OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

文筆家になりたいあなたに贈る言葉

 

 

こうすればあなたも必ず文筆家になれる
書いて書いて書きまくっているうちに
文筆家になった著者の体験的告白エッセイ

(帯より)
  
1997年5月31日 第1刷
1997年6月30日 第2刷
 
 2000年1月19日に実家のある県のブックオフで買ったというメモがある。その後大阪への引っ越しを経て、本棚の一番目立つ位置に置いたまま9年以上放置されていた。
 そもそも私の本棚はとっくの昔に満杯になってからもう機能していないのである。もっと機能的に整理しなければならない。
 
 思えばパソコンやインターネットがない時代、文章を不特定多数の人に読んでもらうなんて、新聞や雑誌の投稿に掲載されるか自費出版ですら狭き門で、出版社から本を出すなんて夢のまた夢であった。
 いつかは本を出したいと思っていた私は、本の出し方とかいうテーマの本を色々買い込んでいたものである。中には新聞や雑誌の投書で有名という方が書いた投書のための本まであった。
 まあそんな時代なのである。
 
 今はインターネットが普及し、ブログなんてのも出てきたから、状況は大きく変わっている。
 当然10年以上前に出版された本書も、時代遅れとなった記述も含まれている。
 
 第三章 文筆家になるための秘密兵器
において
 
秘密兵器・その1
 
として挙げられているのが、
 
「ポケットワープロ
 
なのである。
 ポケットワープロって、何ですか?
 ウィキペディアにもないし、グーグルで検索しても、そのものズバリ簡単に説明したページを発見できない。
 ワープロの小型版であろうか?
 
 もちろん私はワープロのない時代に生まれたのだから、時代的にはどこかで遭遇しているはずである。
 しかし機械ものには関心なかったので30近くなるまでワープロやパソコンはもちろん、ファミコンやプレステやらドリキャスですら全く知らないで過ごしたので当然分からない。
 本書に写真が掲載されているのを見ると、Eee PCのような感じである。
 今見ると、意外に良さそうである。ノートパソコンでは大きすぎ、携帯電話やスマートフォンEM・ONEでは小さすぎという隙間を埋められそうな大きさ。ネットにつながればこの大きさは魅力。
 だからこそEee PCに需要があったのだろう。
 著者の宮崎伸治氏は、外出時でもポケットワープロを持ち歩き、文章を思いつけば打ち込んでいるという。
 携帯電話でも文章を打ち込めるが、長い文章はやはり両手打ちできるキーボードでなければ駄目だろう。
 宮崎氏は今はEee PCなどのモバイルパソコンを持ち歩いているのだろうか?Eee PC発売前はどうしていたのだろうか?
 
秘密兵器・その2 アイパルサー
 
で宮崎氏は、書店でタイトル買いしたエッセイの書き方についての本の内容が古くて後悔したことを書いている。原稿用紙の書き方や筆記具についての記述は古くて時代遅れだ、と。
 では何が新しいのかというと、どこのワープロがいいかということらしい。
 しかし今ではこの記述自体も時代遅れとなっている。時代の進歩はすごいものだ。
 なお、ここで紹介されているアイパルサーとは、目の周りをマッサージする器具である。
 
 確かにそういった時代遅れとなった部分もあるが、文筆家に関する基本的な部分は時代に関係なく普遍的なものであり、勉強になる。
 
第一章 文筆家になるための5ステップ
 
は、ステップに沿って様々な本から贈る言葉を引用し、さらに著者の宮崎さんの体験談を語るという形式。
 
例えば「徹底的に自分を売り込んで連載を持たせてもらおう」
 
では、冒頭に佐藤忠男論文をどう書くか―私の文章修業 (講談社現代新書 576)』からの引用がされている。
 引用の内容は、投稿を続けても編集部から声がかかって論文を書かせてもらうようなことは原則的にはない、というもの。
 しかし宮崎氏自身はその常識を覆すことができた、と書いている。(どうやら佐藤氏自身もそのようである)
 それに関して宮崎氏は恋愛関係の体験を述べている。
 年下の女の子から積極的に言い寄られたが、その子はマイナス思考で、
「私には無理」
などマイナスなフレーズが口癖だったのでお付き合いしたくなかったそうである。
 私も究極のマイナス思考で、マイナスのリアクションが染み付いている。もしかしたら私も今までにマイナスのリアクションで周囲の人に嫌な思いをさせたかもしれない。いや、絶対にしているはずである。
 これは文筆家や恋愛のみならず人生全般に言える教訓である。
 
 その他、難しい言葉を使うのが好きな大学時代の友人を例に挙げて「分かりやすく読みやすい文章を書け」とか、原田宗典のエッセイを読んでこれがまさに「自分が楽しんで書いたエッセー」であり、エッセーとはこういうものかと理解したエピソードなど、文章を書く上で勉強になる指摘が。
 なるほど確かに分かりやすく読みやすくユーモアもあってうまい。
 
 それから本書の隠れた魅力として、所々に挿入されたイラストがある。話題に沿った一コママンガという感じで、面白まじめというか、飄々としたユーモアがあって面白い。井坂尚規という方が書かれているようだが、宮崎氏が知り合いに頼んで書いてもらったのだろうか。ツボにはまった。
 

 
 文章に関する本のコレクションに欠かせない一冊ではなかろうか。
 
 小説家・ライターになれる人、なれない人―あなたが書けない本当の理由 実行力をつける100の方法―世界の自己啓発家に学ぶ「すぐにやる」習慣 実践!アインシュタインの論理思考法 人生に勝つ資格を取る方法―忙しいほど夢が叶う「スキ間時間」勉強術
 
宮崎伸治の公式ホームページ
  http://homepage3.nifty.com/MIYAZAKI/
  
 

 
 ↑本書で紹介されていたライターになるための瞑想用の本。英国の本だから当然英語で書かれている。英語の勉強になるので英語で書きたい人にお薦めだそうだ。
  




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