◆◇【少年少女世界の名作文学ブログ・完全版】◇◆
第12回配本 秘密の花園
(メルマガ 少年少女世界の名作文学ブログ・速読み版 の完全版です。)
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毎月1回を目標にしているこのコーナー、1月号の発行が遅れて今頃にずれ込みました。
2月号と合併号ということにさせて頂きます。
さて今回は、民放ドラマで似たようなタイトルのドラマが始まったということで、バーネットの『秘密の花園』です。
『秘密の花園』は、子供向け名作文学としてはメジャーな方に属するのではないでしょうか。
私が子どもの頃も、妹が子供向けの翻訳を買っていました。(確かポプラ社文庫版)
しかし私は、タイトルがいかにも女の子向けっぽいので、こんな題名の本を読むのは恥ずかしいとばかり、読もうとは思いもしないことでした。他にも『赤毛のアン』『若草物語』『小公女』など、タイトルを見るだけで拒否していた本がちらほら。
しかし、女の子向けだからだとか、逆に男の子向けだからと思い込んで読まないのはもったいないことです。
文学に男の子向け、女の子向けなんて性別は関係ないのでどんどん読んだらいいのです。
ちなみに以前も書きましたが、TVアニメでも「女の子向けだから」と本気で見なかったのが今でも悔やまれる作品として『ラ・セーヌの星』『はいからさんが通る』などがあります。これらは歌もいいですね。
さて、私と『秘密の花園』との出会いですが、恐らく現代文の大学入試対策の問題文として読んだのが最初かと思われます。
当時センター試験の現代文では、論説文と小説から1題づつ出題されており、「秘密の花園」は、小説のパートの問題文となっていました。
確か、広い屋敷の中で男の子の泣き声が聞こえてくるという不思議なシーンであり、この不思議な小説は一体何なんだ、と驚きました。
その時に『秘密の花園』が強烈にインプットされ、その後いつ、どの本で原作を読んだのかはしかとは覚えていませんが、ともかく完訳版を読み、期待に違わぬ傑作だと感動して、その好印象は今まで続いていました。
このように大学受験対策で名作を読むきっかけになるというのはいいですね。
私は他に夏目漱石の『三四郎』も受験勉強で知り、読むことになりました。
ストーリーです。
インドで暮らしていたメアリは、コレラのため家族を失い、イギリスの田舎に住むクレーブンおじさんの家に引き取られます。
ところがこのおじさんは10年まえに美しい奥さんを亡くしたために人間嫌いになっています。
荒れ野のはずれに600年も昔から一軒だけぽつんと立っている大きな屋敷。部屋の数は100もあるが、ほとんどが締め切ったままになっている。
家の周りは広い庭が幾つもあり、その中に一つ、塀で締め切られて入ることが許されない花園があるという。
そのような陰気な屋敷での生活を始めることになったメアリ。
インドでは親から放任されて育てられたために気難しくかんしゃく持ちだったメアリですが、女中のマルサの人格に感化され、自然と触れ合うことで、やがて健康で思いやりのある丸い性格になっていく。
やがてメアリは締め切られていた花園に入る入り口と鍵を見つけ、マルサの弟のディッコンと一緒に花園の整備を始める。
メアリは屋敷の中で隠れて住んでいた、クレーブンおじさんの本当の息子・コリンを発見し、仲良くなる。
心身ともに不健康なコリンも花園で遊んだり園芸をしたりしているうちに見違えるほど健康になっていく。
旅行から帰ってきたクレーブンおじさんは元気になったコリンと面会し、心通わせるのだった。
色々と面白いシチュエーションや伏線が出てくる物語です。
物語作成のコツは本書から色々と学べるでしょう。
私としてはまず、大きな屋敷で部屋は多いのに一部しか使われていない、という設定に魅かれました。
江戸川乱歩の小説に出てくる洋館なんかを思わせる設定です。
個人的に私は、幼い頃訪ねた祖母の家を思い出します。
私の祖母は父方も母方も、一人で大きな家に住んでいました。洋館ではなく和風の家ですが。
私が母親と一緒に訪ねて行った時、使う部屋は決まっていて、他の部屋は締め切って使っていないのです。
私は面白くて探検などするのですが、夜は一人で怖くないのかな、と思っていました。
それらの家も、もはやありません。
ともかく、そのような私の個人的思い出を刺激するような設定です。
この広い屋敷の中で、メアリは迷子になってしまいます。
私も広い祖母の家で迷子になる夢を見たことあるようなないような。
クレーブンおじさんは、奥さんと一緒に花園で花を作っていました。
ところが、愛する奥さんを花園での事故で亡くしたため、その花園を塀で囲み、鍵を埋めて入れなくしてしまいました。
