OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

アニメ版『三丁目の夕日』を応援しよう会(3)

 アニメ版『三丁目の夕日』、サンテレビにて毎朝7時半より再放送中!
 意外と埋もれた名作なので、記録を取るのも有意義かと思い、視聴レポートを行います。
 
第8回
●新年会  脚本 並木敏  演出 福富博
 ネコ達が新年会の場所の相談をしている。議長役のようなことをして一番偉そうなのが第6回に登場したさすらいのノラ猫である。
 今回の新年会は長老の北斎先生もお呼びするから、暖かい安全な場所を確保したい、ということである。
 第7回に登場したマサル君(?)の母親が、実家がうるさくて年始の挨拶に行かねばならない、とこぼしているのを、さすらいのノラ猫が聞きつける。
 当日、一家が出て行った後、ノラ猫はドジローに酒を飲ませて酔わせ、トイレの窓から家の中に入って玄関の窓を開ける。居間のコタツにはおせち料理が手付かずのまま乗っていた。
 早速ネコ達が集まってきて、新年会が始まる。北斎先生はドジローも仲間に入れてやることを提案。ドジローも呼ばれて仲間入りする。
 やがて一家が帰ってくる。ネコ達は窓から退散。北斎先生はどっこらしょと帰る前に、小判を置いて行く。
 居間の惨状を見た一家、酔いつぶれているドジローを見て怒ろうとするが、北斎先生が置いていった小判を見つけ、機嫌を直す。

 弟6回のトラネコ兄弟も第7回の犬・ドジローが再登場。1回きりで消費されることなく何度も大事に登場するのはいいことです。
 普通のギャグマンガだと、ネコ達がどんちゃん騒ぎをして、後は飼い犬が叱られてジャンジャン!と終わってしまいそうですが、さすが西岸マンガです。長老のネコが小判を置いて行くというオチをつけてくれました。長老のネコが小判を置いて行くなんて、実に憎い演出です。ネコならありそうなことです。招き猫とかいって運を呼びそうですから。
 まあこれで、正月らしく皆が幸せになって丸く収まりました。
 こんな風に、貧乏くじを引いた者が叱られて終わり、というオチではなく、皆が満足するハッピーエンドで終わるというのも大事なことだと思います。
 
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●サンタが家にやってくる  脚本 萩田寛子  演出 殿勝秀樹
 一平君達は、サンタさんはいつも欲しいものをくれるとは限らない、と言っている。
 しかしヒロシ君は、僕はサンタさんに手紙を書いてるから欲しいものがもらえる、と自慢する。しかし実際は、本当に欲しいものより少しグレードの落ちるプレゼントをもらっているのが少々の不満だった。そこで、今年は細かく注文しようと思い、何社の野球盤、と手紙を書く。この手紙を風呂場の窓の外に貼っておくと、配達に来た炭屋さんがこれを見て母親に事情を聞く。
 ヒロシが町を歩いていると、サンタクロースに出会う。何とそれは炭屋さんで、近くの施設にボランティアで行く途中だったのである。炭屋さんはヒロシに、世界中の子ども達にプレゼントを渡すために、あまり高い商品は我慢してもらうこともある、と諭す。
 しかしその年、ヒロシのお父さんの会社は業績がよく、ボーナスもよかったので、ヒロシは望み通りの野球盤をもらえそうである。
 
 前半は正月の話だったのに、後半は時間が戻ってクリスマスの話である。どうせなら順序を逆にした方がよかったのに。
 ヒロシは姉のヒロコと双子らしい。男と女の双子・二卵性双生児である。
 ヒロコはサンタクロースは信じていないようですが、ヒロシは信じているようです。
「女の子の方が成長が早い」
とお母さんは言っている。
 私のことを思い出せば、UFOだとか宇宙人だとか予言だとか超能力だとか超常現象だとか幽霊だとかは信じているのに(いわゆるガチガチの“超常現象肯定派”です)、サンタクロースに関しては初めから全く信じていなかった。
 クリスマスプレゼントも、どうせ親が寝ている間に置いておくんだろうと思っていました。全然子どもらしいところのない、ませた子どもでした。
 
