日本の戦国時代における中国地方の“三国志”を描いたNHK大河ドラマ『毛利元就』。
今年のNHK大河ドラマは『毛利元就』だ!
大内義興(細川俊之)が京の都で動けない隙を狙って安芸支配をもくろむ尼子経久(緒形拳)と武田元繁(宍戸開)。
元繁は味方と偽って毛利家に探りの家臣を差し向ける。
今回のお話は、この毛利家に来たスパイとの駆け引きにたっぷり時間を費やしました。
007のような国際スパイ戦争を思わせるサスペンス編です。
松寿丸(森田剛)、杉の方(松坂慶子)、渡辺勝(榎木孝明)による見事な連係プレーによって国家の機密は守られたのだった!
他の回とは独立したお話として今回だけ取り出しても十分楽しめます。
森田剛経由でのアクセスが多いのですが、森田剛ファンの皆様は、今回だけでも見られてはどうでしょうか?
(以下、個人的覚え書きメモ。ネタ晴らし注意!)
重病でうなされていたのに、杉の方に一晩添い寝してもらっただけですっかり良くなった松寿丸。
あれだけ激しくいがみ合っていたのに、ひとまず停戦?
京の都では10代将軍・足利義稙(田口トモロヲ)が11代将軍・義澄を追放して将軍に返り咲いていた。
(しかし12代将軍とは数えないみたいです。)
10代 wikipedia:足利義稙
11代 wikipedia:足利義澄
12代 wikipedia:足利義晴
http://kotobank.jp/word/%E5%AE%A4%E7%94%BA%E5%B9%95%E5%BA%9C
織田信長より先に上洛して政権入りした大内義興。この辺りのドラマも面白そうです。
その、飛ぶ鳥を落とす勢いの大内義興に、尼子家家臣・亀井秀綱(河原さぶ)が面談を申し入れる。
領内で反乱が起こったために経久は帰国した、と事後報告の亀井。
追及する陶興房(夏八木勲)・内藤興盛(小野寺昭)だが義興は
「よう分かった!」と。
尼子方の見え透いた嘘なのであるが、義興の立場としては、どう出るべきだったのだろうか。
私が大嫌いな織田信長なら激怒して亀井をひっとらえかねない。
しかしここで亀井をどうにかしても尼子を怒らせて世間の評判を落とすだけだろうし。
義興にしても尼子方にしてもここは厳しい選択である。
様子を探りに来た井上元兼(片岡鶴太郎)に楽しそうな様子を見せて落胆させる杉の方。
「いかにうまい嘘をつくかが男の価値(勝ち?)にござりまするぞ」
と松寿丸に説く。
毛利元就に「謀多きは勝ち、少なきは負ける」と教えたのは尼子経久でしたが、その前に杉の方からそれに似たことを教わっていたのですね。後から見返すと見逃していた新たな発見があります。
武田家から味方と偽った使いの者がやって来る。
「失礼ながら、内々の話がござる」
との言葉に、志道広良(中村梅雀)が
「木村、下がれ」
と近習・木村(小日向文世)を下がらせる。
↑この縁側に座っている方が近習・木村(小日向文世)です。
小日向文世さんが演じている木村とは一体誰だろうと思っていましたが、こんな役でしたか。
しかし今回あまりに遠く、短すぎて顔はほとんど分かりませんでした。
木村さんだけ名指しで下がらされた後、おなじみの志道・桂・井上・渡辺ほか名がない数人の家臣が残っていました。木村さんはかなり下の方の役職なんでしょうか。
武田は尼子とつながっているに違いない、と主張する渡辺勝。
松寿丸の居るあばら家を訪れ、杉の方に、使節団を探るようお願いします。
松寿丸もまた渡辺に、使節団はスパイではないか、と推理を述べます。
その根拠は、井上から勉強のために読まされていた『源氏物語−柏木』の巻だと。
光源氏曰く、手紙は誰に読まれるか分からないから、皆まで書いてはいけない、遠回しに書き、読む方が察するものじゃ、と。
だから松寿丸も、京から届いた兄の手紙の裏を察して、尼子と武田はつながっているのではないか、と推理したというのである。
渡辺はその推理に感心しながらも、軽々しい行動はするなとくぎを刺す。
しかしこの推理はどうなんだろう。結果オーライに終わったけど、本当に兄・興元(芦田昌太郎)はそこまで意図していたのだろうか。
一方、尼子とつながっていたはずの桂広澄(草刈正雄)は、今回のことを何も聞かされていないということで複雑な心境。
「不要の者と思われたかと」
それを聞いた相合の方(松原千明)、
「弱音を吐いて下さい」
「男に弱音を吐いてもらえぬおなごは、おなごとしての価値がござりませぬ」
「吐いて吐いて 空になってしまえば また強うなれまする」
ぼやきの橋之助元就、とよく言われましたが、毛利弘元(西郷輝彦)も桂広澄もぼやいていた。
松寿丸が発見した機密の図面。渡辺と松寿丸は破いて元に戻す。
(この時、宴会は既に終わっていると思われる。使者達はどこにいるのだろう?風呂に入ってるのだろうか?)
使者達はばれたと知り、翌朝慌てて帰る。
こういう事を荒立てない解決策、大人の対応ですねえ。
現代の国際情勢でも参考になりそうな事例です。
松寿丸は今回の褒美で、あばら家から猿掛城に戻してもらえることになった。
これは志道・渡辺が中心になって決めたと思われるが、今まで勢力を誇って毛利家を牛耳っていた井上元兼も同意せざるを得なかったのだろうな。
そしてさらに、松寿丸は厳島神社にお礼参りを許され、杉の方と厳島を訪れる。
何とあの平清盛(松山ケンイチ)ゆかりの厳島がこんな所で出てきています。
確かに後に厳島の合戦の舞台となる重要ポイントなんですが。
そう言えば松坂慶子は2005年の『義経』では時子を演じましたね。
「天下の主になろうと考えてやっと一国の主になれるものじゃ。はじめから一国の主になろうと考えておってはなににもなれぬ。なににもなれぬ」
しかし今回のエピソード、コメディタッチのサスペンスミステリーで秀逸。
「謀略の城」というタイトルも印象的で、今回だけを取り出して独立した映画やドラマにできそう。
毛利家を探りに来た大島(渡辺哲)を始め武田家の連中もいい味を出していました。
この渡辺哲さん、『平清盛』でも藤原家保役(藤原家成(佐藤二朗)の父)で出演されていたようです。
wikipedia:渡辺哲
名作を見直すことは大切だ。
Mariner-S Blog
■[『毛利元就』]第5回 「謀略の城」
http://d.hatena.ne.jp/Mariner-S/20051027/p1
夜盗虫の朝寝坊
■[録画鑑賞][『毛利元就』]#05「謀略の城」
http://d.hatena.ne.jp/yotomusi/20050929/p6
[wikipedia:毛利元就 (NHK大河ドラマ)]
[wikipedia:毛利元就]
36毛利元就97
14風と雲と虹と76
43新選組!04
51平清盛12
55真田丸16
59麒麟がくる20
61鎌倉殿の13人22
↑人気blogランキングにご協力お願いします。m(_ _)m
↓また、ご意見ご感想・ブックマークなど頂けましたら励みになります。
コメントやリンク付きTBもお待ちしております。m(_ _)m