女中からこの話を聞いたメアリは、かえって興味を魅かれ、その花園を捜して入ろうと決意します。
人間、禁じられるとかえって入りたくなるものです。メアリがそう思うのも当然ですし、読んでいる読者もそう思うでしょう。
メアリは広い庭を歩き回り、ついに花園を囲む塀を見つけます。しかし、その塀はつたで覆われ、入り口が分からなくなっているのです。メアリは入り口を捜します。
このあたりもワクワクする展開です。非常にうまい描き方ですね。
入り口を捜すという物語では、ウェルズの『塀に付いた扉』も好きです。この物語、何度も読み返しました。
日常生活でも、ひょっとしたらこの物語の“扉”があるのでは、という空想に浸ったりしています。
庭でメアリは、こまどりと仲良くなります。
園丁のベンじいさんによると、このこまどりは、塀で囲まれた花園の中で生まれたようです。
そして、中に入りたいメアリの苦労をよそに、塀で囲まれた花園の中と外を自由に出入りしています。
塀に囲まれて自由に出入りできない花園を潜在意識の象徴と考えると、それを自由に行き来するこまどりは、何の象徴になるのでしょうか。
そしてメアリは、こまどりに教えられ、花園の入り口と鍵を発見します。
10年も放置されていた花園は、それでも荒れ放題ではなく、まだ生きていました。
メアリは、マルサの弟のディッコンと共に、花園の整備を始めます。
そしてメアリは、自然に触れ合うことでどんどん身体と精神が健康になっていきます。
自然に触れて身体を鍛えることが精神面にもいい影響を与えるのです。
この花園に関するエピソードだけでも面白いのに、この物語にはもう一つ、コリンに関するエピソードも絡んできます。実にうまい設定です。
メアリは、時々夜中に屋敷の中で男の子の泣き声が聞こえてくるのに気付いていました。
不思議に思ったメアリは、広い屋敷を探検し、やがて泣き声が漏れてくる部屋を突き止めます。
その部屋の中には、コリンがいたのです。
まさか現実の人間がもう一人いたなんて。これは作者が意図的に隠していたことです。
メアリにも読者にも、屋敷の中にクレーブンおじさんの息子が住んでいるという情報は与えられていません。
だから突然、コリンが登場して驚かされるわけです。
メアリにしてもコリンにしても、お互いの存在は知らされていません。
だからコリンにしても屋敷に女の子が住んでいるとは思いもよらず、夜中に突然女の子が部屋に入ってきて驚いたことでしょう。
私などは屋敷から泣き声が聞こえてくると、人間じゃなく幽霊を疑うタイプの人間です。
だからもしメアリの立場だとしたら絶対、「幽霊じゃないか」と怖がって部屋の中で縮こまってしまい、泣き声の正体を突き止めることなど絶対にできないでしょう。
もしコリンの立場だとしたら、夜中に突然ドアが開いて女の子が入って来たら、
「ギャー!幽霊が出たー!」
と驚いてしまうでしょう。
しかしコリンもメアリも意外と冷静です。この当時の少年少女はなかなかたくましい。
クレーブンおじさんの奥さんは、コリンを産んでからすぐに亡くなりました。だからクレーブンおじさんは、コリンを見ると奥さんを思い出すため、ほとんど放ったらかし状態だったのです。
一人で放任されてわがまま一杯で不健康に育ったコリンですが、やがてメアリやディッコンと一緒に花園に行くことで、健康になっていきます。園芸療法のようなものでしょうか。
そしてクレーブンおじさんは、旅先で亡き奥さんの声を聞きます。
幸せはクレーブンおじさんにも訪れるのです。
気難しくて不健康なメアリが屋敷に来てから、自然に触れ合うことで健康を取り戻し、コリンやクレーブンおじさんを幸せにしていきます。
メアリをここまで導いたのは、女中のマルサやその弟のディッコン、そしてマルサの母親のソワビー夫人の影響を忘れてはなりません。
人々の親切による幸せの連鎖と自然の恵みが、不幸な人達を健康に、幸せにしていきます。
この物語の中では“園芸療法”“自然療法”が描かれています。
そしてこの物語を読むことは、“読書療法”のような効果があるのではないでしょうか。
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1◆少年少女世界の名作文学14(名作文学50巻版)アメリカ編5(1964年)
◇秘密の花園 バーネット原作 谷村まち子(訳・文) 山中冬児(絵)
2◆カラー名作 少年少女世界の文学9(文学30巻版)アメリカ編3(1968年)
◇秘密の花園 バーネット原作 谷村まち子(文) 山中冬児(絵)
3◆少年少女世界の名作14(名作55巻版)アメリカ編4(1972年)
◇秘密の花園 バーネット原作 佐伯千秋(文) 伊勢田邦貴(絵)
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さて、今回読んだのは、いつもの小学館の児童文学全集から。
