(あらすじ)
Rデパートの屋上から宿直店員が転落死した。書き手の記者は青山喬介と共に現場に向かう。喬介の捜査により明らかになった意外な真相とは……。
(感想:読者に挑戦 ですな)
ポーの『モルグ街の殺人事件』を思わせる意外な犯人。
これだけの短い短編に伏線やカギが現れているのだから、推理小説初心者でも読んでいるうちにそうではないかと見当がついてくる。
読者に挑戦!の本格推理小説の見本である。
この短編の探偵役・青山喬介についての説明
かつては某映画会社の異彩ある監督として特異な地位を占めてはいたが、日本のファンの一般的な趣向と会社の営利主義(コムマアシャリズム)とに迎合する事が出来ず、映画界を隠退して、一個の自由研究家として静かな生活を送っていた。勤勉で粘強な彼は、一面に於て、メスの如く鋭敏な感受性と豊富な想像力を以てしばしば私を驚かした。とは言え彼は又あらゆる科学の分野に亙(わた)って、周到な洞察力と異状に明晰な分析的智力を振い宏大な価値深い学識を貯えていた。
なかなか興味深いキャラ設定である。
そして書き手は何かの記者をしており、青山喬介に驚嘆と敬慕し、彼と隣り合わせの部屋に引っ越した。
シャーロック・ホームズとワトソン博士を思わせる名コンビである。他の作品でも登場しているのだろうか?
作者・大阪圭吉(大坂圭吉)についての青空文庫の解説には
1942(昭和17)年、上京して日本文学報国会に勤務しながら、作家活動の本格化を目指すが、翌年応召。1945(昭和20)年、フィリピン、ルソン島にて戦病死。享年33歳。
まだまだ書きたかったろうに、無念だったろう。
デパートの絞刑吏
第1回 http://www.servicemall.jp/sokudoku/BN/l/0127001.html から
第22回 http://www.servicemall.jp/sokudoku/BN/l/0127022.html
wikipedia:大阪圭吉
図書カード:No.1261 デパートの絞刑吏
作品名読み: デパートのこうけいり
著者名: 大阪 圭吉
http://www.aozora.gr.jp/cards/000236/card1261.html
http://yomi.mobi/bgate/000236__1261_20762
http://novel.atpedia.jp/%E3%83%87%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E7%B5%9E%E5%88%91%E5%90%8F-%E5%A4%A7%E9%98%AA%20%E5%9C%AD%E5%90%89/page/859.html
なれなれにのにの 倉庫 「デパートの絞刑吏」
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