OLDIES 三丁目のブログ

森羅万象・魑魅魍魎を楽しみ・考える不定期連載ウェブログです。本日ものんびり開店休業中。

議論で勝つ方が正しいのか

朝まで生テレビ橋下徹特集を見た。
 言葉が勝負の弁護士及びタレントをやっていただけあって、さすが橋下は議論が強い。
 単純に見ただけでは橋下の圧勝ではないか。
 
 何人も攻め手がいながら、攻めきれなかったという印象。
 テーマ設定が間違っていたのではないだろうか。
 
 最初、維新の会の選挙公報だとか、区長の公募だとかについてグダグダ言っていたが、重箱の隅を突っついているかのような印象。
 
 次に大阪都構想についてのテーマになった。
 
 大阪都構想も確かに重要なことであるが、まだ行っていない未来のことである。いくら攻めても口八丁の橋下に言いくるめられてしまうだろう。かえってPRの機会を与えているようなものである。
 
 そんな未来のどうなるか分からないことを攻撃するより、橋下知事時代に行ってきたことを問題にするべきだったのではないだろうか。
 
 例えば府庁移転問題、国際児童文化館閉館、カジノ誘致問題、府立高校に勤務する非正規の事務補助員を解雇して御堂筋のイルミネーションを行ったことなど。
  
 国政選挙でも、何時頃からかマニフェストなるものが重視されるようになってきた。
 しかし口先だけの約束のマニフェストなど後からどうにでもなる軽い存在だということは、小泉や野田らを見れば明らか。
 議論や投票の基準はまだ行われていない、言葉では何とでも言えるマニフェストではなく、それまでに行ってきた過去の活動を基準にするべきなのである。
 
 それと同じく、維新の会も、これからどうなるか分からない、どうとでも言いくるめられる未来のことを問題にしても仕方ないのではないだろうか。
 むしろ、今までの過去の活動の是非を議論するべきではないだろうかと。
 
 例えば、学校での君が代問題で、橋下は
「知事が決めるのではなく、地区や校長が中心になって判断する」
と言っていた。
 しかし未来のことは口先で何とでも言えるのである。実際に行われてみないと分からないことではないだろうか。
 
 それから、橋下が知事の時代で大阪府の財政は悪化したという意見と、改善されたという意見がある。
 本当のところはどうなのか。
 その辺りのことを徹底的に議論して頂きたかった。
 日本共産党の方も、国会ではフリップを使った質問が定評があるのだから、山下よしきも橋下財政についてフリップを作成して追及するくらいするべきだったのだ。
 海千山千の元弁護士相手に議論を挑むというのに準備不足も甚だしい。
 
  
銀河英雄伝説 香川平定 921
橋下府政、初年度黒字は詐欺だった。850億円赤字。手口「オーバーナイト」約750万円の余計な利息
  http://ameblo.jp/tikyuusaisei48dengeki/entry-10453751951.html
   
Afternoon Cafe
 橋下氏はどんな実績を残したのか検証してみよう〜(1)府の財政は黒字に?いいえ、赤字は過去最高に悪化
  http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-792.html
     
opeblo
■「府財政を短期間で救った」芝居の終幕の件
  http://d.hatena.ne.jp/opemu/20110731/1312098313
  
Everyone says I love you !
 松井大阪府知事と橋下大阪市長の維新の会コンビが当選なら「大阪」は破産する
  http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/2f0cb362fd80b6b75bc1c1c16ff872fb
 
  
 橋下が脱原発だというのは意外だった。
 私は脱原発派で脱ハシズム派であるが、脱原発という点のみは橋下市長と同じだ。
 しかしたまに色々なブログを見ると、橋下政治に疑問を呈する人達をバッシングしているような人は、脱原発もバッシングしていることも多い気がする。
 つまり、橋下政治においても原発においても、弾圧者・敵は同じというイメージなのである。
 本当のところ、橋下政治の評価と、原発の是非についてどのような相関性があるのだろうか。
 大阪の選挙で維新の会は圧勝したのだから、維新の会の支持者が脱原発の支持者なら、大阪で脱原発運動がもっと盛り上がっているはずだとは思うのであるが。
      
 あと、平松邦夫大阪市長や、倉田薫府知事候補も加わった方が良かったと思う。
 学者先生ではなく、実際に政治を行った政治家の方が経験を交えて議論する方が実際的な実りのある議論になったのではないだろうか。
(橋下は学者を指名していたようだ。平松や倉田の出席を嫌ったのだろうか。)
 
 橋下側でいえば、何で堺屋太一松井一郎府知事が登場しなかったのだろうか。
 松井などは市長のおかげで府知事になったという前代未聞の珍しい存在なのに。大阪の今後を考える上で、府知事の彼こそ絶対に出ないとあかんだろう。
 かえって足手まといになる、という橋下側の判断なのだろうか。
  
