麒麟がくる　第27回「宗久の約束」光秀の返答

　　
　　麒麟がくる前編 (1) (NHK大河ドラマ・ガイド)　
　
麒麟がくる　
第27回「宗久の約束」
　https://www.nhk.or.jp/kirin/story/27.html
　
　足利義昭（滝藤賢一）を迎えた信長（染谷将太）だが、義昭の武士らしくない態度に失望する。
　確かに僧侶からいきなり武士になって戸惑うのも無理はない。
　こういった義昭像がリアルに描かれたことは今まであったのでしょうか。
　
　御所の様子を探りに京に潜入した光秀（長谷川博己）は藤吉郎（佐々木蔵之介）と再会。
　藤吉郎のバイタリティ溢れるキャラがうらやましい。
　で、東庵先生（堺正章）宅で三好の兵に追いかけられますが、その後どうなったのでしょうか。
　普通ならただでは済まない状況で、東庵先生も取り調べられておかしくない状況です。
　このドラマ的には一つのお笑いエピソードということで軽くスルーするエピソードなんでしょうか。
　

　
　織田軍と三好軍の合戦の勝敗を決する会談が光秀（長谷川博己）と今井宗久（陣内孝則）の間で行われた。
　こんな重大なこと、二人だけで一気に決まってしまいました。
　今井宗久が茶をたてて光秀が飲む間の出来事。
　正式の茶はたてるのも飲むのも結構時間がかかるものなんですね。
　こういう風に時間をかけて茶をたてて飲むのもいいもんだと思ってしまったのは、やはり私も年をとったということなのでしょうか。
　　　

　
　　光秀が今井宗久の条件を報告すると、家臣達が飲めないと怒り出します。
　今後光秀が信長の家臣になった時に仲間入りできるのかと心配するほどの叩かれ様です。
　そこを「義昭将軍の意向を伺う」と引き取った信長の裁定は素晴らしい。
　今回の信長は民主的キャラか……と思ったら、「俺を取るか将軍を取るか今決めろ」と。
　今決めろ、というのは、圧迫型の面接であって民主的ではありません。
「今決めろ」というのは、独裁的立場を利用しているか悪徳商法か、ともかく相手に深く考えさせないずるい方法です。我々がこんな風に言われた時は疑いを持つべき状況です。
　
　気の弱い人や空気を読む人なら「今決めろ」と言われれば従ってしまうところ、光秀は空気を読まないらしく拒否しました。
　その後の仕打ちが怖くなるところです。
　我々も今後「今決めろ」と言われた時、的確に判断するように決断力を養い心を鍛えておかないといけません。
　そしてこのセリフ一つで信長や光秀の性格や今後を示唆するようなセリフを思い付くとは、やはりクリエイターとはすごい。
　

　　
　三好軍は抵抗せずに京都から逃げてしまったようです。
　このドラマでは三好方の面々は描かれないので、どのような意図を持っていたのか分かりません。
　まるで正体の分からない宇宙人かのような存在と化しています。
　いずれ三好方の立場から描いたドラマが制作されてほしいものです。
　そして戦国合戦のドラマを見ているとつい忘れがちになるのですが、庶民からしてみれば、本格的な合戦になって町が荒らされるのは迷惑なことです。
　そういうことも駒（門脇麦）のセリフで思い出させてくれます。
　それにしても、三好チームのグリーンのユニフォームは良かった。徳島だから藍色というわけでもないんですね。

　なお、戦国大名の上洛といえば、1997年の大河ドラマ第36作目『毛利元就』でも描かれています。
　西国の雄・大内義興（細川俊之）が尼子経久（緒形拳）や毛利氏や安芸武田氏ら西国の諸大名を率いて上洛し、10代将軍・足利義稙（義尹）（田口トモロヲ）をサポートしました。
　その後尼子晴久（高嶋政宏）も上洛を目指しますが、叶いませんでした。
　　
“大河毛利元就　第5回　謀略の城”
　　 https://diletanto.hateblo.jp/entry/20130207/p1