麒麟がくる　第20回「家康への文」

第20回「家康への文」
　　https://www.nhk.or.jp/kirin/story/20.html
　　
　　麒麟がくる前編 (1) (NHK大河ドラマ・ガイド)　
　

　　
　桶狭間の戦いまであと１週間！今回は桶狭間決戦に至る直前の状況が描かれました。
　今川義元（片岡愛之助）はズラリと並んだ家臣達の前で張り切っています。
　

　
　太原雪斎（伊吹吾郎）がいた頃は二人きりでいるシーンが多く、雪斎が義元公の意志を忖度して代弁することが多かった。
　しかし雪斎亡き今、義元公自身が自ら自分の言葉で話す必要があります。
　これは親離れして義元公が成長したということなのでしょうか。
　それとも、雪斎の抜けた穴を埋める側近がいないということなのでしょうか。
　そしてこの状況が果たして吉と出るか凶と出るか？
　
　生活が苦しい中でも尾張の情勢に気を配る光秀（長谷川博己）。
　左馬助（間宮祥太朗）を尾張に派遣したり作戦を考えたり帰蝶（川口春奈）に手紙を書いたり。
　だからさっさと抜け道を通って尾張に行って士官したらいいのに。
　
　駒（門脇麦）はお灸の腕前が上がって、望月東庵先生（堺正章）の漢方薬＆鍼治療と役割分担の形ができてきたようです。
　私は冷え性なので鍼で刺されるよりもお灸で温められる方が好きです。
　鍼灸治療は信頼できる日本の伝統医療なので、食わず嫌いせずに一度試してみたらいいですよ。
　
　そして東庵先生を前に義元公が表情豊かに語る！
　こんなに義元公が話したのは初めてではないでしょうか。
　斎藤道三（本木雅弘）や織田信長（染谷将太）ばりの顔芸も見せてくれました。
　やはり雪斎がいなくなった今、今川家が目立つためには殿自らがアピールしないといけないのです。
　
　家族の生活を思ってようやく光秀（長谷川博己）が朝倉家に士官する気になったようです。
　しかし面接試験は朝倉義景（ユースケ・サンタマリア）が来客と蹴鞠をするため延期となる。
　殿がお遊びのため延期、と正直に言う側近も側近です。
　ここは「都からの来客の接待のため」とか何とか言うべきでした。
　これではバカ殿とバカ家臣です。
　朝倉家はたるんでいるとしか言いようがない。

　信長は於大の方（松本若菜）と水野信元（横田栄司）を通じて松平元康（風間俊介）の寝返りを画策。
　現代に生きる我々は、この戦いでは織田方が勝つと分かっています。
　しかし当時の状況を見れば、圧倒的に今川方が優勢だったのではないでしょうか。
　松平元康の立場として考えれば、今川を裏切るメリットはあったのでしょうか。
　今川を裏切っても今川が織田に勝てば結局は今川の脅威に直面します。
　それならこのまま有利な今川の味方をして今川家のおこぼれにあずかっている方が安泰ではないでしょうか。
　それから、元康の気持ちはどうなんでしょうか。
　菊丸（岡村隆史）をはじめ地元の方々が今川家を憎んでいるというのは分かります。
　元康も子ども時代は今川についた父は死んで当然とか、今川を倒すために人質になる（意訳）とか言っていました。
　しかしその後太原雪斎に教育を受けて、今は今川家についてどう思っているのでしょうか。
　寄らば大樹ということでこのまま今川家の子会社としてやっていく方が楽ではないでしょうか。
　これを今川家から見ると、小さいながら一国の跡取りを育ててエリート教育まで受けさせているのだから、太陽政策で心酔させないといけないところです。
　北風政策で憎まれていては何のためにエリート教育を受けさせたのか分かりません。
　そこら辺を今までポーカーフェイスを保っていた義元殿が東庵先生を前に表情豊かに訴えていました。
　今川家の人質教育政策が吉と出るか凶と出るかでもあります。
　
　しかしいずれにしても今度の戦では今川家に着く方が有利ということは変わりません。
（歴史的に織田家が勝ったということが分かっているので判官びいきの私は今川びいきです）
　私が元康の立場だったとしたら、神頼みするでしょうか。
　駒さんから戦で死なないというお守りをもらっていました。これはご利益ありそうです。
　あとは加納随天（平幹二朗）のような神がかった祈祷師・占術家のアドバイスが欲しいところ。
　そして現実には、まさかの織田勢の大逆転に終わりました。
　一寸先は闇です。
　私としては、このような究極の選択を迫られる立場にはなりたくないものですね。