【20世紀少年少女読書倶楽部】第4回
20世紀後半の小学校の図書室にタイムスリップ!
私が少年時代を送った20世紀後半の頃に小学校の図書室に入っていたような本を
発掘し紹介するメルマガです。
今回借りて来た本は
沖縄ー苦難の歴史から新しい沖縄へ
矢代堅二・著
あかね書房少年少女20世紀の記録
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【目次】
一、昇る太陽の国(アマン世)
二、ねらわれた守礼の国(沖縄世)
三、悲劇の王国(薩摩世)
四、新しき時代へ(大和世)
五、沖縄の戦い(戦ゆと苦世)
六、立ち上がる沖繩の同胞(アメリカ世)
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あかね書房の「少年少女20世紀の記録」シリーズから、『沖縄』を借りてきました。
当時の子ども向けシリーズには「少年少女」と銘打ったものが多かったですね。
このシリーズは水色の表紙のシリーズで、小学校の図書室の入り口付近の棚にありました。借りたことなかったけど。
戦後に沖縄が本土復帰したのは1972年。本書はその直後に書かれたもので、沖縄の歴史が記されています。
第一章では沖縄の神話時代から始まります。
沖縄神話は日本神話と共通することも多いようです。
沖縄の神話と日本の神話を比較するのも面白いテーマだと思います。
沖縄人の祖先は日本人と共通なので、沖縄人は異民族ではなく日本人だ、というのが本書の一貫した主張です。
その後沖縄では北山国、中山国、南山国の三国時代となり、各国で独自の外交を行います。
大和の国や中国とも交易していたようです。
大和の国からは神社(神官)や寺(僧侶)も受け入れていたというのだから、宗教的には全く日本的です。
二度に渡る元寇の後、1291年と1297年に元軍は沖縄にも来襲したが撃退したそうです。
元軍もしぶといというかしつこいですが、あの元軍と戦って追い返したのだから当時の沖縄の軍事力もすごかったのです。沖縄の元寇は面白いテーマではないでしょうか。
その後沖縄では三国が統一され、刀狩りが行われ、文化的に黄金時代を迎えます。
ここまでが第一章です。
第二章では、薩摩による侵略が描かれています。
古来より沖縄と薩摩は交流が盛んでしたが、戦国時代の拡大政策により薩摩が沖縄を支配下に置こうとしたのです。
豊臣秀吉や徳川家康に圧迫された島津氏が沖縄を侵略するという二重構造があります。
本書では沖縄の謝名親方(じゃなおえかた)が六尺豊かの偉丈夫の主戦派(まるで怒りの仁王)として描かれています。
この辺の歴史的事項はNHK大河ドラマ『琉球の風』のテーマとなっていました。
私もリアルタイムで見ていたのですが、ほとんど忘れています。
確か沢田研二が尚寧王を演じ、 谷村新司『階-きざはし-』がテーマソングでした。
大河ドラマでは謝名親方(じゃなうぇーかた)は江守徹が演じ、学識豊かな文化人指導者タイプとして描かれていたように思います。
(間寛平や工藤夕貴が出てたのは覚えてますが、ショー・コスギや原田知世が出ていたのは忘れていました)
沖縄と日本を考える上でこの大河ドラマは貴重な作品だと思います。再見したくなりました。
第三章では、薩摩に首里の都を焼かれ支配された沖縄の人々の試練の歴史が描かれています。
第四章では、明治維新による沖縄の変化が描かれています。
鎖国をしていた江戸幕府末期、列強各国が日本に通商を求めて来航しましたが、沖縄にも色々と来ていたようです。ペリーも浦賀に来る前に沖縄に来ていたのです。
日本の幕末期には開国派と攘夷派で争いがありましたが、沖縄もその争いに巻き込まれて色々な暗闘があったようです。
明治維新が成立した後も、沖縄の待遇は改善せず色々と翻弄されます。
アメリカと中国(清)の思惑で沖縄分島構想が出たりしたそうです。
沖縄における幕末から明治維新に至る歴史も興味深い歴史だと思います。
第五章は太平洋戦争末期の沖縄戦について記されています。
軍人でない一般市民や学生達も市街戦に巻き込まれて戦闘に加わったという悲劇です。
かつてこういう悲惨な歴史があったということは知っておくべきでしょう。
第六章では戦後のアメリカ支配から本土復帰までの概略が描かれています。
以上、簡にして要を得た沖縄の歴史が描かれた一冊でした。
多くの歴史的人物の固有名詞が登場していますが、 物語風に描かれていて、セリフも入ってキャラ立ちしているので記憶に残りやすい。
本書一冊を読めば沖縄の歴史に詳しくなったような気になります。この後本格的な沖縄史に挑戦する入門書として使えます。
本書を読む限り、島津氏から支配されてから以後、沖縄は試練の連続です。
武力を持たないから大国に翻弄され蹂躙されたんだ、だから武力は必要だ!と考えることもできるでしょう。
しかし、強い軍隊がありさえすれば住人が幸せになれるわけではないでしょう。
現代、世界には軍事大国と言われる国が多くあります。その国の国民は果たして幸せな生活を送っているように見えるでしょうか?国民が幸せに生きるためには軍国主義よりも民主主義が大切だと言えるでしょう。
我々は今まで「西洋民主主義」を理想とする世界観の中で生きてきました。
その理想は現在、どうなっているでしょうか?
