OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

アニメ版『三丁目の夕日』を応援しよう会(2)

 アニメ版『三丁目の夕日』、サンテレビにて毎朝7時半より再放送中!
 意外と埋もれた名作なので、記録を取るのも有意義かと思い、視聴レポートを行います。
 
 今回から、できるだけサブタイトルに記述された脚本と演出の担当者も記録していくつもりです。
 というのは、 http://www.geocities.co.jp/Playtown/3064/3choume.htm
のページで、空白欄が目立っているからです。
 私が記録することで少しでもデータの蓄積に役立つことができればと思いますが、録画せずに目で見て転記するつもりなので、日によっては記録できない日もあるかもしれません。
 そこら辺アバウトですがともかくやってみます。
 
第5回
●フランケン先生  脚本 萩田寛子  演出 原田寛次(?)
 転校生の北川美加は、ちょっとおっかなそうだが二枚目の理科の先生・イナバ先生に好意を持っている。美加は理科の時間に一平君から、
「イナバ先生はフランケンシュタインの子孫であって、立ち入り禁止区域となっている理科準備室の中で死体を解剖して人造人間を造る研究をしている」
と教わるが、信じがたくて半信半疑である。
 理科の苦手な美加はフランケン先生が担当する理科部に入って努力する。
 ある日、忘れていた先生の本を届けるために理科準備室に入った美加は、フランケン先生が死体を解剖しているのを目撃し、気絶する。
 実際は先生が行っていたのは人体模型の修理であり、理科準備室が立ち入り禁止になっているのは、危険な薬品や貴重な教材が収納されているからだった。
 学校の帰りにフランケン先生の家に寄った美加はきれいな奥さんやかわいい赤ちゃんを見て複雑な気分を味わう。
 
 今回の主人公は、第4回でも登場した北川美加クンです。もうお父さんの仕事は見つかったのでしょうか。
 格好いい先生にあこがれる、というのはこの年頃の小学生によくあることなのでしょうか。女の子の気持ちに通じている(?)西岸良平さん。
 
 理科の先生がフランケンシュタイン博士の子孫で、理科準備室内で怪しげな研究をしている、という冗談は面白い。さすがは一平君である。
 あるサイトで、鈴木一平君は西岸良平の子供時代をモデルにしているのでは?と書かれていました。
 なるほど、子どもの頃から発想力や才知に長けていたのでしょうか。その後のマンガ家生活の片鱗がうかがわれます。
 
 理科室には独特の雰囲気がありましたね。私が通っていた小学校にはあまり標本だとか模型とかはなく、お飾り程度にガラス棚の中に入っていました。
 確か白くて細長い寄生虫の標本はあったような?
 何で寄生虫なんかの標本があったのかと考えてみると、やはり昔の日本人には羅患率が多かったからでしょうか。
 あと、「アラビアゴム」なんてのを覚えています。コーヒーシュガーのような色と形をしていました。何でこんなのがわざわざ標本になっていたのでしょうか。
 
 夕焼けの詩―三丁目の夕日 (10) (ビッグコミックス) 夕焼けの詩―三丁目の夕日 (11) (ビッグコミックス) 夕焼けの詩―三丁目の夕日 (12) (ビッグコミックス)
  
●千歳飴  脚本 萩田寛子  (演出?)棚澤(?)
 サブロー君は家族からぞんざいに扱われていると思っている。
 七五三も楽しみにしていたが、やはり両親は仲人の用事があるため、連れて行ってくれなかった。不憫に思った姉のフタバは代わりに神社に連れて行き、千歳飴を買ってやる。
 サブローがフタバに、僕は両親の本当の子じゃないのかと聞くと、
「4番目(フタバ)や5番目(サブロー)くらいになると、注意が行き届かなくなる」
と諭す。
 ある日、サブローが夜になっても返ってこず、家族は総出で探し、靴が片方だけ見つかる。サブローに辛く当たりすぎた、と家族は反省する。
 翌日、野原の古井戸の中からサブローが救出される。この奇跡は新聞に載り、サブローは人気者になり、家族も以後サブローを大事にするようになる。
 
