・グルーバー Frank Gruber
  https://ameqlist.com/sfg/gruber.htm

圏外の日乘
 フランク・グルーバー「レコードは囁いた……」
  https://ameblo.jp/oldstudent/entry-11969914436.html


世界の名探偵7 ペリー・メイスン
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/2025/01/13/175419

X線カメラのなぞ レスター・リースシリーズ
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20170907/p1

●メルマガ始めました!
  20世紀少年少女読書倶楽部

  
      人気ブログランキング  人気ブログランキング
         ↑人気blogランキングにご協力お願いします。m(_ _)m     
      

 お読み頂きありがとうございます。
 ご意見ご感想・ブックマークなど頂けましたら励みになります。
 コメントやはてなスターもお待ちしております。m(_ _)m
(なお、当ブログはアフィリエイトを利用しています)