日本は敗戦後、アメリカに守られてきたように思います。
その一方で米軍基地の負担は多くは沖縄に押し付けてきました。
米軍による沖縄人に対する犯罪も多くは見逃されてきました。
それでは今後、日本はどのような国を目指すべきなのか。
曲がりなりにも民主主義が認められている世の中に生れて来た者として、
民主主義を守り次世代に継承していくことが必要ではないでしょうか。
例えば、首相のアホな失言のために中国との緊張が高まっています。
嘘か真か分かりませんが、ある調査では日中戦争に賛成する人が半分弱に達したそうです。
首相が初の女性なら戦争を始めていいのですか?日本が軍国主義化してもいいのですか?
首相の失言をフォローするために国民が戦争を肯定するというのは、民主主義の敗北ではないでしょうか?
「初の女性総理大臣」なんてことに惑わされず、日本や沖縄の歴史を勉強し直してよく考える必要があるのではないでしょうか?
以上、読んできました。
23字×17行×2段×206頁
ぎっしり文字が詰まって読み応えあります。読破するのに時間がかかりました。
当時の小学生はこんな本を読んでいたのでしょうか?
文字数にしろ内容にしろ、現代の大人顔負けの本です。
民主主義の維持と再生のために、まずこういった本を読むことから始めましょう。
そうしないと当時の小学生達から笑われるでしょう。
★このシリーズは他にこんな本もあります☆彡
『奇跡の医学/生命とたたかう人びと』八杉龍一
『国際連合のかつやく/世界平和の戦士』白木茂
『公害-地球をむしばむもの』 黒崎静夫
【編集後記】
今回、ノンフィクションに挑戦してみました。このシリーズ、骨があります。
速読ができない私は読破するのに苦労しました。
当時の小学生はこんな本を読んでいたのでしょうか?負けそう。
沖縄をテーマに選んだのは、沖縄問題が今後の日本を考える上で重要な問題であることもあります。
また、「アストロ風水」という占いで見ると、私の開運線が沖縄を走っているということもあります。沖縄に行ったり、沖縄に関するグッズを取り入れたりすると開運できるそうです。
海外旅行に行ったことない私にとって、沖縄や北海道は国内ながら海外を感じさせる地方でもあります。
いずれ沖縄や北海道に旅行に行きたいと思っています。
【バックナンバーはこちらのページからリンクしています】
https://sfklubo.net/retletero_magazino/
万年週末占い研究青年の覚え書き
吉方位旅行と併用したい!アストロ風水開運法
https://iching.seesaa.net/article/458032619.html
●ブクログ https://booklog.jp/item/1/4251080998
●読書メーター https://bookmeter.com/books/3176011
北山敏和の鉄道いまむかし
太平洋戦争等の記録
沖縄――苦難の歴史
(『沖縄』矢代堅二著、少年少女20世紀の記録20 あかね書房 1982年刊)
https://ktymtskz.my.coocan.jp/J/okinawa/akane0.htm
NHKアーカイブス
大河ドラマ 琉球の風 〈第31作〉
https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0009010402_00000
NHKオンデマンド 琉球の風
https://www.nhk-ondemand.jp/program/P202500471100000/
名古屋刀剣ワールド 琉球の風
https://www.meihaku.jp/taiga-list-detaile/ryukyunokaze/
発想転換の踏み台
復帰50年の今年、沖縄を描いた唯一の大河ドラマを復活させてほしい
https://unibiriyani.hatenablog.com/entry/2022/02/16/211917
ameqlist 翻訳作品集成(Japanese Translation List)
あかね書房(Akane Shobo)/少年少女20世紀の記録 1963-1973年
https://ameqlist.com/0a/akane/kiroku.htm
横浜読書会
小学生のときに読んだ本▶まだ会社員
https://note.com/kuribooks/n/nbcc16e15727b
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20世紀少年少女読書倶楽部

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