1と2は文は同じで、絵は同じ方が描かれていますが、新しく描き直しています。
そして3は訳者が変わっています。
この訳の違いについて、ちょっとした面白いことがあります。
1と2の谷村訳版では130ページ近い分量が費やされているのですが、3の佐伯訳版ではわずか80ページ程度しかありません。だから当然谷村訳版の方が詳しく、佐伯訳版の方が省略が多いはずです。
例えば冒頭からして、谷村訳版では、クレーブンおじさんが女中がしらのメドロック夫人に、めいのメアリを迎えにいくように命じて、メドロック夫人が内心嫌がっているシーンから始まっています。
ところがページ数の少ない佐伯版ではそのシーンをカットして、いきなりロンドン駅でメアリとメドロック夫人が面会するシーンから始まっています。
このように佐伯版ではページ数が少ない分、谷村版に比べて省略したり短くまとめたりしている部分があります。
しかし、佐伯版では、その後の展開に重要と思われる伏線と思われるようなポイントをうまく抽出しているように思います。
一番顕著な例として、メアリとコリンが初めて会った晩のシーン。
コリンの部屋の暖炉の上に、カーテンが閉まっています。コリンがメアリにカーテンの中を見せてあげる、と言ったのでメアリがカーテンを引くと、中からコリンの亡き母親の肖像画が出てきます。コリンにはその母親の面影があるようです。
1ページ大のカラーの挿絵もあります。なかなか印象的なシーンです。
非常に重要なシーンかと思われますが、ページ数の多い谷村版ではこのシーンはありません。
また、メアリがお屋敷に来て初めて晴れた日の朝、メアリは感動してマルサ(佐伯版では“マーサ”表記)に話しかけます。メアリはマーサの家に行きたい、と言いますが、ディッコン(佐伯版では“ディコン”表記)が自分を好きになってくれるかどうか不安になります。
「だれだって、あたしが好きな人、いないんだもの。」
沈むメアリに、マーサは考える顔つきになり、問いかけます。
「あんたね、じぶんは、好きかね?」
メアリはびっくりして答えます。
「ちっとも好きじゃないわ……。だけどね、そんなこと、考えたことなんか、なかったわ。」
「おっかさんが、こういったことがあるだよ。わたしはそのとき不きげんでよ、人のわるぐちばかりぶつくさいいつづけていただ。
『マーサよ、おまえ、いまほんとにうるさいあまっこだ。そんなに、あれがきらい、これがすかんといってるだが、いったい、そんないまのじぶんは好きかね?どうだね?』
ってね。
『どうせ、うるさいあまっこだわ。』
といったけんどよ、そのあとで、はっとしただよ。そんときのわたしみたいによ、ぶつくさいうばかりのうるさいあまっこを、だれが好きだろうかと、思ってね。」
マーサやディッコン、そしてその母親のソワビー夫人は、わがままでかんしゃく持ちのメアリの人格を丸くする上で非常に重要な役割を果たしています。
この会話は、マーサやソワビー夫人の性格や考え方、そしてメアリへの接し方を考える上で非常に重要な会話かと思われます。
谷村版では省略されたこの会話を、佐伯版では収録しています。
また、メアリとディッコンがコリンを初めて花園に連れて行った時、ディッコンが行った台詞も非常に重要かと思われます。
「うちのおっかさんに聞いたけど、死んだ母親って、またこの世にもどるってこった。
この花園に来て、ふしぎな気分になるのは、ここに、なくなったおくさまもいらっしゃるからだと思うんだな。」
その直後には、コリンが枝がベンチのように伸びている木を見ているシーンがあります。
恐らくそこからクレイブン夫人が落ちて命を落としたと思われる木の枝です。
それを見てメアリは、本当にコリンの母親がやって来ていて、その母親をコリンが見ているようだ、と思います。
コリンの父親であるクレーブンさんは、旅先で亡き夫人の声を聞きます。その声は、花園のことを言っています。
花園は、メアリやコリンを元気にする場所でもあり、クレーブン夫人が訪れて、コリンとクレーブン氏を和解させる場所でもあるのです。そう考えると、先に示したディッコンの台詞は、後の伏線になる重要な描写かと思われます。
この台詞も、佐伯版にしか収録されていません。
また、10年間放置されていたはずの花園が荒れ放題にならずにかろうじて生きていたのは、園丁のベンじいさんが時々塀を乗り越えて入って面倒を見ていたからだ、ということも佐伯版では触れられています。
また、旅先でクレーブンさんが亡きリリー夫人の夢を見、二人の間で交わされた言葉が2つの版で違いがあります。
(谷村版)
「リリー!リリー!おまえ、どこにいるのだ?」
「花園の中にいます。花園の中ですよ。」
(佐伯版)
「リリー、ぼくらは、どこにいるんだ?」