 炭屋さんという職業があったんですね。そういえば家の近くに住んでいた曾祖母は火鉢やコタツで炭を使い、他に練炭や豆炭というのも使っていました。それに使う墨や練炭や豆炭は炭屋さんが配達で持ってきてくれてたんでしょうか。
 火鉢というのは風流なもんです。インテリアとして流行ればいいのに。でも一酸化炭素中毒や火事の危険性も大きいから、やっぱり無理かな?
    




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第9回 
●イナズマ五段  脚本 並木敏  演出 原田益次
 冒頭、正義の柔道家と悪役の空手家の対決!空手家の先制攻撃に苦しみながらも、柔道家の勝利。人気ドラマ『姿三九郎』の一シーンだった。
『姿三九郎』人気で、町の柔道教室も大盛況である。竜田巻五郎(タツマキ)師匠の教室にも、一平、サブちゃん、ユウちゃんの三人トリオが参加している。
 一方、稲村綱三郎(イナヅマ)師匠の空手教室には二年間弟子はいなかった。
「TVが空手を悪役にするからじゃ」
とイナヅマ師匠はおかんむりである。
 そこに、2年ぶりに入門者が来た。「ケンカで強くなりたいんです」と言う弱そうな中学生である。普通ならこのような不純な入門動機の入門は断るところだが、背に腹は代えられないということで、入門を許す。新弟子は力をつけていった。
 ある日、新弟子は、町の柔道教室の子ども達が、
「空手なんかより柔道の方が強い。先生もそう言っていた」
と言っているのを聞く。怒った新弟子はタツマキ師匠を闇討ちするが、返り討ちにされてしまう。弟子から「タツマキ師匠が空手の悪口を言っていた」と聞かされ、イナヅマ師匠はタツマキ師匠に果たし状を渡す。決闘は河原で、三丁目の人々が見守る中行われた。
 決闘は2時間にも及び、引き分けに終わった。三丁目始まって以来の名勝負だと語り継がれることになる。
 この決闘後、イナヅマ師匠の空手道場にもぽつぽつと入門者が入るようになった。
 なお、イナヅマ師匠とタツマキ師匠は長年の親友であって、かの決闘も最初から引き分けになることになっていた、と言う人もいるようだが、真偽のほどは分からない。
  
三丁目の夕日』版・スポ根決闘物語。たまにはこんなのもいい。
『姿三九郎』は、『姿三四郎』のパロディか?私、名前だけしか知らないのです。
 あと、『紅三四郎』というアニメもあったようですが、これも主題歌だけしか知りません。哀愁漂う主題歌が好きです。何と、堀江美都子10代のデビュー曲ですと!?
 姿三四郎 [DVD] 姿三四郎と富田常雄 紅三四郎 DVD-BOX
 
 私、柔道は一時やったことがあります。「柔よく剛を制す」何ていいますが、実際は体格が良くて力が強い方が有利なのは当然です。小柄で力のない私には、思い出すだけでもゾッとするトラウマです。
 現在、少林寺拳法をやっています。これは体格や力なんて関係ありません。小柄な女の人ですらできます。
 柔道なんて無理・無駄な努力をせずに、始めから自分に合った少林寺拳法をやるべきでした。
「柔道は最強だ」なんてフレーズが今日のアニメにありましたが、柔道はそもそも“組む”ことが前提となっています。相手も“組む”という、同じ土俵の上に立たないと成り立たないわけです。暴漢が襲ってきた時、暴漢に「あのー組んで下さい」と頼むのでしょうか。
 一方、少林寺拳法は相手の攻撃をよけてから反撃することが基本となっています。上段者になれば、暴漢からの攻撃にも対処できる、と言われています。
……ということで、柔道と少林寺拳法を両方やった経験上、私には少林寺拳法の方が合っていたという結論です。
 これから新しく武道を始めようという方がいらっしゃいましたら、ぜひ少林寺拳法も検討してみて下さい。
  
