この第2回を見る前、私が出しているメルマガで
「大河ドラマ『義経』がもっと面白くなる『平家物語』」
というのを特集しました。
『平家物語』を知っていれば『義経』をもっと楽しめる!
興味のある方は、バックナンバーを御覧下さい。
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20040403
さて第2回のOP前は、平治の乱の説明から入りました。保元の乱は飛ばしたのか。
実は保元・平治の乱もなかなか興味深いのだ。ここでの主人公は明らかに平清盛だな。
この辺り、寺島優 &松崎明美『妖星源平記 2 (希望コミックス)』に詳しい。もっと知られてもいい作品だ。
◇ ◆ ◇
冒頭、平盛国邸で清盛の子らと仲良く相撲を取っている義経。
これを見た平重盛(勝村政信)が清盛に諫言する。
後に清盛の過激な政策を諌める立場となる長男・重盛、早速の諫言です。
今回はどちらかというと清盛が甘口、重盛が辛口のシチュエーションです。
しかし、史実では義経は本当に清盛の子らと兄弟のように育っていたのだろうか。
(私は最近子ども向けの『平家物語』を読んだだけなので、知識はあまりない)
もしこれが今回の脚本のオリジナルだとしたら、優れた演出だと言える。
(『新選組!』を「史実と違う」と批判した人達は、これも「史実と違う」と批判するのだろうか?)
(↓↓↓)
京の町で義経が会ったうつぼ、五足(北村有起哉)、烏丸(高橋耕次郎)、それに第一回でもチラッと出てきた朱雀の翁(梅津栄)は、今回オリジナルの登場人物だろうか。
こういった人物がどう絡んでくるか、脇役中心に見ていく当レポートとしては、興味深いキャラである。
◇ ◆ ◇
第2話はどちらかというとやさしい父親としての登場だった平清盛(渡哲也)。
今回の大河では、清盛の優しさを描く場面が多くなりそうだ。
しかし、渡哲也が清盛を演じるというのは面白い趣向だ。
史実では、平清盛と織田信長には共通点が多いと思う。
かつて織田信長を演じた渡哲也が清盛を演じるのは、イメージとして合っているのではないか。
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竹とんぼで父子団欒の清盛と義経。
しかし竹とんぼは江戸時代に平賀源内が発明した……とは、『新選組!』ともつながりがあるみなもと太郎さんのマンガで読んだことあるような……。そういえばこの方、源氏の末裔か?
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清盛の正室・時子(松坂慶子)の常盤御前(稲森いずみ)への嫉妬。
「あの顔の裏には夜叉が潜んでいると見た」
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一条長成(蛭子能収)は、もう出てこないのだろうか。結構いいキャラだと思う。
(これもまた従来の大河にはないキャラだと思うが)
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そして今回、子ども時代の義経にライバルストーリーが一つ。清盛の三男・宗盛君である。
清盛の夢を描いた屏風を巡って起こるこのエピソード、後の清盛の福原京や日宋貿易とも絡めていて、実によくできている。今回の脚本オリジナルだろうか。
重盛とははるかに年下の義経にとって、この時代はまだ重盛とはライバル関係とはなりえない。
義経とは年の近い宗盛がまず義経のライバルとして名乗りを上げた!
しかし天真爛漫ですくすく育った健康優良児の義経に対し、占いに凝っていて文弱柔弱で度胸のない宗盛ではライバル関係は成立しない。
早くも義経は清盛の子に対して一つの勝利を上げた。
清盛が宗盛に辛く当たり、義経に甘くなるのも分かる気がする。
また一方で、宗盛がかんしゃくを起こして屏風に石を投げる気も分かる。
宗盛の母・時子は、宗盛はよくできた兄と比べられてかわいそうな育ち方をした、とかばう。
兄弟姉妹関係の心理学は、血液型の心理学に比べて今一つマイナーで、提唱者・畑田国男の死去により忘れられた感もある(軒並み絶版)が、なかなか興味深い。(長男である私にとって少々不愉快な内容でもあるが)
両親お気に入りの優等生の兄に比べて暴れっ子で悪ガキの弟。
しかし成長すると、結構弟の方が勝っていたりするようなことはないか。
長男である私が若干の自嘲気味に言っているのだが、弟は、自分より年上で成長している兄に勝とうとして負けん気を出し、それが努力につながり、成功につながるということが結構ある。
一方、優等生たろうとする子どもは次第に野性味を失っていき、現実の社会での適応力に欠けてしまうのだ。
しかし人の個性はそれぞれで、同じ境遇にいても性格によって色々違ってくる。
『平家物語』でも、重盛が優れた人格の人として描かれており、宗盛は少々物足りない人として描かれている。
そういった史実をもとに、子ども時代のこういったエピソードを創作しているのはさすがだ。
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NHK大河ドラマ『義経』を脇役中心に観ていくレポート 目次
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20050114『新選組!』をもっと楽しく観よう会 目次
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20041115