 今日の登場人物は、第4回と同じく前半が北川美加、後半はフタバが中心となっていました。
 このアニメ、原作でもそうですが、一応鈴木一平君の一家が中心となっていますが、他の人が主人公となる話も結構多いですね。
 こういった群像形式、私は好きなんですが、子ども達が見るには少々難しいんではないでしょうか。毎回見るごとに出てくる人物が違う、というのは戸惑うと思います。子どもが見るとすれば、決まった主人公が中心に展開している方が分かりやすいと思うんですね。
 だから初回放送時に視聴率が奮わなかったのは、そういった形式上の難しさも影響していたのでは?
 ウィキペディアの記述では、後半は東京地区では放送されなかった、と書かれています。
 こうなったならもう何でもありということで、視聴率テコ入れとして原作を『三丁目の夕日』に限らずに、『蜃気朗』『たんぽぽさんの詩』『鎌倉物語』『ミステリアン』やSF短編など、いっそのこと“西岸良平劇場”という風にしてみたらよかったのでは?やはり無理だろうか?
 
 子どもが増えるに連れ、下の方の子どもに親の目が行き届かなくなるというのはあると思います。親の監視や干渉に翻弄され続けて結局自分の人生を送ることができなかった私にとってみれば、放っておかれる下の子の方がどんなに楽だろう、と思います。自由奔放にクリエイティブな活動をしている人は下の子の割合が多いのでは、と思うのは一番上の子の僻み目か?結局は干渉すぎるのも放任過ぎるのもダメで、適度なのが一番でしょうが。
 
 それにしても、何で5番目の子なのにサブローなの?なぜゴローちゃんじゃないんでしょうか。
   




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第6回
●それぞれの秋  脚本 萩田寛子  演出 福富博
 腹をすかしたさすらいのノラ猫(トラネコ)が、あるアパートで、自分そっくりのネコ(トラちゃん)が飼われているのを発見する。我々は幼い頃に分かれた兄弟だと近づき、実は我々は貴族に飼われていた。この線路をずっと行けばその貴族の豪邸にたどり着く、と騙して飼い猫にすり替わる。
 しかし、飼い主の夫婦仲は悪く、よくけんかをしていた。一計を案じたノラネコは、旦那の定期入れの中と、奥方が読む本の中にそれぞれ相手の写真を入れておいた。写真に気が付いた二人は初心を思い出し、再び仲良くなる。
 ノラ猫に騙された飼い猫が、騙されたことに気付いて返ってきた。ノラ猫に抗議すると、実は二人に赤ちゃんが出来ることになり、新しい家に引っ越していった。ネコは赤ちゃんに良くないということで、置いてけぼりにされてしまった。つまりお前は捨てられたんだと諭される。以後、二人は一緒に暮らすことになる。
 
 ノラ猫はバイタリティがあり、才気にあふれています。多人数の兄弟の下の方もそうですが、この才気が西岸良平的才気というのでしょうか。
 よく主人公が入れ替わるこのアニメですが、今回の主人公は何とノラ猫。
 こういった多軸の展開は私は好きですが、子ども達が見るには混乱するのではないでしょうか。
 
 夕焼けの詩―三丁目の夕日 (13) (ビッグコミックス) 夕焼けの詩―三丁目の夕日 (14) (ビッグコミックス) 夕焼けの詩―三丁目の夕日 (15) (ビッグコミックス) 夕焼けの詩―三丁目の夕日 (16) (ビッグコミックス)
   
●干いも兄ちゃん  脚本 並木敏  演出 原田益次
 集団就職で東京に就職に来た六さん。鈴木オートが意外に小さかったことに失望する。
 自動車修理が全く出来ず、履歴書の特技欄に「自動車修理」と書いてあったのは、「自転車修理」の書き間違いだった。
 仕方ないので自転車で部品調達に行かされる六さん。しかし道に迷って夜になっても帰ってこない。鈴木社長は反省して一から教えることにする。
 
 アニメでは六さんの入社時から描いていたんですね。
 何でも入職初期の頃はうまくいかないもんで、私も入職初期の頃は今思い出しても赤面の至りです。
 六さんはその後鈴木オートになくてはならない人物になって、いないと大変だというエピソードもその後描かれています。
 干いもとは、いもを干したもののようです。田舎出身の私も知らない食べ方です。
 干いもを食べている六さんを鈴木一平君が見に来て、干し芋をもらって仲良くなるのです。
 クラスメイトの間ではリーダーシップを発揮している一平君ですが、家族の間では子ども子どもしています。場に応じた演技を使い分けています。
 なおこの「干いも兄ちゃん」、『ALWAYS 三丁目の夕日』に使われたエピソードを集めた「三丁目の夕日 特別編」の巻頭に収録されていますので、映画版でも似たようなエピソードが見られたのかもしれません。
 三丁目の夕日映画化特別編 (ビッグコミックススペシャル)
    