  少林寺拳法のススメ  図解コーチ 少林寺拳法 (スポーツシリーズ)
  少林寺拳法公式サイト http://www.shorinjikempo.or.jp/
  
●お年玉大作戦  脚本 並木敏  演出 棚澤隆

 お年玉で顕微鏡を買う、と息巻くサブちゃん。
 しかし、いくらお年玉でも高い顕微鏡を買うには足らない。
「秘策があるんだよ」ニヤリとするサブちゃん。
 サブちゃんの秘策とは、野球キャラメルの懸賞を利用することだった。
サブちゃんは野球キャラメルの当たり券を3年間かけて297点分も集めていた。300点集めると顕微鏡をもらえる。
5箱に1箱くらいの確率で当たり券が入っているから、お年玉で野球キャラメルをまとめ買いすると300点集まるはずであった。
早速、お菓子屋さんに行ってある分全部を買い占める。最近は入ってこないということで、残り少なかったが、1枚当たりがあった。他のお菓子屋にも行くが、どこにも残っていない。偶然野球キャラメルを持っている子どもがいたので、定価の2倍で売ってもらったところ、果たして当たり券が入っていた。あと1枚である。
隣町にもお菓子屋があったことを思い出し、行くと、果たして数箱残っていた。そして、最後の1枚の当たり券も手に入った。しかし、そのお菓子屋のおばさんから、このキャラメルを製造していた会社は倒産したので、送っても届くかどうか分からないと聞かされる。
「3年間の苦労は何だったんだ」
とショックを受けるが、送るだけ送ってみる。
  
 下町製菓では、社長と助手が残務整理に当たっていた。
「今でも日に何通か、懸賞応募の手紙が来るんだよ。
 この子はすごいね。300点だよ」
などと言いながら、懸賞応募の手紙を見ている。
 300点集める子など最初から想定していず、顕微鏡は最初から準備していなかったが、前社長はポケットマネーから顕微鏡を買って送ってやることにする。
 サブちゃん家に待ちに待っていた顕微鏡が届く。中の手紙には
「会社をやめることになりました。今までありがとうございました」
と書かれており、サブちゃんは本当に会社がなくなったことを実感する。
 
 いい話です。確かコンビニに売っていたワンコインの再編集版にも収録されていた作品です。
 最初から300点を狙って計画的に購入していたサブちゃんはすごい。私などは、最初からあきらめる性格なので、子どもの頃から懸賞の類は応募したことありませんでした。
 この野球キャラメルは点数を集めれば確実にもらえるようですが、私なんかその点数を集める時点であきらめてしまうでしょう。
 会社が倒産したと知ったサブちゃん。ここであきらめてしまわずに駄目もとで送ったところがすごい。これが奇跡につながったのです。この、最後の時点でのねばりが大事でしょう。ここで潔くあきらめては水の泡。(しかし私なら潔くあきらめてしまいそうだ。つくづく成功に縁のない性格と思える)
 会社が倒産しても、子ども達のことを思って誠実に景品を送り続ける社長。いい人です。
 大人の世界では、詐欺だとか計画的な倒産だとか、色々悪い事件も起こっていますが、この社長は社長の鑑です。こんな良心的な会社こそ存続してほしいものです。
 製菓会社やジュースの会社などは、小さな会社も多いようなので、ここに描かれるように倒産や廃業なども多いと思われます。
(参照:大企業はラムネを作れない!? 
  http://www.excite.co.jp/News/bit/00091141192932.html
    茨城の不思議ドリンクに失われた子どもの世界を見た
  http://www.excite.co.jp/News/bit/00051077074592.html )
 私も以前、お金チョコを製造していた会社の倒産について書いたことがあります。
   お金のチョコよ、永遠に……の巻
     http://blog.livedoor.jp/nazegaku/archives/22677688.html
 ただ、このエピソードのタイトルにちょっと不満です。第3回でユウちゃんが誘拐されたお話のタイトルが「風車」だったのだから、そのセンスでつけてほしかった。
 このタイトルなら、お年玉をたくさんもらうために色々活動する、という安っぽいストーリーを予想させます。かなり味のあるエピソードなんだから、「顕微鏡」だとか「キャラメル」などのタイトルの方が良かったのではないでしょうか。
    




