OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

手塚治虫の“奇妙”なオムニバス

 手塚治虫のさらに奇妙な話 (主婦の友ヒットシリーズ) 手塚治虫のさらに奇妙な話 (主婦の友ヒットシリーズ) 
  
(私の個人的嗜好に基づいた、あくまでも個人的な感想です。手塚治虫やその作品やそのファンの方々を貶める意図はありません)
  
 2つに折って真ん中でホチキスで止めた週刊誌サイズの体裁。
「奇妙な話」ということですが、私の受けた感想はどちらかというと
「残酷・タブー実話」
です。
 手塚治虫もこんな作品を描いていたのですね。私がもし本書で手塚治虫初体験をしていたら、嫌悪していたと思います。
 第一印象は大事ですね。
 私が初めて手塚作品を意識して読んだのは「W3」でした。
  
 wikipedia:W3
  
 こんな素晴らしいSFストーリーマンガがあったんだ!という衝撃を味わいました。私にとっては今でも「W3」は手塚作品のベスト1です。
 それに対して本書は「奇妙な話」というテーマでありながら、何でこの作品がという選定でした。
(繰り返しますが、あくまで私の個人的感想です)
  
 まず良い方から。
 本書のベスト1は『新・聊斎志異 お常』でしょう。
 本編に入る前にマクラがあって落語のような語り口。豊富なページ数を存分に活かした構成です。
『I.L 蛾』はどんでん返しというか、結末が驚き。
『I.L』は読んだことないのですが、どんな設定なんでしょうか。一言解説が欲しい。
 
 wikipedia:I.L
 
『ヤジとボク』は、他の方の感想を見ていると、ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』に言及しているケースが多い。超有名作品のようですが私は読んだことない。基本的作品は読んでおくべきだと思いました。
 ちなみに、私が連想した作品は、ネズミつながりで小松左京の「見えないものの影」でした。
  
20世紀少年少女SFクラブ
 見えないものの影
  http://sfclub.sakura.ne.jp/sf10.html
   
(以下、私の個人的嗜好に合わなかった作品。決して手塚治虫やその作品・そのファンの皆様をけなしているわけではありません)
  
ブラック・ジャック』は2編収録されていますが、読んでいてあまり爽快感がない巻。
(マンガの神様の神作品に対して失礼な発言です。申し訳ありません)
『ドン・ドラキュラ ドラキュラ登場』も盛り上がりに欠ける巻。
『帰還者』は残酷タブー実話・都市伝説・真相暴露・ワイドショー・実話週刊誌的な話をSF的設定で描いたもの。
『アトムの最後』は悪い意味で“奇妙”な作品。
 本当に手塚治虫が描いたのでしょうか?たちの悪い模倣作を読まされているような感じ。登場キャラの性格が異常で展開も気持ち悪い。後味が非常に悪い作品です。
 この作品についてアマゾンカスタマーレビューで解説されている方がおられました。
 読み切りの形で描かれた巻で、当時の手塚先生は精神的に悪い状態だったそうです。
 その方も書かれていましたが、やはり過去の作品を再編集して発売する場合、初出データだとか作品解説だとか時代背景だとか入れるべきでしょう。
 単に集めて本にして売っただけでは楽な商売で安直過ぎます。
 
 wikipedia:アトムの最後
 wikipedia:鉄腕アトム
  
 手塚治虫のさらに奇妙な話 (主婦の友ヒットシリーズ) 手塚治虫の奇妙な話 (主婦の友ヒットシリーズ) 手塚治虫 生誕90周年記念 手塚治虫の泣ける話 (主婦の友ヒットシリーズ) 手塚治虫のさらに泣ける話 (主婦の友ヒットシリーズ)
  
手塚治虫のさらに奇妙な話 - 株式会社 主婦の友社 主婦の友社の本
   http://shufunotomo.hondana.jp/book/b375557.html
  
手塚治虫生誕90周年記念「手塚治虫のさらに奇妙な話」
   https://hachidori.amebaownd.com/posts/4947289
手塚治虫生誕90周年記念「手塚治虫の奇妙な話」
   https://hachidori.amebaownd.com/posts/3941335
  
 wikipedia:オムニバス
 wikipedia:アンソロジー
  
ブクログ
  https://booklog.jp/item/1/4074308932
  https://booklog.jp/item/1/4074302845
読書メーター
  https://bookmeter.com/books/13120505
  https://bookmeter.com/books/12737086
  
テヅコミ 創刊号 Vol.1 個人的ランキング&感想
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20181023/p1
ミッドナイト ブラック・ジャック編 (秋田トップコミックス)
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20160225/p1

【アンケート実施中です!ご協力お願いします!】
過去の作品を編集してアンソロジーを発売する場合、解説を付けてほしいと思いますか?
  http://blog.with2.net/vote/v/?id=200512



        
         ↑人気blogランキングにご協力お願いします。m(_ _)m

          
↓また、ご意見ご感想・ブックマークなど頂けましたら励みになります。
 コメントやはてなスターもお待ちしております。m(_ _)m
   
 

ツイッターやっています。

 荒馬紹介のツイッター https://twitter.com/#!/aryamashoukai
荒馬紹介のツイッター保管庫 http://yorodzu.seesaa.net/
       ツイログ http://twilog.org/aryamashoukai

B級、マイナー、マニアック、濃い、アンチ読売巨人軍、時代遅れ、懐古趣味(除く軍国主義・戦争肯定論)、少数派、天邪鬼、ルサンチマン判官びいき、見世物、大道芸、B級・珍スポット、占い、超常現象、リベラルアーツ日本国憲法の改悪に反対する読書人の朝活会ありゃま支部員)