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第7回
●愛犬物語  脚本 萩田寛子  演出 小熊公晴
 マサル(?)君の家の飼い犬・ジローが死んだ。新聞を運び、お使いにも行く賢い犬だったので、家族は落ち込んでいる。そんな時、原っぱでマサルはジローそっくりの子犬を見つけ、ジローの生まれ変わりだと主張して飼ってもらう。子犬はコジローと名付けられたが、ジローとは全く出来の違う犬で、叱られてばかり。とうとうドジローと呼ばれるようになる。ドジローの変わっている点は、花や音楽が好きで、散歩中も花や音楽を愛でるために立ち止まることしばしば。また、屋根に上がるのも好きである。
 ある日、一家に、町でロードローラーに引かれて死んだ犬がドジローに似ていた、という知らせが入り、ドジローの墓を作って悲しんでいると、ドジローが戻ってくる。一家は喜ぶとともに、ロードローラーに引かれた犬の魂も弔ってやった。
 
 今回の主人公は犬です。色々バラエティに富んでいます。世界は一人の人物が中心になって動いてるのではなく、多くの人や動物達の人生から成り立っています。そういう意味で、このような多面的世界観はいいですね。
 果たして、犬も花や音楽を愛でることができるのか。西岸良平の描く犬は芸術家なのである。
 
 夕焼けの詩―三丁目の夕日 (17) (ビッグコミックス) 夕焼けの詩―三丁目の夕日 (18) (ビッグコミックス) 夕焼けの詩―三丁目の夕日 (19) (ビッグコミックス) 夕焼けの詩―三丁目の夕日 (20) (ビッグコミックス)
  
●ないしょ話  脚本 萩田寛子  演出 福富博
「ケンちゃんはミカちゃんが好きなんだって。でも、ミカちゃんが好きなのは一平君なんだって」
「ふうん。私も一平君好きだなあ。だってあの子面白いもん」
……といったことを坂上やすこと話していためぐみ。早速やすこに一平君が好きなんだって!と言いふらされてしょげる。坂上やすこは放送局というあだ名があるくらい、人の噂話が好きなのだった。
「放送局は嫌いよ」とめぐみに言われたやすこは反省し、今後は他人の秘密を話さないようにしようと決意する。しかし、サブちゃんがおねしょしていたり、図工の先生が立ちションしていたり、町の習字塾のコウモリ先生がカツラだったりと、話したい面白いニュースがどんどん飛び込んでくる。話したいのに話せないことが高じてとうとう病気になってしまう。
 診察したタクマ先生は、話したいことを話していないからだということを見破る。やすこの母親が誰にも話さないから話したいことを話してごらん、と言うと、話してスッキリする。
 しかしやすこの母親もやすこ以上にお喋りで、次の日には秘密は街中に広まっていたのであった。
 
 うわーやっぱり一平君、もてるんですねえ。確かにあの年代、面白い子は人気ありますから。
 今回一番面白かったのは、コウモリ先生の悲劇でした。しかしカツラがばれると何でこんなに面白いんでしょうか。
 はげていることを隠しているからなんでしょうか。
 普段からハゲだということを堂々とアピールしておいて、気分に応じてサングラス感覚で色々な髪型のカツラをつけるようなお洒落をしていれば、ばれてこんなに恥ずかしい思いをしなくてすんだのではないでしょうか。
 
 しかし秘密を簡単に喋ってしまうのはまあ、ビジネスの現場を知らない子どもや専業主婦の特権でしょうか。ビジネスの現場では秘密を守らなければならないことが幾つもあります。簡単に秘密を話していれば信用を失ってしまいます。
      




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【アニメ版『三丁目の夕日』を応援しよう会 バックナンバー】
  
■[日々の冒険]『三丁目の夕日』再放送開始!(サンテレビ
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20060406
■[日々の冒険]アニメ版『三丁目の夕日』を応援しよう会(1)
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20060409
■[学問]のび太くんはいつ成長するのか
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20041003/p2

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