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第10回
●三丁目のドラネコ  脚本 萩田寛子  演出 原田益次
 三丁目に住む、甘いものが好きな謎のノラ猫・甘猫。
 一平、サブちゃん、ユウちゃんが茶川さんの駄菓子屋でお菓子を買っていると、甘猫が羊かんを取っていく。一平が注意するが、茶川さんも他の子も信じない。
 また、ケーキ屋の子・チュータローも、甘猫がケーキを取っていったのを父親に信じてもらえず、つまみ食い犯人にさせられる。
 一平は甘猫を捕まえるが、甘猫は病気だった。一平とチュータローは甘いものをやって看病するが、元気になった甘猫はロープを切っていなくなってしまう。
 甘猫がなぜ甘いものが好きになったのか、三丁目の七不思議の一つである。甘猫本人も、そのきっかけを忘れてしまったからである。
  
 普通のネコが甘いものを食べないとは、初耳である。ネコは人間と同じものを食べているというイメージがあり、当然甘いものも好きだと思ってました。寒がりと甘党はかぶってるんではないかというイメージもあります(私もそうです)。
 しかし、イヌはキャラメルを食べるというのは知っています。
 子どもの頃、友達が飼い犬にキャラメルをやると、喜んで食べていました。
 そのキャラメルのやり方は、新しいのをやるのではなく、まず自分が食べてある程度柔らかくしてから吐き出して、それからイヌに食わせていました。
 それを見て私は、本人もキャラメルが食べたいからこんな方法をしてるんだなと思ってました。
 
 夕焼けの詩―三丁目の夕日 (25) (ビッグコミックス) 夕焼けの詩―三丁目の夕日 (26) (ビッグコミックス) 夕焼けの詩―三丁目の夕日 (27) (ビッグコミックス) 夕焼けの詩―三丁目の夕日 (28) (ビッグコミックス)
 
●流行性感冒(インフルエンザ)  脚本 萩田寛子  演出 原田益次
 作家の森川先生は、雑誌連載中の『女性に関する48章』が人気である。
 その連載では、女性の社会進出に好意的で、進歩的なことを書いて女性に人気があったのであるが、実際の家庭生活では書いていることとは正反対の亭主関白であった。
 奥さんが風邪を引いても、物を買いに行かせたり食事を作らせたり色々命令するので、ついに奥さんが怒り出す。反省した先生は雑炊を作り、奥さんに食べさせる。
 
 先生が作った雑炊は「軍隊で覚えた」そうです。今は作家をしている老人でも、昔は軍隊にいたんですね。女性進出をテーマにしたり、時代を感じさせるエピソードです。
  




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【アニメ版『三丁目の夕日』を応援しよう会 バックナンバー】
  
■[日々の冒険]『三丁目の夕日』再放送開始!(サンテレビ
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20060406
■[日々の冒険]アニメ版『三丁目の夕日』を応援しよう会(1)
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20060409
■[日々の冒険]アニメ版『三丁目の夕日』を応援しよう会(2)
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20060412
■[日々の冒険]アニメ版『三丁目の夕日』を応援しよう会(3)
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20060420
■[学問]のび太くんはいつ成長するのか
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20041003/p2

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