(もしよろしければフォローお願いします。余程のことがない限りフォロー返しさせて頂きます。
 但し、ネトウヨ、スパム、アダルト系、アフィリリンクが多いもの、外国語で読めない、その他フォロー返しできないと判断したアカウントはフォロー返しできません。)     

■[Twitter]まだまだ勝手に関西遺産 についてつぶやいた(3)
   https://diletanto.hateblo.jp/entry/20180526/p1
■[Twitter]まだまだ勝手に関西遺産 についてつぶやいた(2)
   https://diletanto.hateblo.jp/entry/20150107/p1
■[Twitter]まだまだ勝手に関西遺産 についてつぶやいた(1)
   https://diletanto.hateblo.jp/entry/20130622/p1        

■[自己啓発]ビジネス書検定
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20130106/p1

 
■[Twitter]Twitterログ保存ならSeesaaブログでしょう
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20130415/p1


Twitterのつぶやきの自動おまとめ投稿ができるようになりました
  http://info.seesaa.net/article/139493492.html
Twitterとの連携強化第2弾!おまとめ投稿ができるようになり ました
  http://info.seesaa.net/article/136213619.html             

        
         ↑人気blogランキングにご協力お願いします。m(_ _)m

          
↓また、ご意見ご感想・ブックマークなど頂けましたら励みになります。
 コメントやはてなスターもお待ちしております。m(_ _)m
   

現代アート、超入門! 藤田令伊

 現代アート、超入門! (集英社新書 484F) 現代アート、超入門! (集英社新書 484F) 

 現代アートの代表的作品を1つづつ取り上げ、現代アートの楽しみ方を考える12章。
 最初の方は

1 マティス『緑のしずのあるマティス夫人の肖像』
2 ピカソアヴィニョンの娘たち』
3 カンディンスキーコンポジションVI』
4 キルヒナー『ストリートシーン ベルリン』
 
……と、まだ、何とか分かりそうな作品がテーマ。
コンポジションVI』も抽象画ですが、描くのは技術が必要で簡単には描けません。
 ところがついに第5章で
デュシャン『泉』
が登場。

 この『泉』のような「考え方」を問うアートのことを「コンセプチュアルアート(概念のアート)」といっている。また、便器のように、すでにあるものを利用した手法は「レディメイド」と呼ばれている。そして、『泉』は、コンセプチュアルアートレディメイド双方の起源としてアートの歴史の金字塔となっている。

コンセプチュアルアート」とか「レディメイド」とかいうのは便利な概念です。身も蓋もない言い方をすれば、「芸術と言ったもの勝ち」なのです。
 私がそこら辺にある適当なものを適当に並べて写真に撮って
“「レディメイド」の「コンセプチュアルアート」だ”
と主張することも許されるのです。うまくいけば、親切な人が適当に理屈をつけて認めてくれるでしょう。
……と喜んでいたら、

9 ウォーホル『ブリロボックス』

でアートの定義論が再燃。
 哲学者アーサー・ダントーが結論します。
 
「それは鑑賞する側の人間(が決める)」
「ただ単にアーティストが「これはアートだ!」と述べているだけではアートとはいえない」
「鑑賞する側の合意があって初めて、アートは成り立つ」
 
 確かにこれでスッキリする結論です。
 しかしことはそれほど簡単ではないようで、アート界に身を置く人間でも人によって意見は違う。ましてや一般人の意見は百人百様なのです。
 実際、その後の章でも
 
10 セラ『傾いた弧』
11 セラーノ『ピス・クライスト』
  
などの百家争鳴の問題作が登場します。
 結局、本書の記述でも結論や解答のようなものは出ていないし、出せないものでしょう。
 しかし各章において問題作を前にしてあれこれ論じられた著者の見解を読むことによって、現代アートを身近に感じることができたような気がします。
 ツイッターで色々見ていますと、素人の方でも立派な現代アートを創作している方々が沢山おられるではありませんか。

12章 名作はあなたが見つけるもの!

と論じられていますが、さらにその上をいって
【名作は私が創作するもの!】
という気概を持ちたいものです。
 なお、本書で論じられた作品で私の一番のお気に入りは

7 マグリット『光の帝国』
 
 マグリットシュルレアリスムに属する方という。
 シュルレアリスムというと、ダリもそうですね。
 著者の藤田さんには今度は シュルレアリスム、超入門! を執筆して頂きたいものです。

 wikipedia:シュルレアリスム

 
 現代アート、超入門! (集英社新書 484F) 現代アート入門の入門 (光文社新書) 「なぜ?」から始める現代アート (NHK出版新書) 中・高生のための現代美術入門 ●▲■の美しさって何? (平凡社ライブラリー)


ブクログ https://booklog.jp/item/1/4087204847
本が好き! https://www.honzuki.jp/book/27069/
読書メーター https://bookmeter.com/books/138720


■[学問]大人の教養としてのアート入門 スマート新書
  https://diletanto.hateblo.jp/entry/20181110/p1

【アンケート実施中です!ご協力お願いします!】
現代アートに興味ありますか?
  http://blog.with2.net/vote/v/?id=200448

        
         ↑人気blogランキングにご協力お願いします。m(_ _)m

          
↓また、ご意見ご感想・ブックマークなど頂けましたら励みになります。
 コメントやリンク付きTBもお待ちしております。m(_ _)m