真田丸　第7回　奪回　理性と感性二つで一つじゃ！面白くなくては人は動かん！

大河ドラマ真田丸 16枚組DVDボックス完全版全4巻全50話を収録堺雅人/大泉洋/長澤まさみ/竹内結子日本のテレビシリーズ

CFLL

【今回のあらすじ】
天下統一目前の織田信長が討たれた！その影響は各地に波及します！
関東の北条が信州地方を狙って動き出しました！滝川一益（段田安則）が迎え撃ちますが大軍の前に敗走！
その隙を突いて真田昌幸（草刈正雄）は滝川を裏切り、沼田城と岩櫃城を奪い返す！ところが人質となっていたとり殿（草笛光子）は滝川配下にあったのです！！信繁（堺雅人）がとり殿救出に向かいますが失敗に終わり、信繁までもが人質として囚われの身となってしまいます！！
一方、滝川一益は清須会議出席のために清須に向かって急いでいました！そこに立ちはだかったのは織田に恨みを抱く木曽義昌（石井愃一）！滝川は通過の条件として人質を木曽に受け渡します！ところが何の因果か幸運か！木曽義昌ととり殿は旧知の仲だったわけでありますよ！とり殿の交渉により真田の城に戻った信繁は、昌幸から次のミッションを与えられるのです！！！

　色々多忙だったため、第５・６話はスキップして第７話のメモ。
　

　弱り目に祟り目の滝川一益（段田安則）ですがなかなかいい人のように描かれていました。
　でもまるっきりの暗愚ではなく、人質は身元に置いておくという抜け目ないところもあります。
　そもそも人質を取られているのに裏切るという真田昌幸（草刈正雄）の判断はどうだったのか。
　
　　[wikipedia:滝川一益]
　

　とり殿救出の際、きり（長澤まさみ）の忘れ物のせいで窮地に。
　滝川軍の兵士も小諸城の守備兵もいい人ですね。

　ダメ押しで滝川一益が登場して万事休す。
　
　決死の脱出劇の時、普通なら忘れ物を取りに行ったりしませんね。
　ところが取りに行くのが喜劇であり三谷劇なのであります。
　ここはこういう世界観のドラマだと思って楽しんでおきましょう。
　さらに、自分の忘れ物のせいで脱出に失敗したはずなのにきり姫が文句を言っています。
　一般的なドラマでは自分の失敗を申し訳なく思ってしおらしくするところです。
　これも、こういう世界観のドラマだと思って楽しむのです。三谷大河は今までの一般的なドラマの文脈を超えているのです。
　しかしそもそも、人質を救出するというのは大変なミッションです。
　専門的な訓練を受けた特殊部隊が必要でしょう。
　地方豪族の次男坊にはどだい無理な話です。
　佐助（藤井隆）の助けが必要だと思うのですが、何で佐助は登場しないのでしょうか。

　

　

　何かいいキャラの木曽義昌。しかし何でそこまでとり様に弱いのだ。
　当時は歴然とした身分制の時代です。いくら子ども時代に世話になったとしても今は殿様で歴然と身分の差があるのだから「あの頃は世話になったな」と言って偉そうにできる身分です。普通の時代劇ならそうなってるでしょう。
　そこをそうならないのがこのドラマの世界観なのです。

　
「お前がなぜしくじるか分かるか。おのれの勘に頼りすぎるからじゃ。
　わしも勘だけで生きておる。だがわしの勘は場数を踏んで手に入れた勘じゃ。
　それでもたまには間違える。まあお前がしくじるのは当たり前じゃ」
「源次郎よいか。お前の兄は、勘には頼らない。おのずと間違いも少なくなる。どちらが正しい生き方か分かるか？」
「兄上です」
「違う。源三郎と源次郎、合わせて一つじゃ。源三郎は間違いは少ないがくそまじめで面白くない。お前は過ちを犯すが面白い。面白くなくては人は動かん。二つで一つじゃ」
　
　ええ話や。これは多くのことに通じる普遍的な真理ともいえそうです。
　大脳生理学的に考えると我々人間には頭の中に源三郎（理性）と源次郎（感性）の二人が住んでいるのです。
　左脳と右脳です。
　左脳の理屈と右脳の感性の両方のバランスを取ることがうまく生きていくためには大事なのです。
　
　しかし昌幸殿も何やら不穏なこと考えているようで。他人様の信頼を弄ぶようなことをするのはちょっと。後々信頼性を疑われるようなことをしてもいいのかと。
　

　結局滝川一益は清須会議に間に合わなかった。
　ビジネスは締め切り厳守。厳しいことです。
『清須会議』で滝川一益（阿南健治）はなぜか一人で山の中を走っていましたが、今回の滝川一益はちゃんと馬に乗って部下を率いていたようです。
　
“清須会議　二大陣営の駆け引きを描く政治劇”
　　 https://diletanto.hateblo.jp/entry/20170225/p1