  
 ともかく、番組を見ての感想は、橋下圧勝。反ハシズムの私が見てもそう思うのだから、中立派や親橋下派が見れば圧倒的だろう。
   
 しかしここで、議論に勝つ方が正しいのか、という疑問を呈しておきたい。
 歴史は選択の連続で作られてきた。
 現在から過去の歴史を見て、明らかに間違いだったという選択があるとする。
 しかしそれが行われた時点では、現在から見れば明らかに間違いだと分かっている選択が正しいと思われていて、その選択を主張した方が議論に勝っていたのである。
 議論の勝者が正しければ歴史は常に正しく、現在はユートピアのような素晴らしい時代になっているはずですわな。
 
 例えば、太平洋戦争の際、山本五十六ら国際情勢や国力を正しく把握している人達は対米開戦に反対していた。
 当然開戦派と議論が行われていたはずであるが、結局開戦派が主導権を握り、日本は開戦した。
 
 或いは、ナチスが勢力を伸ばしてきた時代を考えてもいい。
 当然、ナチスに対して批判的な人達もいたはずである。
 当時、ナチスの論客とナチスに対して批判的だった論客とが議論したこともあったはずである。
 しかしナチス支配を止めることはできず、国民もナチスを支持した。
 未来人である我々はその後の歴史を調べることができる。
 
 ソ連にしても中国にしても議論の勝者が歴史を作ってきた。
 他の国、イギリスやアメリカもそうである。
 アメリカでは、ブッシュとゴアの激しい選挙戦が記憶に新しいところである。
 そして日本も。
 例えば小泉純一郎が圧勝したことがあった。
 逆に、その数年後に、今度は民主党自民党公明党選挙協力を破って勝利したこともあった。
 それで日本は良くなったのだろうか。
  
 結局私が思うのは、議論の勝者、勝負の勝者が正しいとは限らないということである。
 正しい方が勝てないこともある、それは日常生活でもよくあることではないだろうか。
 私なども口下手でアドリブがきかないので、口達者な奴の理不尽な悪意ある嫌がらせでひどい目にあったことも何度か。
 議論なんてある程度生まれつきの才能もあるだろうし、テクニックや訓練で上達することもあるだろう。
 逆に言うと、日常生活では正しいことが勝てないことが良くあるし、理屈や口喧嘩やゴリ押しが強くて好き勝手やってる人が正しいというわけではない。政治となるとそうなるのは当然ではないだろうか。
  
 そういえば、初期の「朝まで生テレビ」でブレイクしたのが舛添要一栗本慎一郎
 彼らはその後政治家になった。今彼らは何をしているのか?
 そういえば、かつて朝生で幸福の科学を議論した際、麻原彰晃も出席して、幸福の科学よりオウム真理教の方がはるかに説得力がある、と思った人も多かったとか。
 その後どうなったか。
 
 ともかく大阪は、日本は、こういった方に突き進んでいっている。
(なお、文中敬称は略させて頂いた。著名人ということでお許し頂きたい。)
  
■[日々の哲学]日本の極限状況で、橋下だけが〈言葉〉を持っているのか!?
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20120208/p1
  
 図説 心理戦で絶対負けない交渉術 最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術―かけひきで絶対負けない実戦テクニック72 スタンフォード流 議論に絶対負けない法―“勝ちグセ”をつけるセオリー! (East Press Business) レトリックと詭弁 禁断の議論術講座 (ちくま文庫 こ 37-1)
   ↑今後はやられっ放しにならないよう、最小限の理論武装は知っておく必要あるかもしれませんね。
 

すくらむ
橋下徹氏の実績=地震対策6割カット、教育・医療・住宅・高齢者や障害者福祉・文化などを大幅削減
  http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-11089572990.html
 
Afternoon Cafe
 内なるハシズムと闘う
  http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-816.html
 
vanacoralの日記
 飯田哲也氏、ハシズムに回収されたか
  http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20120201
 
軒づけ日記
 「『大阪都』になったら生活はどう変わるか」サイゾー2月号
  http://yurihinana.blog.fc2.com/blog-entry-197.html
  
広原盛明のつれづれ日記
 ハシズムを増長させる「政治討論番組」、(大阪ダブル選挙の分析、その8)
  http://d.hatena.ne.jp/hiroharablog/20120120/1327009962
 
Afternoon Cafe やっぱり袋だたきが職務なのかな(笑)
  http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-859.html
 
村野瀬玲奈の秘書課広報室
自治体首長の仕事は、テレビ論争で勝ち誇ることではない。 (報道ステーション2012年1月15日、「橋下徹vs山口二郎」)
  http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-3143.html
  
  
■[日々の哲学]タレント独裁者のバラエティ独裁制
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20111122/p1
 
■[日々の哲学]無軌道戦士ハシズム
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20111128/p1
  
■[Twitter]脱ハシズムに一票 のつぶやき
  http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20120201/p1
  


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