「まあ、ふたりの花園の中ですよ。」
原作ではどうなっているのでしょうか。
ページ数が少ないながらも、佐伯版は、その後の伏線となる重要なポイントを的確に抽出していることが分かります。この訳者の佐伯千秋という方は、かなりの実力があるのではと思われます。
検索してみると、作家のようで、コバルト文庫などに著書があります。
実際に作家として作品を描いているので、伏線の張り方など、物語の展開がうまいのでしょう。
佐伯版の特徴としてもう一つ、上の引用部で見たように、マーサやディッコンが方言で話していて、始めの頃は非常に違和感ありました。
最近はあまり使われていないようですが、昔の読み物やドラマなどで、地方出身の年老いた使用人や田舎のお年寄りなどが話していたような言葉遣いです。
マーサなどはディッコンより少し年上の姉で、まだ嫁入り前の若い娘なのに、こんな話し方をしているのではお年寄りのような感じがします。
その点、谷村版ではマーサもディッコンも、メアリやクレイブンさんと同じような標準語で話していて違和感ありません。(ただ、ディッコンがコリンにかしこまって話しているのが違和感があった。)
しかしアマゾンのカスタマーレビューを見ると、原作ではマーサやディッコンなど、地元の使用人連中はヨークシャーの方言で話しているようで、だから日本語の翻訳でも、方言を使って訳す版が多いようです。
方言で話す使用人に囲まれて育ったコリンはなぜかヨークシャー弁では話していないようです。
佐伯版では、コリンが冗談でヨークシャー弁で喋ってメアリを驚かせるシーンがあります。
このように、翻訳によって色々な違いが見られ、その違いを比べてみるのも面白いものです。
私は小学校高学年の頃から、
「抄訳はダメだ、完訳でないと!」
と思い込んで、背伸びして完訳版を読んでいました。
しかし子どもの頃は無理して完訳を読まなくてもいいのではないでしょうか。
私も“完訳原理主義”に陥る前は、同じ作品でも本(訳者)が違うと描き方が違うのが面白くて色々読み比べたりしていました。
また、児童向け翻訳は、読書の時間が取れない大人にとっても貴重な存在です。
完訳版でも、訳者によって全く違ったものになり、訳者ごとの違いを読み比べる楽しみがあります。
ドイルのシャーロック・ホームズシリーズやルブランの怪盗ルパンシリーズは完訳・抄訳を問わず色々特色のある翻訳が出ており、中には原作とは違った脚色を加えたものや、原作にはない訳者オリジナルの作品が紛れ込んでいたりします。昔のポプラ社の江戸川乱歩の少年探偵団シリーズなどは、大人向けの作品を子ども向けに“翻訳”した作品も混じっていたようです。
他人の翻訳を比較して楽しむ段階を過ぎれば、いずれは自ら原書で読んだり、自分で翻訳したりするところまでいきたいものです。まあそういうレベルまでは到底到達できませんが。夢です、夢。
素晴らしい作品については、これはこのまま完結させておきたいという気持ちと、続編を読んでみたいという相反する気持ちが出てきます。
アマゾンのくまきち様作成のリストマニア!「秘密の花園マニア」には、続編の記述があります。
http://www.amazon.co.jp/%E7%A7%98%E5%AF%86%E3%81%AE%E8%8A%B1%E5%9C%92%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%82%A2/lm/3TYFNE5PKS4RZ より
Return to the Secret Garden (G K Hall Large Print Book Series)
- 作者: Susan Moody
- 出版社/メーカー: G K Hall & Co
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Till All the Seas Run Dry: A Sequel to "The Secret Garden"
- 作者: Susan Webb
- 出版社/メーカー: John Owen Smith
- 発売日: 1998/10
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Misselthwaite: The Sequel to the Secret Garden
- 作者: Susan Moody,Maureen O'Brien
- 出版社/メーカー: Chivers Audio Books
- 発売日: 1996/09/01
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また、「やまねこ翻訳クラブ」様には、続編の映画の情報の記載があります。
やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/
>メニュー>資料室> ジャンル別>映画になった児童文学>F・H・バーネット(1849 - 1924)
RETURN TO THE SECRET GARDEN 2000年アメリカ
BACK TO THE SECRET GARDEN 2001年アメリカ・ドイツ
この2本はタイトルが似ているけど、続き物でパート2、パート3という扱いなのでしょうか。
それとも別個に独立したものでしょうか?
(しかしリンクはトップページに、という要求は酷だ。折角立派な資料を作成されているのに直接リンクができないとは不便。悪意ある利用は困りものだが、善意の愛好家の活用まで妨げるとは。インターネットは無料で有意義なサイトにリンクできることが命なのに。)
解説によると、バーネットはイギリスに生まれましたが父親が幼い頃に亡くなり、残された一家はアメリカに移住したそうです。
この物語に登場する花園は、10年間忘れられていた後復活し、メアリやコリンやクレーブンおじさんに生きる力を与える、秘密の力を持った場所であります。
また一方で、バーネットにとって、幼い頃に離れた故国・イギリスを象徴する場所なのかも知れません。
バーネットの『秘密の花園』。
色々な方向から読める、非常に含蓄の富んだ深い物語です。
主人公はメアリということになっていますが、コリンやクレーブンおじさんを中心として読んでみてもまた新たな発見があるのではないでしょうか。
私ならば立場的にクレーブンおじさんに一番近いので、共感することも多いか。
クレーブンおじさんにとって花園は、リリー夫人との幸せな時代を象徴する場所であります。
この花園に塀を囲っていた10年間は、自らの可能性に壁を作っていた時代。花園は自ら封印した機会を象徴しています。
そして、壁を取り払ってコリンやメアリらとの交流が始まる未来を象徴する場所でもあります。
本当に色々な読み方ができる物語です。
色々な翻訳を読み比べ、いずれは原文にも挑戦してみたい名作です。
子ども時代に女の読む本だ、と思って読まなかったことがもったいないですね。
子どもなら子どもなりに、大人になってから読んでも色々と発見のある名作です。
だからぜひ、読んでみて下さい。
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- 作者: 廉岡糸子
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運命/生き方を変える心理療法
【心理セラピストの映画紹介】『秘密の花園』
http://kojun.net/the-secret-garden
↑リンクありがとうございます。
∽∽∽☆∽∽∽★ ◇◇◇アカデミア 読書調査◇◇◇ ★∽∽∽☆∽∽∽8
日本人の読書体験を徹底調査!!……とは大袈裟な。
この作品の読書体験を問う!
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☆バーネット原作の『秘密の花園』を読んだことありますか。
◆原文で読んだことある
┗ http://clickenquete.com/a/a.php?M0000291Q0019463A1298a
◆完訳版で読んだことある
┗ http://clickenquete.com/a/a.php?M0000291Q0019463A2d7b6
◆抄訳版で読んだことある
┗ http://clickenquete.com/a/a.php?M0000291Q0019463A3aee6
◆絵本で読んだことある
┗ http://clickenquete.com/a/a.php?M0000291Q0019463A4a2da
◆マンガで読んだことある
┗ http://clickenquete.com/a/a.php?M0000291Q0019463A55be8
◆ない
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◆その他(コメントお願いします)
┗ http://clickenquete.com/a/a.php?M0000291Q0019463A73dc8
○結果を見る
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○コメントボード
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締切:2007年02月16日18時00分
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